次世代バイオインプラント、都内でも臨床研究開始
〜 特定臨床研究の2施設目としてヒルサイド赤坂デンタルクリニックが受付開始 〜
世界初の器官再生技術[*]の医療分野への応用に取り組む、株式会社オーガンテック(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:下義生、以下:オーガンテック)は、次世代バイオインプラント[*1]の研究開発に取り組んでいます。この度、次世代バイオインプラントの特定臨床研究機関として、ヒルサイド赤坂デンタルクリニック(所在地:港区赤坂、院長:宮原宇将)が登録され、2025年8月から東京都内のクリニックでも次世代バイオインプラントの特定臨床研究が受けられるようになりました。
弊社が世界に先駆けて取り組んでいる次世代バイオインプラントの研究開発では、2025年2月から福島県郡山市の一般財団法人脳神経疾患研究所(南東北医療クリニック)(所在地:福島県郡山市、グループ総長:渡邉一夫、理事長:渡邉貞義、統括病院長:紺野愼一、クリニック所長:黒田直人)歯科、顎顔面インプラントセンター(センター長:春日井昇平、東京科学大学名誉教授、元東京医科歯科大学大学院医歯学研究科インプラント口腔再生医学分野、教授)にて、「抜歯窩に残存する歯根膜組織を介した歯根膜結合型インプラントの有効性及び安全性評価試験」が進められています。
ヒルサイド赤坂デンタルクリニックは、安心、安全でトラブルの起きない、長持ちするインプラント治療を目指しているクリニックです。世界から最高品質の検査、治療機器を導入して、快適な空間の中、インプラント治療を中心に治療を進めると共に、他院で治療されたインプラントのトラブルにも対処しています。宮原院長は、大学院においてインプラント治療に纏わる骨再生の研究を行い、スウェーデンに国費留学の経験があります。また帰国後は大学病院のインプラント外来でインプラント治療に長年携わってきました。昨年、欧州インプラント学会の認定医試験にも合格しています。通常のインプラント治療に留まることなく、世界に先駆けた次世代バイオインプラント技術に関心を持ち、新たな治療法の開発に向けて進んで臨床研究への参加を決められました。

次世代バイオインプラントは、「歯の喪失に対する器官再生治療」として、医療機器であるインプラントを骨結合させる現在の治療法から、天然歯と同様に歯根膜を介して歯槽骨に結合させることによって、骨結合型インプラント治療によって失われる噛みごごちなどの知覚や感染防御などの生物学的機能を維持させて治療する技術です。この基盤技術は、オーガンテックの取締役会長・創業者である辻孝を中心とした研究グループが、国立研究開発法人理化学研究所において基礎研究したものです。
オーガンテックは、次世代バイオインプラントの社会実装を目指して、グローバルマーケットでの展開も進めています。弊社は、医療機器や再生医療の研究開発を通じ、新しい日本の高付加価値型産業を創出すると共に、人々の生活の質の向上や健康長寿社会の実現に貢献してまいります。
特定臨床研究の概要
本特定臨床研究の研究概要は以下の通りです。

研究名称 |
抜歯窩に残存する歯根膜組織を介した歯根膜結合型インプラントの有効性 |
対象患者 |
抜歯(歯根破折、歯冠破折、う蝕、脱臼歯などを原因とする)を必要とする患者 |
選択基準 |
以下の基準の全てに該当する患者 1) 上下顎の前歯~小臼歯までの単根歯が、う蝕ならびに歯の破折などによって、抜歯を必要とする場合。ただし、その抜歯対象歯の歯根周囲に健全な歯周組織が残存していること。 2) 抜歯対象歯の両隣在歯も健全な歯周組織を有する天然歯であること。また、対合歯による適切な咬合が得られること。 3) 同意取得時の年齢が18歳以上であること。 |
研究代表医師 |
春日井 昇平 |
研究期間 |
2025年2月1日~2027年1月31日(予定) |
実施医療機関 |
一般財団法人 脳神経疾患研究所 附属 南東北医療クリニック |
症例数 |
6例 |
【治療手順】
治療は初診から終了まで15か月となります。その間、決められたタイミングで、クリニックに15回、通院していただきます(右図)。最初の3回の通院で、この治療の適否を判断するとともに抜歯する歯に最適なインプラントを選択し、インプラントと隣在歯を固定するデバイスを作製します。4回目の通院で、対象となる歯を抜歯すると同時にインプラントを埋入します。移植後18週までの間、経過を観察しながらインプラントの生着と歯根膜の形成を確認します。この間は、移植部位で硬いものを噛んだり、歯ブラシで強く擦ることは避けていただきます。18週から36週までの間に、インプラントと隣在歯を固定していたデバイスを除去し、移植後48週で治療は終了します。その後は、自分の天然歯と同じように噛んだり、普段どおりの歯磨きをしていただけます。

【予測されるリスクと対応について】
本臨床研究は、世界で初めて歯周組織の結合を介した生着を可能とするインプラント治療であり、未承認品を使用するFirst in humanの試験となります。そのため、研究に参加される患者さんの安全を最優先として十分に注意をしながら治療を行いますが、移植部位での感染や、インプラント周囲の骨吸収が起こる可能性があります。治療の経過を見ながら、インプラントの撤去等の治療を行うことがありますので、ご了承の上、ご参加をお願いいたします。尚、インプラントの撤去を行った場合には、通常のインプラント治療を含め、適切な歯科治療を実施いたします。
* 器官再生技術(きかんさいせいぎじゅつ)
⇒ほぼ全ての器官は、胎児期に一度だけ、上皮幹細胞と間葉系幹細胞から構成される器官原基から発生します。成熟して完全に機能する器官が形成されるプロセスは、上皮と間葉の両方の細胞集団が、複雑な分子シグナルをやり取りしながら進行します。辻孝研究室では、器官原基の上皮幹細胞と間葉系幹細胞をバラバラに取り出して、その後、高密度で区画化することにより器官原基を再現する方法を、世界に先駆け2007年に開発しました(Nature Methods 2007)。この技術を器官原基法と言います。この器官原基法を用いることにより、歯、毛包、唾液腺や涙腺といった器官を機能的に再生できることを実証し、器官再生技術の基盤を作ってまいりました。
*1 次世代バイオインプラント(じせだいばいおいんぷらんと)
⇒金属と細胞を結合させることにより、生体機能を高度に再現することを目的とした新しい概念のインプラント。
お問い合わせ
1)特定臨床研究について
ヒルサイド赤坂デンタルクリニック 特定臨床研究ご担当者様
Mail:https://hillside-akasaka.jp/contact/
※ホームページの「お問い合わせ」から種別「質問」をご選択の上、ご連絡ください。
※ご予約の患者様の治療を優先するため、電話でのお問い合わせはお受けできません。
※休診日は木曜日、日曜日、祝日です。
2)次世代バイオインプラントの技術について
株式会社オーガンテック 広報
住所:東京都中央区晴海2-5-24 晴海センタービル6階
TEL:03-5859-5761
E-mail:info@organ-tech.jp HP:https://www.organ-tech.jp/
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