地球上から消えてしまうかもしれない日本の伝統食材を伝え残すための絵本づくりプロジェクト【味の箱船 絵本シリーズ】、記念すべき第一弾のお披露目会開催!
2/26&27に開催する神戸市×Slow Food Nipponの食イベント『WeFeedThePlanet 2022-みんなでつくるおいしい食の交換会』で【味の箱船 絵本シリーズ】をお披露目します。
⚫記念すべき第一弾!『味の箱船 絵本プロジェクト』お披露目会 開催
4本同時に生まれた味の箱船絵本シリーズのお披露目をかねて、絵本の題材となった秋田、静岡、長崎、沖縄の生産者や活動家たちと一緒に絵本のご紹介をさせていただいます。ぜひ会場へお越しいただければと思います。
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【概要】
・日時:2022年2月26日(土)10:30~11:00
・場所:場所:デザイン・クリエイティブセンター神戸 KIITO 1階(兵庫県神戸市中央区小野浜町1-4)
・費用:無料
・参加方法:エントリーはこちら
https://peatix.com/event/316966
⚫【味の箱船 絵本シリーズ】が生まれた背景
スローフード(※)でおこなっている様々な活動の根幹をなす、「味の箱船」というプロジェクト。人間が暮らすこの地球には、絶滅の危機に瀕する野生生物がいるように、食の世界にも、消えてなくなってしまうかもしれない伝統食材があります。そういった世界各地の伝統的な食文化や食材を登録していく「味の箱船」プロジェクトを1996年から進めています。
伝統かつ固有の在来品種の野菜や果物と加工食品、伝統漁法による魚介類など、世界中で5,500食材以上、日本では74食材が登録されています(2021年12月現在)。その多くは、各地域にしかない食材、このまま放っておいたら作る人も食べる人もいなくなってしまうような希少なものばかり。世界共通のガイドラインで選定、登録し、それらが完全に失われてしまわないように記録しておくことを目的としています。
現在、全国各地の生産者たちが守りつないでいる74の味の箱船食材は、高齢化によって担い手が不足していたり、「食べたことがない」「調理法がわからない」といった理由で、子どもたちの口に入る機会もなくなっています。日本の各地で、その土地の風土や歴史とともに脈々と受け継がれてきた食文化が、今にも途絶えてしまいそうになっている現実。子どもや孫たちに、生まれ育った地域の「おいしい」を、受け継いでいくため、また生産者の想いを伝え、次世代の担い手を育てていくために、「絵本」をつくることになりました。
(※)スローフードとは?
スローフードはもともと「おいしい・きれい・ただしい食をすべての人へ」をモットーに、1989年にイタリアで生まれた草の根運動の名称で、地球環境や食の未来を守りそだてようと、世界160カ国以上に広がり、様々な活動を展開しています。2016年に日本スローフード協会(通称Slow Food Nippon)が設立され、日本各地にスローフードの活動をしているグループが存在します。
- 一般社団法人 日本スローフード協会 サイト :https://slowfood-nippon.jp/
● 味の箱船 絵本シリーズとは
「味の箱船」食材をただ登録することに終わらず、子どもたちや次の世代に伝え、残していくための新たな挑戦である【味の箱船 絵本シリーズ】は、各地域の生産者さんや、保存活動に取り組む人、料理人や作家さんやアーティスト、子育て中のお母さん・お父さんなど、地域のいろんな人たちを巻き込みながらつくるオリジナルの「絵本」です。絵本完成後には、子どもたちへの読み聞かせや食育ワークショップをしたり、食材の担い手育成のためのインターンシップも行っていく予定。食材にかかわっている生産者だけではなく、地域住民や教育機関、自治体などより多くの人たちと、食材の保護継承のために一緒に行動を起こしていけるのではないかと思っています。
「味の箱船」に登録されている日本の74食材のうち、4地域の4食材を題材に、4冊の絵本を制作しました。
- 『ハタハタのしょっつる(秋田県)』
- 『潮かつお(静岡県 西伊豆町)』
- 『エタリの塩辛(長崎県)』
- 『フーヌイユ(沖縄県 国頭村宜名真)』
今回絵を描く絵本作家やイラストレーター、画家などクリエイティブ陣もその土地(あるいは近郊)の人たち。
できるだけ地域のことを大切に思い、描いて終わりではなく、この先もずっと一緒に「味の箱船」プロジェクトに関わっていける人たちにお願いしました。生産者や地域の人たちと対話を重ね、アイデアを出し合い、ときに4地域合同のオンラインミーティングをして意見交換をしたりしながら制作をしました。
● 味の箱船絵本シリーズ、中をちらみせ!
絵本のストーリーもテイストも様々。4者4様の個性あふれる絵本が、各地から生まれていきます。絵本を作ったからといって、たとえばすぐに、ハタハタの漁獲量が回復したり、しょっつるの消費量が増えるわけではありません。けれども、この絵本を読んだ秋田の子どもたちが、ハタハタと秋田の結びつきを知り、しょっつるの存在を知り、スーパーでみかけたときに「あ!」と気づいたり、大人になって「あのときの・・!」とふと思い出してくれたら。沖縄の子どもたちが、「ウミンチュ(漁師)ってかっこいいな!」と憧れをもってくれたら、という願いを持っています。
今回題材となった4地域だけでなく、今後全国の味の箱船を絵本をシリーズとして展開していくことで、こどもたちが食の世界の多様性と広がりを知るきっかけづくりになることも期待しています。
● 絵本のお披露目もする、神戸で開催するイベントの紹介!
2022年2月26日・27日(土日)に、神戸で絵本の初お披露目会を行います。Slow Food Nipponと神戸市が共催する食のイベント「We Feed the Planet Japan 2022~みんなでつくる、おいしい食の交換会~」。2020年にも開催し、全国から地球を想う生産者や料理人、食の専門家たち、そしてスローフードの理念に共感する人々が集いました。「おいしい」を入口に、地球の抱える課題に気づき、日常から起こせるアクションにつなげていくイベントです。2022年開催のこのイベントのなかで、絵本プロジェクトのコーナーを設けます。絵本の制作過程のドキュメント映像を観てもらったり、題材となった4食材をおいしく食べられる会を催したり、4地域にまつわる何かしらのワークショップを企画したり…。様々なコンテンツを予定しています。
- タイトル:WE FEED THE PLANET 2022 -みんなでつくるおいしい食の交換会-
- WEBサイト: サイト:https://www.wefeedtheplanet.org/
- 日程:2022年2月26日(土)・27日(日)10:00~17:00
- 場所:デザイン・クリエイティブセンター神戸 KIITO 1階
*兵庫県神戸市中央区小野浜町1-4 アクセスはこちら - 参加費:入場無料(プログラムにより一部予約制・有料)
- プログラム内容:
- みんなでつくる 円卓会議
- ライブステージ
- 味の箱船 絵本の展示や読み聞かせ
- 生産者や料理人の出店マーケット
- テイスト ワークショップ
- あそべるまなべる展示 などなど
- 主催:神戸市 / 日本スローフード協会
絵本プロジェクトは、日本財団の助成を受けています。
今回の【味の箱船 絵本シリーズ】は、本当にたくさんの人たちの「地域にある食材を次の世代につないでいきたい」という想いから生まれようとしています。今回題材となった食材以外にも、まだまだ「味の箱船」食材は多数あります。登録にもいたっていないものも各地にあります。より多くの人に「味の箱船」そのものと「味の箱船絵本シリーズ」を知ってもらえれば幸いです。
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