【イベントレポート】介護を科学する!第28回高齢者介護研究会を開催!
介護施設での事例研究発表を共有・表彰、「生産性向上への取り組み」の発表、外国籍職員/学生スピーチコンテスト、外部講師を招いた基調講演も。
社会福祉法人元気村グループ(本社:埼玉県さいたま市、代表:神成 裕介)が運営する高齢者福祉・障害福祉サービス事業所「翔裕園」が2024年11月21日、第28回高齢者介護研究会をオンラインでグループ内の全国100拠点以上の介護施設を繋いで開催・実施しました。
グループ内介護施設での事例研究発表を共有し、優秀施設を表彰する場が高齢者介護研究会です。よりレベルの高いケアの実現方法を多くのグループ職員が知り、そして各施設で活用していくことを目的としています。
高齢者介護研究会のコンテンツは大きく4つ。
①研究発表・優秀施設表彰
②生産性向上への取り組み優秀施設表彰
③外国籍職員/学生スピーチコンテスト表彰
④基調講演
■研究発表・優秀施設表彰
各施設で現在課題となっている事を選定し、その課題解決を数か月間データを取得、分析を行い、研究結果を資料にまとめて発表しました。発表内容をグループ内の審査員が、
①PDCA,②根拠,③検証手段,④汎用性,⑤研究期間,⑥資料の見やすさ,⑦幸せに繋がっているか,⑧伝え方,⑨客観性,⑩発表時間 計10項目で審査を行います。
・エントリー施設
研究発表:最優秀施設
ななさと翔裕館 「テーピングスマイルプロジェクト」
機能訓練指導員が50対1で個別機能訓練を実施していく中で、一人で全てのご利用者に寄り添い切れていない状況があった。専門性が無くても誰でも継続して実施ができ、その方の「希望」を実現しご利用者の「笑顔」に繋げていけるきっかけを作るため、研究を実施。
実施内容は以下3項目
①テーピングの継続使用
②リハビリ
③定期的な身体機能の測定
これらを半年間継続し、ご利用者の目標達成を目指す事とした。
今回の検証では期間も限られていた為、生活リハビリだけではなく、週1ペースの運動訓練も行っていたが、テーピングによる即時効果が顕著な為、長期的に見ればテーピングと生活リハビリだけでも十分な成果が期待できたと考えられる。大きなリスクもなく継続ができ、やり方が理解できれば専門職でなくても実施できる為、再現性が高い。 かぶれ等の皮膚状態の確認に関しても、視覚的に確認が出来る為専門のリハビリスタッフがいない施設でも実施が可能。ご利用者にとっても負担は少なく、「希望」実現に向かいやすい為継続性も高く、笑顔が増えていく結果となった。
あるご利用者は、座って短い棒を振るのがやっとだったところから、半年後には立ってゴルフクラブをスイングするまで回復した。
研究発表:優秀施設
蓮田ナーシングホーム翔裕園 「座位をとる -座位から始めるノーリフティング- 」
当職員の負担軽減のため介護機器の導入やノーリフティングケアに努めているが、機器の「過ぎる活用」がご利用者の筋力や活力を奪ってしまう事を危惧し、取り組みが消極的になっていた。
そこで、生活の中で無理なくADL向上ができ、ご利用者も職員も笑顔になれる立ち上がり前のゼロ地点「座位姿勢」の研究を実施。
実施内容は以下とし約5か月研究を行った。
・移乗の際に毎日最低30秒以上の正しい姿勢での「座位をとる」ことによる身体的変化を分析。
・根拠となるデータとして「Genki Group式ノーリフティング・トランスファーチェック」、「支え無しで座位が保持できる時間」「座位による左右の体重さ」を参照。
全介助の必要なご利用者にも提供できる、またご利用者にも実施する職員にも無理のないように座位のトレーニングを行った。車イスへ移乗する前の30秒から1分をご利用者とコミュニケーションをとりながら行うことでリハビリを自然にケアの中で行うようにした。
効果は著明に出る人と出ない人様々であったが、座位の姿勢は全体を通して改善される結果となった。生活の中の1日1分を正しく使うことにより、効果が期待できることは証明できた。
■ポスターセッション
テーマは『生産性向上への取り組み』とし、グループ内から19施設がエントリー。
最優秀賞
しょうぶ翔裕園 「AIを活用した相談員業務・ケアマネ業務の効率化と成果」
しょうぶ翔裕園は、業務量が非常に多い相談員の効率化に着目し、4種類の業務効率化を目指しすべてにおいて生成AIツールを活用し時短することに成功した。
・会議録の作成
・介護記録を要約しケアプランの作成
・営業リストやご家族への案内文の作成
・育成のためのマニュアル作成
AIツールを活用することで四分の一、業務によっては半分程度まで作業時間を短縮することが出来た。
例として、議事録作成は月3時間から5時間程度の削減。ケアプラン作成は月8時間程度の削減。
削減できた時間を活用し、営業に多く出ることができ、緊急時の現場フォローも可能となった。
課題としては、AIツールを使用したことがない職員には不安感があり、使用することを躊躇してしまうケースがある。また、AIに指示をする側の依頼方法によって出力結果が大幅に変わるため、使用者のスキルアップも必要であった。
優秀賞
かわぐち翔裕園 「クロスシフト×10時間勤務導入による介護施設の生産性向上」
かわぐち翔裕園では、介護業界が抱える人手不足、業務負担量の増加、それに伴う残業時間の増加に対して「クロスシフトと10時間勤務への切り替え」による業務効率化が出来ないかを検証した。
ユニット施設にて、1フロアにある4ユニット全体でシフトを調整するクロスシフトは、ユニットを跨いで支えあうことで欠勤や緊急時に柔軟に対応することが可能となる。
自身のユニット以外の状況を理解する職員が増えることで、助け合える環境がうまれ忙しさが分散し離職者数低下に繋がっている。
10時間勤務では、週5日8時間の勤務ではなく週4日10時間の勤務となる。
そのため、職員同士が重なる時間が自然に増え休憩が取りやすくなり、夕方の人手不足にも対応が可能となる。また、週休3日になることで採用面において求職者にもメリットがある。
結果、7割の職員が変更に対してポジティブな意見をもち、令和2年と比較すると31%の残業時間削減につながる結果となった。
優秀賞
鎌ヶ谷翔裕園 「生産性向上への取り組み」
鎌ヶ谷翔裕園は、適正な人員配置をどのように実現していくかに着目をした。
平均介護度が4.3、食事介助が必要な方が半数となっており、特に人員が手薄な朝食時など必要なタイミングに人数を確保しようとすると8時間勤務の常勤だけではカバーできない事象が発生していた。
そこで、本当に人手が必要な朝と夕方の食事介助の時間帯だけでの採用が出来ないかと、短時間バイトの募集を行うことにした。
「ちょこっと介護」というキャッチコピーを考え、朝/夜のみ2時間のアルバイトを募集した。
近隣の介護有資格者にアプローチするため、地元に特化した地域新聞へ求人を掲載したところ、短期間で8名の採用に繋げることが出来た。
朝と夕方の食事時間帯に「ちょこっと介護」の職員を配置することで、早番を減らして日勤を確保し、早番の残業をなくすことができた。結果、主任等の役職業務に集中する時間がとれるようになり、日中のパート職員を他のフロアへ異動することも可能になった。
人員配置数の変更はないが、1か月の残業時間を93時間、金額にして約136,000円の削減をすることが出来た。
■外国籍職員によるスピーチコンテスト
今年のテーマは『あなたが思う理想の介護』です。
どのような介護が素晴らしい介護で、どんな介護をしていきたいか?
感じたことをご自身の言葉でスピーチいただきます。
「理想の介護」について、皆さんの想いや目標をスピーチしていただきました。
今年はグループ内の施設・学校より21名にご参加いただきました。
最優秀賞
『笑顔』
社会福祉法人長寿村 竹の塚翔裕園 ヤダナー ラインさん(ミャンマー出身)
優秀賞
『可愛らしいお客様の笑顔』
社会福祉法人長寿の里 ふなばし翔裕園 ニィン エィ モーさん(ミャンマー出身)
優秀賞
『明日への意欲をサポート』
株式会社サンガジャパン 浦和さくら翔裕館 ギシン ザヤラムさん(ネパール出身)
皆さん様々な思いや目標を持って日本に来ていただきました。
元気村グループでは、外国籍職員の積極的受け入れ・働きやすい環境作りをこれからも邁進してまいります。
■基調講演
Genki Group50周年を記念し、原点に立ち返り「幸せとは何か」、「感動とはいかにして生まれるのか」をテーマに幸福学やウェルビーイングの研究で日本を代表する第一人者をお招きし、講演いただきました。
■協賛企業
・株式会社STARGOLD
・石川建設株式会社
・株式会社エネクト
・株式会社黒田生々堂
・株式会社小山商会
・株式会社トライトキャリア
・株式会社SSマーケット
・株式会社栄久
・エムシー社会保険労務士法人
・株式会社ジェー・シー・アイ
・株式会社日本医療食研究所
・株式会社バイオシルバー
・フォーク株式会社
・株式会社ヤクルト本社
・株式会社ヤザワコーポレーション
・株式会社ラカンデザイン研究所
■社会福祉法人元気村グループとは
私たち社会福祉法人元気村グループは平成5年に埼玉県鴻巣市に開園しました。「共に生きる」を共通理念に8つの社会福祉法人を展開しています。(社会福祉法人 元気村、長寿村、長寿の里、長寿の森、杜の村、共生会、福ふく、心の会)
ご利用者一人ひとりの「生きがい」まで追求し、「感動介護」を実現します。
電 話: 048-631-0070
所 在 地:〒330-0854 埼玉県さいたま市大宮区桜木町1‐11‐9
ニッセイ大宮桜木町ビル8F
サイトURL:https://www.genkimuragroup.jp/
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