2013 SciFinder Future Leaders in Chemistryプログラムの参加者が決定
世界各国の大学院生とポスドクが化学情報および関連分野の発展のために協力
http://www.cas.org/news/media-releases/2013-sflic
(オハイオ州コロンバス発、2013年7月16日)- 化学情報の世界的権威であるChemical Abstracts Service (CAS) は本日、2013 SciFinder Future Leaders in Chemistryプログラムの参加者として京都大学の辻信弥氏を含む17名を発表しました。2010年に始まったこのプログラムは世界の大学院生(および今年は初めてポスドク)が、化学情報の未来形成に参画できる貴重な機会です。
選ばれた参加者は8日間の短期集中プログラムの一環として、CASおよびACS Publicationsの研究者・編集者・スタッフと9月にインディアナ州インディアナポリスで開催される米国化学会第246回大会に参加します。その後コロンバスに移動し、CASデータベースの構築・運用の舞台裏を見学します。更に科学情報や関連ツールの問題点を討議し、結果をSciFinderの開発担当者に伝えるとともに、TechColumbus、Battelle Memorial Institute、The Ohio State Universityなどの研究機関を訪問します。
2013 SciFinder Future Leaders in Chemistryプログラムへの参加希望者は今までで最も多様で、40ヶ国の160以上の大学から応募がありました。希望者の研究分野も幅広く、合成化学、材料科学、ナノテクノロジー、生物学その他多岐にわたっています。このことはSciFinderで得られる科学情報が広範かつグローバルであることを反映するものです。
CASのマーケティング部門の最高責任者Chris McCueは「率直でオープンな意見交換を可能にするためにはグループをなるべく小さくしたかったので、様々な専門分野の優秀な応募者から絞り込むのは困難な作業でした。結果的には今回は大学院生とポスドク17名を選出しました。この方々はベスト中のベストであると私たちは確信しており、化学情報に関する独創的な見解を世界中の研究者が交換し合う本プログラムへ参加していただけることを嬉しく思っています」と述べています。
学業成績と研究活動、そして化学情報に対する見解から総合的に判断して2013 SciFinder Future Leaders in Chemistryプログラムに選出されたのは次の方々です。
• 辻 信弥, 京都大学(日本)
• P. Annecie Benatrehina, The Ohio State University(米国)
• Annika Borrmann, Radboud University Nijmegen(オランダ)
• Thomas Faust, University of Sydney(オーストラリア)
• Neal Fazakerley, University of Manchester(英国)
• Sourav Ghosh, Indian Institute of Science(インド)
• Matteo Gigli, University of Bologna(イタリア)
• Hilan Kaplan, Boston College(米国)
• Andrea Kolb, Victoria University of Wellington and The MacDiarmid Institute for Advanced Materials and Nanotechnology(ニュージーランド)
• Gabriel LeBlanc, Vanderbilt University(米国)
• Chong Liu, Nankai University(中国)
• Banothile Makhubela, University of Cape Town(南アフリカ)
• Matthew McLaughlin, University of North Carolina at Chapel Hill(米国)
• Jeffrey Murphy, University of Alberta(カナダ)
• Ayelet Ofarim, Tel-Aviv University(イスラエル)
• Karolina Pajak, Medical University of Lublin(ポーランド)
• Zhanhu Sun, RWTH Aachen University(ドイツ)
上記の方々は世界で最も権威ある学術集会の一つでもある米国化学会第246回大会に参加します。今回の大会のテーマは "Chemistry in Motion" で、21世紀の運輸産業を変革する最新の研究と未来技術が展示・紹介されます。
2010年のプログラム参加者であるBurcu Saner Okanさん(Sabanci University, トルコ)は「このプログラムは貴重な経験でしたし、米国化学会年会への参加は素晴らしいチャンスでもありました」と述べています。Okanさんは今年4月にはニューオーリーンズで開催された米国化学会大会で、機能性グラフェンの燃料電池への利用について発表しており、「米国化学会大会は自分の研究を世間に公表するとともに、同じ分野の研究者の仕事を知る有意義な機会です」とも語っています。
SciFinder Future Leaders in Chemistryプログラムは何よりも、世界各国から集まった仲間と意見を交換しネットワークを作るまたとない機会です。2012年の参加者であるPiper Klemmさん(University of California, Berkeley, 米国)は「最も役立ったと思うのは、国籍も背景も様々な人々と出会ったことです。これは化学を別の側面から見ることができる絶好の機会だと思います」と述べています。
CASについて
米国化学会(American Chemical Society)の情報部門であるChemical Abstracts Service(CAS)は、化学情報の権威として世界に知られています。CASは化学物質に関する世界の公開情報すべてを収集し組織化することを目的としている世界で唯一の機関です。CASに所属する科学者が構築と品質管理を行っているCASデータベースは、最も網羅的で信頼性のあるものとして世界中の機関に認められています。CASはこれらデータベースと最新の検索・解析技術を組み合わせた SciFinderやSTNの各製品・サービスなどを通じて、科学的な発見をサポートする最新かつ網羅的なデジタル情報環境を提供しています。
▽詳しくは http://www.cas.org をご覧ください。
SciFinderについて
SciFinderは化学者を中心とする科学者向けの優れた研究ツールであり、科学者が生産性を上げ、新しい発見を加速するために必要不可欠なコンテンツと機能を提供しています。このツールでは世界最大の化学物質データベースである CAS REGISTRYをはじめ、化学物質と反応情報を最も包括的に集めたデータベース群に簡単にアクセスできるだけでなく、他の科学情報検索サービスよりもより多くの文献にアクセスできます。現在フォーチュン誌の売上高上位500社の有力企業、および世界中で2,000以上の大学・政府機関が SciFinder を利用しています。
▽詳しくは http://www.jaici.or.jp/sci/SCIFINDER/index.html をご覧ください。
【化学情報協会(略称:JAICI)について】
化学情報協会(所在地:東京都文京区)は、化学技術情報の流通を図るため1971年に設立されました。米国をはじめ世界各国の情報機関などと協力関係を築き、日本の研究者をサポートする情報センターとして、大学・企業などの情報取得・分析から研究・開発までを支援しています。
▽詳しくは http://www.jaici.or.jp をご覧ください。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像