エレファンテック、第三者割当増資で21.5億円の資金調達を実施
-累計調達金額が70億円に到達-
当社は、これまで融資や助成金を含め約49億円の資金調達を実施しており、今回の調達により累計資金調達額は約70億円になります。
エレファンテックの事業について
エレファンテックは、「新しいものづくりの力で、持続可能な世界を作る」をミッションとし、既存製法に比べてCO2排出を77%、水消費を95%削減できるインクジェット印刷による電子回路製造技術の実用化・普及に向け、2014年の創業以来開発に取り組んで参りました。6年間の基礎研究を経て、2020年、量産に成功、以後市場での量産採用が進んでいます。また、量産後2年が経過した現在までリコールを起こさず、当社技術の信頼性を高めています。
今回の資金調達で目指すこと
今回の資金調達を経て、以下の2つを目指します。
1. グローバル展開の本格化
2. さらなる研究開発による応用拡大
これまで、前回資金調達時に掲げたマイルストーンである「大型量産実証拠点の稼働」に成功し、ディスプレイやセンサ等、一般に流通する電子機器に、当社がインクジェット印刷によって製造したフレキシブルプリント基板 P-Flex® が量産採用され搭載されています。ラボレベルから量産レベルへのスケールアップ、また一般的な電子機器での量産採用という、いずれも一般的に非常に難度の高い事業マイルストーンを達成できたことは、当社の目指す未来に向けての大きな一歩であると考えております。
量産に成功した現状、どのようにして最速でグローバル標準の地位を獲得していくかが課題となり、そのためには前述の二点がキーであると考えております。
前者については、当社プロダクトはローカライズが必要なく、世界のどこでもそのまま使えるものであり、既に現状で国内向けよりも海外向けの出荷がメインとなる生産計画となっています。そのため、事業のグローバル化は進みつつあります。ただし、現状は当社が名古屋に持つ量産拠点が世界で唯一このプロダクトを製造できる拠点であり、また当社の体制としても、本格的なグローバル展開に向けては課題があります。
プリント基板製造は 1,000億米ドルを超える市場がありながら、非常に環境負荷が高く、またサプライチェーン依存リスクも極めて高い産業であるという課題が存在しています。これら課題がこれまでとは比較にならないほど大きな課題として顕在化しつつある今、当社技術がその課題解決に貢献できる世界唯一のソリューションだと考えています。
今後、そういった課題が喫緊の課題になっている領域に対する特効薬的なソリューションとして、非連続的な成長を実現するため、グローバル展開を本格化して参ります。
後者については、現状で量産しているのは、数あるプリント基板の種類のうち、片面フレキシブル基板のみとなっています。当社技術は、原理的にはほとんどあらゆる種類のプリント基板製造に対して適用できるものであり、今後研究開発を進めていくことで、製品ラインナップを拡充して参ります。両面化、多層化、微細化、リジッド化などの伝統的なニーズに加え、今後はバイオマス基材への印刷や、リサイクル可能な材料の利用など、新たなニーズが広がっていくと考えており、そういったニーズも捉えつつ、本技術の適用領域を広げてまいります。
当社代表取締役社長の清水は以下のように述べております。
当社は2014年1月の創業から約9年が経過しましたが、一貫して省資源・省エネルギーの製造技術によって、持続可能な世界を作ることをミッションとして活動してきました。ただ、9年という期間は決して短くなく、技術的にはいつ量産できるのか、また市場的にもいつサステナビリティが価値となる時代が来るのか、先が見えづらい時期も長くありました。そんな中、決して諦めず粘り強く前に進み続け、技術的にも量産に成功し、また市場的にもサステナビリティのニーズが想像以上に急角度で立ち上がりつつある今この瞬間まで事業を進めてきた当社チームを誇りに思います。また、それを支えて頂いたステークホルダーの皆様に大変感謝しています。
ここからいよいよ、我々の製法を世界標準としていきます。またそれによって、世界の持続可能性に関わる課題を解決していきます。それに向けて、新たに共に歩む投資家の皆様を迎えることができたことを大変嬉しく思っており、最速で世界の課題を解決していけるよう、尽力してまいります。
ANRI株式会社の鮫島氏は、以下のように述べています。
「エレファンテック社に新規株主として参画できたことをとても嬉しく思います。当社のインクジェット印刷による電子回路製造技術は既存手法に比べて大幅にCO2 排出量や水消費を削減できる革新的な技術です。投資検討を進めさせて頂く間にも、複数の大手企業から引き合いが来ており、これから市場が大きく変化する事を肌で実感致しました。また、清水さんはじめ経営陣の皆さんが目指す到達地点は時価総額1兆円企業であり、その頂きを目指したいと思います。当社はこれからの日本を背負い、日本を代表する企業になると確信しておりますので、全力で支援させて頂きます。」
信越化学工業株式会社 社長室室長の大西氏は、以下のように述べています。
「エレファンテック社の金属インクジェット印刷技術は、省資源・省エネルギーでの電子回路基板製造を可能にすることで、持続可能な社会の実現に貢献する技術です。その技術力に加え、同社のスピード感、清水社長のリーダーシップにより、今後ますます存在感を発揮していくものと確信しています。
また同社の技術は応用範囲が広く、成長余地が大きいと思います。化学・材料メーカーとして、この新しいモノづくりに関わる機会を得たことを嬉しく思っています。」
第三者割当増資引受先
ANRI5号投資事業有限責任組合
信越化学工業株式会社
株式会社ノーズ
ノーズ・インベストメント合同会社
静岡キャピタル株式会社
静岡キャピタル9号投資事業有限責任組合
英和株式会社
株式会社ナノバンク
剣菱酒造株式会社
三菱瓦斯化学株式会社
株式会社D&Iインベストメント
ナントCVC2号投資事業有限責任組合
ナントCVC3号あけぼの投資事業有限責任組合
ぐんま地域共創投資事業有限責任組合
SuMi TRUSTイノベーション投資事業有限責任組合
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