「女子中高生の理系進路選択支援プログラム」 令和6年度採択機関の決定について
JST(理事長 橋本 和仁)は、「女子中高生の理系進路選択支援プログラム」における令和6年度採択機関を決定しました。
第6期科学技術・イノベーション基本計画において、研究のダイバーシティの確保やジェンダード・イノベーション創出に向け、中高生、保護者、教員などに対し理工系の魅力を伝える活動などにおいて、女性研究者のキャリアパスやロールモデルの提示を推進し、女性の理工系への進学を促進するため、さらなる拡充を図ることとされています。また、第5次男女共同参画基本計画においても、女子中高生、保護者、教員などの科学技術系の進路への興味・関心や理解を全国的に向上させるための取り組みを推進し、次代を担う女性の科学技術人材を育成することを施策の基本方針としています。
女子中高生の理系進路選択支援プログラムは、これらを踏まえ、女子中高生の理工系分野に対する興味や関心を高め、理系進路へ進むことを志すためのさまざまな取り組みを支援します(1件当たりの支援額:上限600万円/年、支援期間:最大3年間)。
本年度の公募は、令和6年1月12日(金)から2月20日(火)の期間に行い、30件の応募がありました。その後、外部有識者で構成される委員会にて審査し、その結果をもとに7件の機関を決定しました。これにより、令和6年度の実施機関は17拠点となります。
なお、事業の詳細については下記のホームページを参照してください。
ホームページURL:https://www.jst.go.jp/cpse/jyoshi/
<科学を支え、未来へつなぐ>
例えば、世界的な気候変動、エネルギーや資源、感染症や食料の問題。私たちの行く手にはあまたの困難が立ちはだかり、乗り越えるための解が求められています。JSTは、これらの困難に「科学技術」で挑みます。新たな価値を生み出すための基礎研究やスタートアップの支援、研究戦略の立案、研究の基盤となる人材の育成や情報の発信、国際卓越研究大学を支援する大学ファンドの運用など。JSTは荒波を渡る船の羅針盤となって進むべき道を示し、多角的に科学技術を支えながら、安全で豊かな暮らしを未来へとつなぎます。
JSTは、科学技術・イノベーション政策推進の中核的な役割を担う国立研究開発法人です。
女子中高生の理系進路選択支援プログラム 令和6年度採択機関一覧
実施機関名:一関工業高等専門学校
「企画名」:「いわて女子の『リカカツ』~“デザイン思考”で興す!ふるさとイノベーション~」
概要 :岩手県南地域の女子中高生を主な対象に、デザイン思考、生成AI、理工系知識などを活用した新た
なモノづくり体験を通して理工系分野に興味・関心を持ってもらうきっかけとする。柱となるワーク
ショップでは地域の特色を生かした“モノづくり”をテーマにすることで、参加生徒の地域理解を深
め、地域活性化につながる企画内容とする。本校在学女子学生をTA(ティーチング・アシスタン
ト)とすることで、理工系人材をより身近に感じ、さまざまな理学・工学的な知識や技術を体験でき
る内容とする。また、ロールモデルとなる岩手県内で研究に従事する女子大学院生や地域企業で活躍
している女性技術者との交流を通して、女子中高生やその保護者に、理工系に進んだ場合の学生生
活・教育・研究・職業の現場への親近感・あこがれ・安心感を持ってもらう機会を設ける。
実施機関名:神奈川工科大学
「企画名」:「女子学生のための神奈川テクノフューチャープログラム:科学で夢を形に」
概要 :未来を創造する技術企業が集積し拠点を構える神奈川県央エリアの厚木市にある神奈川工科大学が、
神奈川県教育委員会や地元企業と連携し、将来のモノづくり産業を支える工学系女子の人材育成を目
標とするプログラムを行う。神奈川県全域の女子中高生に対して、文理を融合した企業連携型課題探
求を通して進路とその先の職業を具体的にイメージし、希望を持って自然に自分の未来の進路を選択
できる意識環境をつくる。また、女子中高生の身近に潜む無意識の偏見の存在を保護者と教員に課題
として気付いてもらうセミナーを行い、女子中高生の多様な進路選択を積極的に応援できるような地
域風土の形成を目指す。
実施機関名:山梨県立大学
「企画名」:「ものづくりから広がるポジティブチェーンプログラム―未来を見つける出会いの連鎖を体験しよ
う!―」
概要 :優れた技術力を持つ中小企業がありながらその認知度が低く、また女子の職業選択においてもアンコ
ンシャスバイアスが強い山梨県において、ものづくり体験を導入口とし、多くのロールモデルや企
業、また大学教員や学生などとの出会いの連鎖を提供する女子中高生理系進路選択支援事業を行う。
地域の発展と自身のキャリアを具体的に重ね合わせ、理工系分野への進学やキャリア形成が、地域や
自身の未来を拓く1つの道であると気付く女子中高生を増やすとともに、このような女子中高生の気
付きやその実現を支える保護者、地域企業、NPO、高校や大学の教員などからなるネットワークを
作り上げ、このネットワークが持続的に機能できる仕組みを構築する。
実施機関名:奈良女子大学
「企画名」:「理工系女子学生の裾野拡大・進路選択推進事業」
概要 :奈良カレッジズに参画する奈良女子大学が実施機関、奈良先端科学技術大学院大学、奈良教育大学、
奈良工業高等専門学校が共同して実施する連携機関となり、奈良県教育委員会、入江泰吉記念奈良市
写真美術館、DMG森精機株式会社、佐藤薬品工業株式会社の協力を得て、奈良県の女子中高生の理
工系進路選択支援の取り組みを行う。女子大学生や女性研究者・女性技術者との交流会の開催、理工
系分野の研究体験となる実験講座の開催などを通じて、女子中高生の理工系分野への興味を増進さ
せ、大学の理工系分野の女子学生数を増加させること、さらには日本の女性研究者・技術者を増加さ
せることを目指す。中学校、高等学校教員対象の研究会の開催、現在の理工系選択時の問題点の調査
を行い、今後の理工系女性人材育成の在り方を検討する。
実施機関名:北九州市立大学
「企画名」:「北九州から発信する、中高生とその保護者に向けた理系進路応援プロジェクトサイエンスラボ・f
rom北九州」
概要 :理工系分野の情報不足から理系を敬遠したり、興味・関心を持ちながらも理系進路に踏み切れなかっ
たりする女子中高生は多い。これから文系・理系の進路選択をする女子中学生およびその保護者(P
TA)を主対象に出張講義やサイエンスカフェ・座談会、実験・モノづくり体験およびインタビュー
シップからなる「体験ラボ・体験学習」を通して理系への興味・関心を高め、また理系進路でのキャ
リアパスについての情報などを提供し、理系進路選択の支援(理系進路への不安の解消)を行う。ま
た、本学の女子学生団体と連携企業とのコラボ企画を開催することで、学生組織と、学生と企業との
連携を強化する。さらに、県外の他機関の活動に協力し、他地域での理工系女子学生を増加させるた
めの活動の種をまく。
実施機関名:佐賀大学
「企画名」:「継続・育成型STEAMガールズコンソーシアム」
概要 :佐賀大学・西九州大学(佐賀県)、長崎国際大学・佐世保工業高等専門学校(長崎県佐世保市)、久
留米工業大学(福岡県久留米市)の4大学・1高専で連携し、九州北西部に在住する女子中高生に向
け、科学への興味を促し、かつ理系進路選択の可能性について学ぶ場(専門講義や実験体験会、大学
施設見学、地元企業の協力による理系現場見学会)を提供する。また、5機関合同での企画として、
「女子中高生のためのリケフェス」を年に1度実施し、女性技術者講演会、大学生によるロールモデ
ル講話、実験体験会と理系進路支援に関する多彩なアプローチを終日かけ行う。女子中高生の最大の
応援団となる保護者・教員には、ワークショップや先輩親子を紹介する動画の作成を通じ、理系進路
選択に係る不安の払拭、前向きな進路応援を行うための先端的取り組みを展開する。
実施機関名:熊本大学
「企画名」:「はばたけ!熊本サイエンスガールズ(Girls, Enjoy Science!)」
概要 :女子中高生の理系進学希望者を増やすことを目的とし、「理系のロールモデル講演会」、中学校高校
などで実施する出前授業の「サテライトセミナー」、親子で体験・実験する「親子ガールズスクー
ル」、そして現役理系女子学生による理系学習と進路相談の「教えて!先輩」を実施する。中等教育
段階から科学に親しみを持たせ、科学の楽しさ・面白さを実感してもらい、理系への関心を喚起す
る。理系のロールモデル紹介を通して理系でできること、やりたいことを見つけ、高校や大学進学す
る際に理系進路選択を促し、理系進路選択を支援する。同時に保護者・中学校高校教員に理系進路と
女性の理系キャリアに関する情報を発信し、理系進路選択への理解と賛同を高める。将来、熊本地域
のみならず全国で活躍する理系女性研究者・技術者の増加につなげることも本企画の目的である。
女子中高生の理系進路選択支援プログラム推進委員会 委員一覧
氏 名 | 所属・役職 | |
委員長 | 加藤 昌子(カトウ マサコ) | 関西学院大学 生命環境学部 環境応用化学科 教授 |
委員 | 荒木 美菜子(アラキ ミナコ) | 埼玉県立戸田翔陽高等学校 教諭 |
委員 | 安藤 妙子(アンドウ タエコ) | 立命館大学 理工学部 教授 |
委員 | 植阪 友理(ウエサカ ユリ) | 東京大学 大学院教育学研究科 准教授 |
委員 | 行木 陽子(ナメキ ヨウコ) | 中央大学 商学部 特任教授 |
委員 | 森川 晋平(モリカワ シンペイ) | 愛知教育大学 附属名古屋中学校 教頭 |
委員 | 矢吹 正徳(ヤブキ マサノリ) | 理想教育財団 理事 |
(委員は五十音順)
(所属、役職は令和6年3月30日時点)
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