<非破壊検査向け カスタムAI>管内外面の損傷箇所を特定するAIソリューションを開発•提供

データ解析処理数量を60%増加見込み

非破壊検査株式会社に対し、同社が保有・実施するボイラーなど熱交換器の伝熱管の検査業務を支援するカスタムAIを開発・提供いたしました。

<今回のポイント>
✔︎ 非破壊検査領域におけるカスタムAIの実導入ケース
✔︎ 2020年5月より作業現場での実運用を開始済み
✔︎ 従来のデータ解析処理数量と比較して、60%程度増加できる見込み


 オーダーメイドによるAI・人工知能ソリューション『カスタムAI』の開発・提供およびコンサルティング事業を展開する株式会社Laboro.AI(ラボロエーアイ、東京都中央区、代表取締役CEO椎橋徹夫・代表取締役CTO藤原弘将。以下、当社。)は、非破壊検査株式会社(大阪府大阪市、代表取締役社長 山口多賀幸氏。以下、同社。)に対し、同社が実施する渦電流探傷試験業務において損傷箇所の特定を支援するカスタムAIソリューション(以下、損傷箇所特定AIソリューション。)の開発・提供を行いました。

 渦電流探傷試験は、導電性のある製品・設備の減肉(摩耗や腐食によって金属部の厚みが薄くなる現象)を、電磁波を用いて確認するための非破壊検査法の一つです。従来、減肉箇所を特定するためのデータ解析作業は人が行っていましたが、今般の損傷箇所特定AIソリューションにより、検査データを入力することで、減肉の可能性がある箇所の抽出を行い、解析者を支援します。このAIソリューションは既に作業現場に導入されており、従来と比較してデータ解析処理数量が、60%程度増加されることを見込んでいます。

 当社では今後も、機械学習技術を用いたオーダーメイドAI ソリューション『カスタム AI』をより多くの産業の企業様に導入いただくことを目指すとともに、すべての産業でイノベーションを創出するパートナーとして引き続き精進してまいります。

 本件について詳しくは、以下もしくはこちらのPDF版プレスリリース(全文)からご確認いただけます。
https://prtimes.jp/a/?f=d27192-20201110-7000.pdf
 
  • プロジェクト概要・導入前の課題
 「非破壊検査」とは、プラントやインフラなど、あらゆる施設・設備の欠陥や劣化状況を、対象を破壊したり分解したりすることなく、その状態のままで検査する技術を言います。

 今般、損傷箇所特定AIソリューションの対象となった渦電流探傷試験は、鉄鋼・非鉄金属などの導電性材料を素材とした製品に対する非破壊検査法の一つで、これら試験体の近くに交流を通じたコイルを接近させ、電磁誘導現象によって試験体に発生した渦電流の変化により減肉(※1)等の損傷を検出・確認する検査手法です。

 本件では、この渦電流探傷試験の中でも、ボイラーなどの熱交換器等の強磁性伝熱管を対象とする検査技術として同社が特許を保有する検査技術『強磁性チューブ渦電流探傷技術(FTECT:エフテクト)』にAIを適用しています。具体的には、FTECTによって取得された検査データの解析作業にAIを適用し、データ上に現れる減肉信号を自動抽出することを目指したものです。(※2)

(熱交換器伝熱管への FTECT 適用状況)


 従来同社では、この検査データの解析作業は人が波形を確認して異常箇所(減肉箇所)の特定を行っておりましたが、高速にデータ採取が可能な一方で、信号の解析には高い専門知識が必要で解析時間がかかるため、解析処理数量に限界があり、将来的な検査件数の増加も見据えると省人化・効率化が必要な状況でした。

 今般当社が開発・提供した損傷箇所特定AIソリューションは、この検査データからの異常個所の抽出を自動化するものであり、同社によれば、従来と比較してデータ解析処理数量が、60%程度増加できることを見込んでいます。
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※1 減肉:摩耗や化学的な腐食によって伝熱管壁の厚みが薄くなる現象。
※2 FTECTについては同社ウェブページ(https://www.hihakaikensa.co.jp/technologies/ftect.html)にてご確認ください。
 
  • 損傷箇所特定AIソリューションの概要
 損傷箇所特定AIソリューションでは、FTECTによって取得された検査データを入力することで、その中に含まれる異常箇所を特定、検査対象である管の減肉の有無を出力します。

(損傷箇所特定AIソリューションの入出力のイメージ)


 昨今では製造業を中心に、音や振動といった時系列データを対象としたAI異常検知の事例も多数報告されていますが、本件が対象とするFTECTで取得されるデータには以下の制約があり、通常の異常検知タスクで用いられている手法をそのまま流用することは難しい状況でした。
<今般データの制約>
・データ中に生じる減肉部を示す信号の発生が周期的ではなく、瞬間的に現れるため捕らえにくい
・振幅の大小が損傷具合によって変化する

 そのため、当社が強みとするカスタムAIの開発力を活かし、新たなニューラルネットワークモデルを開発するなど同社オリジナルのAIソリューションとして開発・実装いたしました。具体的には、ニューラルネットワーク技術により減肉箇所を特定するモデルを複数作成し、モデルごとの出力結果のアンサンブル平均を取る方法を用いた仕組みがベースになっています。

 また本件は、AIモデルの開発・検証だけでなく、実用時の業務オペレーションや実業務で使用しているソフトウェアとの連携方法なども両者で議論を重ねる等、ビジネス現場への適用を徹底的に目指したAI開発プロジェクトとして推進いたしました。
  • 成果とインパクト
 損傷箇所特定AIソリューションは、2020年5月頃より同社現場業務での試験運用が開始されており、最終的な不良判断は人が行う形で運用することで、従来と変わらない高い検査品質を保ちながら作業処理数量の増加が実現されています。

 今般の損傷箇所特定AIソリューションの導入に関して、非破壊検査株式会社 大阪事業本部 技術部 グループ長 今井義之氏から頂戴したコメントを紹介いたします。
非破壊検査株式会社 大阪事業本部 技術部 グループ長 今井義之 氏

 開発時は段階ごとに関係者で打合せを実施し、実運用に即したシステム開発にご協力頂きました。
 2020年5月頃より試験運用を開始しましたが、判断が難しい減肉信号についても問題なく抽出され、検査品質を担保したまま作業効率が飛躍的に向上しました。また、専門知識や経験が必要なノイズの判別についても、AIの抽出結果からはノイズがほぼ排除されているため、経験の浅い技術者でも効率が落ちることなく判定が可能となり、ベテランの技術者と同等の速度で解析を行うことができるようになる見込みです。
 非破壊検査の分野においても、他の産業に遅ればせながらもデジタル化の流れが進んでおります。今回のシステム開発を通じて、デジタルデータを取り扱う業務でAIを併用する未来がすぐそこまで来ていると感じました。

 

  • 今後の展望
 矢野経済研究所が2018年に発表した非破壊検査市場(装置・機器及び受託業務)に関する調査(※3)によれば、その市場規模は、2025年には国内で約3,000億円、世界で4兆円規模になると予測されており、とくに新興国が急激なインフラ投資によって成長した1980年代から40年が経過する2020年以降、これら国々での検査量が増大することが見込まれています。

 当社では、今後益々の需要と社会的な必要性が見込まれる非破壊検査領域において、同社と共に引き続き様々なAI活用の方向性を探索していく所存です。また、その他、機械学習技術を用いたオーダーメイド AI ソリューション『カスタム AI』をより多くの産業の企業様に導入いただくことを目指すとともに、すべての産業にイノベーションを創出するパートナーとして引き続き精進してまいります。
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※3 出典:株式会社 矢野経済研究所『2018年版 非破壊検査市場の現状と将来展望』(https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2394
 
  • 株式会社 Laboro.AIについて
 Laboro.AIは、オーダーメイドのAIソリューション『カスタムAI』の開発・提供を事業とし、アカデミア(学術分野)で研究される先端のAI・機械学習技術をビジネスへとつなぎ、全産業の新たな姿をつくることをミッションに掲げています。業界に隔たりなく、様々な企業のコアビジネスの改革を支援しており、その専門性から支持を得る国内有数のAIスペシャリスト集団です。

<会社概要>
社 名:株式会社Laboro.AI(ラボロ エーアイ)
事 業:機械学習を活用したオーダーメイドAI開発、およびその導入のためのコンサルティング
所在地:〒104-0061 東京都中央区銀座8丁目11-1 GINZA GS BLD.2 3F
代表者:代表取締役CEO 椎橋徹夫・代表取締役CTO 藤原弘将
設 立:2016年4月1日
URL : https://laboro.ai/

 
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