【日本フリーランスリーグ】生成AIと日本のクリエイターの未来について、国内初かつ最大規模の実態調査結果(回答数24,991件)を発表しました
調査結果から、コンテンツ産業の中核である「絵を描く」人材の心理的安全性が脅かされていることが浮き彫りに。産業の持続可能性と生成AI活用のバランスをどのように考えるべきか、極めて重要な一次データを提供。

一般社団法人日本フリーランスリーグ(FLJ)は、日本のコンテンツ産業を支えるフリーランスの「現実の状況」が横断的に把握できていない状況を改善するために、俳優、音楽家、イラストレーター等の業界団体や労働組合とも連携し、現場の声を調査で集めて分析し、具体的な根拠に基づいた政策提言や情報発信を行っています。
この度、生成AIの急速な台頭が、技術的、ビジネス的な変化に留まらず、世界的な人気を誇る日本のアニメ・マンガ・ゲーム等のクリエイターのコミュニティに深刻な混乱を生み出している状況を可視化するために、日本初かつ最大規模(回答数24,991件、調査期間2025年9月30日~10月31日)の実態調査を行いました。
調査結果は、日本のコンテンツ産業(輸出規模約6兆円)の中核である「ビジュアル・世界観・キャラクター」を生み出す「絵を描く」人材が、心理的不安・創作萎縮にさらされている事実を浮き彫りにしており、今後のコンテンツ産業の持続可能性と、生成AI活用のバランスをどのように考えていくべきか、極めて重要な一次データを提供するものとなっています。
(調査回答全文はこちら→ https://drive.google.com/file/d/1Aw3nn12mPNXy4Ex9403V6MewvRjW8gHr/view?usp=drive_link)
■調査結果のポイント
1.日本のコンテンツ産業が競争力を保つためにも、生成AIの利活用と、「絵を描く人の心理的安全性」への両面の施策が必要
◆回答数24,991件のうち、イラストレーター(54.2%)、漫画家(15.0%)、アニメーター(2.2%)ら「絵を描く人」が全体の71.3%を占めた。これは、生成AIが最も早く、代替可能性を示した領域が画像生成であり、作風模倣や無断学習の問題が大きく顕在化した職種であったと読み取れる。
◆生成AIは自身の生計にとって「重大な脅威となる」との回答が88.6%(「強くそう 思う」65.3%+「ややそう思う」23.3%)に達する。
◆自身の仕事に不安がある回答が93.3%(「将来の仕事に不安がある」56.2%+「現在の仕事に不安がある」28.1%)
◆誹謗中傷や無断利用など「他者がトラブルに巻き込まれているのを見聞きした」割合は77.8%に上り、現場の心理的萎縮につながっていると推測される。
2.生成AIによる影響は「これまでの技術革新による市場再編」とは質的に異なる様相
◆生成AIの影響で収入・売上が「減った」とする回答は合計12.0%(「やや減った」9.3%+「大幅に減った」(2.7%)となり経済的損失の顕在化は限定的だが、すでに今後のキャリアとして約1割(10.8%)が「創作活動以外の収入源の確保」を選択している。市場再編前にクリエイターの態度変容が始まる兆候。
3.生成AI運用における「透明性」「同意」の欠如に対する強い不信感
◆AI学習データの著作物リスト公開を法律で義務付けることに対し、92.8%重要と回答(「非常に重要」85.8%+「ある程度重要」7.0%)。
◆データ学習利用の同意について、61.6%「オプトイン(事前許諾制)」を支持。 「原則禁止」を求める26.6%と合わせ、88.2%が強力な同意管理を希求。
4.補償モデルの検討よりも、まず権利のコントロール権を求める姿勢
◆生成AIからの収益還元モデル案(サブスク型、ライセンス型等)に対し、33.3%が「いずれも共感できない」が最多回答。
◆日本の政策重点として、「アウトプット(生成物)の違法性判断と罰則」(34.5%)「ぜんぶ重要」(34.2%)が拮抗。他は「インプット適法性の明確化」(18.8%)、アウトプットからの収益分配ルールの検(6.9%)。
◆自由記述(約1.5万件の実質回答)では、「法整備・ルールメイク」が最も強い軸となり、次いで透明性とコントロール、収益分配、教育・リテラシー、プラットフォーム責任へ論点が広がる分布を示す。
■調査結果からの提言
本調査結果に基づき、日本フリーランスリーグとして、行政向け提言と、クリエイター向け提言を以下にまとめた。
【行政・政府への提言】
◆学習データの透明性義務化: AI開発企業に対し、データセットの出所・範囲の開示を義務付け、オプトイン(事前許諾)環境を整備すること。
◆ラベリング義務化とアウトプット違法性のガイドライン化: AI生成物のラベリング義務化と、悪質な権利侵害に対するガイドラインの策定。
◆公正な収益還元スキームの構築: データ使用料ライセンスや収益シェアなど、クリエイターへ利益が還元される新スキームの構築。
◆ 「絵を描く人」をはじめとしたクリエイター労働政策の整備: コンテンツ産業の持続性を高める戦略人材としての位置づけ、契約対等性など労働環境改善施策。
◆クリエイター統括機関の創設: 縦割り行政(文化庁・経産省等)の弊害を排し、韓国の「芸術人権利保障法」等をモデルとした、クリエイターの権利保護と振興を一元的に担う専門機関の設置 。
【クリエイター・業界への提言】
◆ 「個」から「連帯」へ: 既存団体の枠を超えたギルド的組織の再構築と、政策決定プロセスへの積極参加。
◆契約・権利・制度に関するリテラシーの強化: 不利なAI条項や権利譲渡を防ぐための契約知識の底上げと標準契約書の普及。
◆エビデンスに基づく意見表明:感情論だけではなく、定量データで声を可視化する仕組み作り。
■調査結果からのアクションプラン
~2万5000人の熱量を「制度と市場を動かす力」に変えるために、「絵を描く人」の連帯基盤(ギルド)設立を支援~
行政機関や生成AI企業など、日本の生成AIのルールメイクを担う層に対し、クリエイターの実情を正しく伝え続けるためには、行政側の調査を待つだけでなく、クリエイター側も個々の声を束ね、継続的に発信・交流する必要がある。そこで、まず最多回答層であった「絵を描く人」の横断的ギルドの設立を支援し、国内外の生成AIのルールメイカーと継続的に交流して、政策と市場のルール形成へ接続する仕組みをめざしていく。
1. 「絵を描く人」の横断的ギルド(連帯基盤組織)組成の支援
日本フリーランスリーグはこれまでもクリエイターの組織化支援を行ってきたが、本調査を起点として、以下で予定されているイラストレーター、漫画家、アニメーターなど「絵を描く人」を横断的に束ねるギルド(連帯組織)の組成を支援する。
【「絵を描く人」連帯基盤(ギルド)概要】
〇目的: 国内外のルールメイカーに日本の「絵を描く人」の現状と意向を正確にインプットし、生成AIの普及とクリエイターの権利、働き方の間に「最適な接点」を見出すこと。
〇発起人:
・小池アミイゴ氏(イラストレーター・画家。一般社団法人東京イラストレーターズ・ソサエティ前理事長。2022年『はるのひ』(徳間書店)で第27回日本絵本賞を受賞)
・森川ジョージ氏(漫画家。週刊少年マガジンで「はじめの一歩」を連載中。同作で、第15回講談社漫画賞少年部門を受賞。日本漫画家協会常務理事)
〇組織形態: 労働組合、協同組合、一般社団法人などから最適な形態を選択する予定。
〇連携体制: 既存の職能団体や活動とも密に連携し、対立ではなく協調を図る。団体加盟と個人 加盟の双方を受け入れることで、国内最大規模の「絵を描く人の集合体」を目指す。
2. グローバルスタンダードな「調整と対話」の場を創出
先般、米国におけるOpenAIとディズニーの提携発表直後、全米俳優組合(SAG-AFTRA)は、既存の労働協約の遵守を条件としてこれに賛同を表明した。海外では、職種別の労働組合が、コンテンツ産業全体の発展と職種の持続可能性の調整弁として機能している。 日本のクリエイター職種では、こうした活動自体が前時代的なものと捉えられがちな風潮もあり、オープンな対話や調整が機能してこなかった。ギルドでは、この構造的な弱さを補い、行政機関や産業界と対等な対話を通じた「調整機能」の実装を目指す。
3. 実行ステップ(予定)
フェーズ1(2026年4月~):参加基盤づくり
発起人会・賛同団体の募集、個人参加窓口開設、行動原則(透明性/同意/対話/非排除)を策定
フェーズ2(2026年9月~):政策ブリーフと対話の定常化
調査データに基づく論点別ブリーフ発行、行政・国会関係者との定例意見交換会開始
フェーズ3(2026年12月~):産業横断の合意形成と実装提案
メディア、AI事業者との協議回路整備、AI時代の標準契約条項案の提示
■本リリースに関する問合せ先 一般社団法人日本フリーランスリーグ 西野ゆかり
Mail freelanceleagueofjapan@gmail.com 電話 080-5009-2552
■調査概要
調査期間: 2025年9月30日~2025年10月31日
調査方法: インターネット上でのアンケート
対象職種: 文化芸能芸術分野のフリーランス
回答者数: 24,991人
調査協力団体: 37団体
協同組合 日本俳優連合(日俳連)
日本音楽家ユニオン
NPO法人 映画業界で働く女性を守る会(swfi)
一般社団法人 東京イラストレーターズ・ソサエティ(TIS)
一般社団法人 日本アニメフィルム文化連盟(NAFCA)
一般社団法人 日本ベリーダンス連盟
ふくしまクリエイター著作権協会
名古屋放送芸能家協議会
関西俳優協議会
一般社団法人 沖縄県芸能関連協議会
一般社団法人 日本イラストレーター協会(JIA)
一般社団法人 映像実演者協議会
一般社団法人 日本音楽作家団体協議会(FCA)
(全日本音楽著作家協会、全日本児童音楽協会、日本音楽作家協会、日本音楽著作家連合、日本現代音楽協会、日本作曲家協会、日本作曲家協議会、日本作詞家協会、日本作編曲家協会、日本詩人連盟、日本童謡協会、日本訳詞家協会、新日本音楽連盟の13団体の集合体)
一般社団法人 日本映像職能連合(映職連)
(日本映画監督協会、日本映画撮影監督協会、日本映画・テレビ照明協会、日本映画・テレビ録音協会、日本映画・テレビ美術監督協会、日本映画・テレビ編集協会、日本映画・テレビスクリプター協会、日本シナリオ作家協会、日本映画装飾協会の9団体で構成)
一般社団法人 日本映画制作適正化機構(映適)
協同組合 日本脚本家連盟
ユニオン出版ネットワーク(出版ネッツ)
※アンケート作成・集計・分析 紀尾井町戦略研究所株式会社 調査チーム
【一般社団法人日本フリーランスリーグ(Freelance League of Japan/FLJ)について】
HP : https://fl-jp.org/
■運営組織
名誉会長:やくみつる
理 事 長:西野 ゆかり
専務理事:池水 通洋(日本俳優連合 代表理事・副理事長)
専務理事:土屋 学(日本音楽家ユニオン 代表運営委員)
理 事:高田 正行(紀尾井町戦略研究所株式会社)
■協力団体
協同組合 日本俳優連合(日俳連)
日本音楽家ユニオン
NPO法人 映画業界で働く女性を守る会(swfi)
一般社団法人 東京イラストレーターズ・ソサエティ(TIS)
一般社団法人 日本アニメフィルム文化連盟(NAFCA)
一般社団法人 日本ベリーダンス連盟
ふくしまクリエイター著作権協会
名古屋放送芸能家協議会
関西俳優協議会
一般社団法人 沖縄県芸能関連協議会
一般社団法人 日本音楽作家団体協議会(FCA)
(全日本音楽著作家協会、全日本児童音楽協会、日本音楽作家協会、日本音楽著作家連合、日本現代音楽協会、日本作曲家協会、日本作曲家協議会、日本作詞家協会、日本作編曲家協会、日本詩人連盟、日本童謡協会、日本訳詞家協会、新日本音楽連盟の13団体の集合体)
一般社団法人 日本イラストレーター協会(JIA)
一般社団法人 映像実演者協議会
■スポンサー・協賛会員
株式会社タイミー
■アドバイザー
石原 弘子:ティールスタート株式会社 CEO
植田 益朗:一般社団法人日本アニメフィルム文化連盟(NAFCA) 代表理事
梅澤 元彦:株式会社 ムーンファクトリー 代表取締役社長/NPO法人キープ・ママ・スマイリング 理事他
大野 博司:日本外国特派員協会会員・労政ジャーナリスト
呉 学殊:労働政策研究・研修機構(JILPT)特任研究員
小池 アミイゴ:イラストレーター/東京イラストレーターズ・ソサエティ 前理事長
SAORI:NPO法人 映画業界で働く女性を守る会(swfi) 代表
菅 俊治:弁護士(東京法律事務所)
菅山リンダ明美:株式会社ハッピーエンジン 代表取締役
旦 悠輔:旦悠輔事務所 代表
棗 一郎:弁護士(旬報法律事務所)
西村 淳一:グラフィックデザイナー/株式会社ファンクション 代表
原 亮:エイチタス株式会社代表取締役社長/せんだい・みやぎ NPO センター副代表理事
山本 和泉:一般社団法人日本ベリーダンス連盟 代表理事
中里 浩:東京経済大学 現代法学部 教授
エンドウ.:一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC) 理事
首藤 若菜:立教大学 経済学部教授
■サポーター
木内 洋育:株式会社旬報社 社長
小泉 なつみ:フリーライター・編集者
郡山 貴三:カメラマン/日本写真家協会会員
関口 達矢:東京ユニオン 副執行委員長(労働者供給事業団体)
高橋 創:高橋創税理士事務所 税理士
浜村 彰:法政大学 名誉教授
山田 康成:弁護士(ひかり総合法律事務所)・厚労省フリーランストラブル110番対応
吉永 和生:中央労働災害防止協会 専務理事/前厚生労働省労働基準局長
以上
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