【観光・宿泊業界の価格戦略調査】インバウンド対応で浮き彫りになった「価格戦略の課題と方向性」

2025観光・宿泊業界の価格戦略調査

ダイナミックプラス株式会社

ホテル・宿泊施設向けレベニューマネジメントシステム『D+(ディープラス)』(以下、D+)を提供するダイナミックプラス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:平田 英人、以下「ダイナミックプラス」)は、宿泊・交通・観光施設を対象に、インバウンド需要に関する価格戦略の調査を実施いたしました。

近年、訪日外国人旅行者の急増により、観光・宿泊業界ではインバウンド需要の再拡大が続いています。

観光庁によると、2025年はコロナ禍前を上回る水準での回復が見込まれており、国内の宿泊施設や交通・観光事業者にとって、海外需要への対応力と価格戦略の見直しが経営上の重要課題となっています。

しかし一方で、現場では「どのタイミングで価格を変えるべきか」「為替やイベントによる需要変動をどう読めばよいか」といった悩みが多く、

データやAIを活用した価格設定の仕組み化が進んでいないのが実情です。

そこで本調査では、インバウンド需要の変化に対する価格戦略の実態と課題を明らかにする調査を実施しました。

その結果、「需要の予測」「価格判断」「文化的対応」の3点を中心に、多くの現場が直面する価格の見直し課題が明らかになりました。

調査概要

調査方法:インターネット調査

回答数:330件

調査時期:2025年9月

調査対象

2022年~2025年の間に、自社(または所属組織)の料金設定や値決めに関与した経験を持つ、宿泊施設・交通事業者・観光施設など観光関連業界の担当者

調査結果

  • 需要予測・価格・文化への対応が新たな課題に

インバウンド対応で難しさを感じる点として、最も多かったのは「混雑によるサービス低下」。次いで「多言語・多文化対応にコストがかかる」、「予約の集中が読みにくい」が続きました。
ホテル・旅館・レジャー施設など、業種ごとに多少のばらつきはあるものの、ほとんどの業種で共通の課題傾向が見られました。

今回の結果を分析すると、課題は大きく3つの観点に整理できます。

需要予測の観点:「混雑によるサービス低下」「予約の集中が読みにくい」

価格戦略の観点:「為替やイベントによる需要変動への対応が難しい」「価格感度が読めない」

文化対応の観点:「多言語・多文化対応にコストがかかる」「食事・宗教・文化的要望への対応」

これらの結果から、需要の読みづらさや価格判断の難しさに加え、訪日客の多様化に伴う文化的ニーズへの対応力の強化が求められていることが明らかになりました。
また、今後は、データを活用した「予測と調整の仕組み」への期待が一層高まっているといえます。

  • 約7割が価格設定を意識。為替・販売経路差を考慮する動きも

インバウンド向けの価格設定について、「意識している」と回答した企業は全体の69%に上りました。
特に「繁忙期のみ一部意識的に調整している」(28%)、「国内と異なる料金設計をしている」(21%)、「為替の影響を考慮して調整している」(14%)など、複数の要因を踏まえた価格設計を行う企業が増えています。
一方で、「特に意識していない」と回答した層も24%存在し、まだ価格戦略の体系化が進んでいない組織も見られます。

業界全体としては、為替やOTA経由の手数料構造、繁忙期需要の変動などに対応しながら、国内外での価格差や販売チャネル別最適化を意識する傾向が強まりつつあります。

  • 今後の方針は「柔軟な価格変動」へ。AI・DP導入を視野に

今後の価格戦略方針として、最も多かったのは「混雑状況に応じて価格を変動させたい(DP導入含む)」。
次いで「高価格帯のプランを強化したい」、「OTA経由の販売価格を見直したい」が続きました。

この結果から、価格戦略の重点が「値上げ」から「最適化」へと移行していることが読み取れます。
需要の波を正確に捉え、AIによる価格自動化(ダイナミックプライシング)を活用することで、
需給に即した柔軟な価格運用を実現したいという企業意向が強まっていることが考えられます。

一方で、「現状維持」や「特に予定はない」と回答した層も一定数存在し、価格戦略のデジタル化にはまだ温度差があることも分かりました。
インバウンド需要の波を的確に捉え、AIによる価格最適化を進める動きが加速しつつあります。


※本リリースでは観光業界の全体像を示していますが、業界、施設タイプ(ホテル・旅館・民泊など)や運営形態によって、価格設定にかける時間や改定頻度には差が見られました。平均値は全体像を把握するうえで有用ですが、同じ平均値でも施設タイプごとに分布の幅が大きく異なる場合があります。

資料ダウンロード

詳細なホテル・宿泊施設向けの傾向については、別途公表予定の分析資料にて報告いたします。

完全版レポートは10月末に配布予定です。

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■開催日時(※参加費無料)

2025年10月28日(火)15:00~16:00

2025年11月14日(金)16:00~17:00

※各回とも同一内容です。ご都合のよい日程でご参加ください。

※定員が埋まり次第、閉鎖させていただきます。

当社見解

本調査からは、観光・宿泊業界が急速に変化するインバウンド需要への対応力を問われている現状が浮き彫りとなりました。

多くの事業者が「需要予測の難しさ」や「価格判断への不安」を抱える一方で、

価格設定を意識的に行う企業が増加し、AIやデータを活用した“科学的な値決め”への関心が高まっていることが明らかになりました。

これまでの価格戦略は、繁忙期・閑散期といった定型的な区分に依存しがちでしたが、

今後は為替・イベント・気候・国別トレンドなど、より多面的な要因を踏まえたリアルタイムな価格最適化が求められます。

当社は、レベニューマネジメントシステム「D+(ディープラス)」を通じて、

業界全体の課題である「属人的な価格判断」からの脱却を支援し、

AIによる需要予測と価格自動化を一体化したダイナミックプライシングの仕組みを提供しています。

今後も、観光・宿泊業界における持続的な収益向上と、利用者の満足度向上を両立するため、

データに基づく意思決定の定着と、価格戦略の高度化を推進してまいります。

ダイナミックプラス株式会社について

ダイナミックプラスは、AIを活用したダイナミックプライシングシステムを提供し、スポーツ、ホテル、レジャー、民泊など幅広い業界の収益向上を支援しています。高精度な需要予測技術と豊富な導入実績を強みに、価格戦略の高度化と業務効率化を実現します。

所在地:〒162-0822 東京都新宿区下宮比町2-26 KDX飯田橋ビル6階6-3号室 

代表取締役:平田 英人 

事業内容:AIや数理モデルを活用したダイナミックプライシング(価格変動制)システム開発事業、企業の価格戦略や販売戦略の高度化を支援するコンサルティング事業

HP:https://www.dynamic-plus.com/ 

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会社概要

URL
https://www.dynamic-plus.com/
業種
情報通信
本社所在地
東京都新宿区下宮比町2-26 KDX 飯田橋ビル6階6-3号室
電話番号
03-5213-4155
代表者名
平田 英人
上場
未上場
資本金
7億5000万円
設立
2018年06月