農作物の4分の1は、収穫前に失われている。「見えないフードロス」をAIでゼロにしたい
病害虫予測アプリ「TENRYO」で農家の経営リスクをなくし、持続可能な農業を実現する
このプレスリリースは、April Dreamプロジェクトに共感し、4月1日を夢があふれる日にしようとする事業者が、やがて叶えるために発信した夢です。
「April Dream」は、4月1日に企業がやがて叶えたい夢を発信する、PR TIMESによるプロジェクトです。株式会社ミライ菜園はこの夢の実現を本気で目指しています。
「薬は症状が出てからでは遅い」——これは人の健康管理だけの話ではありません。農作物も同じです。病害虫によるダメージが出た後に農薬を散布しても、商品価値は元には戻りません。
筑波大学発のアグリテックスタートアップ・株式会社ミライ菜園(本社:名古屋市昭和区、代表取締役:畠山友史、以下「ミライ菜園」)は、病害虫が発生する「前」にAIがアラートを届け、農家の経営リスクをゼロに近づける夢に、真正面から挑んでいます。

■ 「畑のフードロス」——消費段階より大きな、農業のロス問題
食品ロス削減への関心が高まる中、農業現場にはあまり知られていない、より深刻なロス問題があります。FAOの報告や関連研究によれば、世界の主要作物は病害虫により収量の10〜40%を失っており、平均すると約4分の1が収穫前に損なわれています。ミライ菜園はこれを「畑のフードロス」と定義しています。
日本国内の農産物の病害虫被害を試算すると年間約700万トン相当。一般的に認知されているフードロス(約460万トン)を上回る規模でありながら、社会的な認知はほとんど進んでいません。

さらに、気候変動によって病害虫の発生傾向は年々予測しづらくなっています。3月に対策すればよかったアブラムシという害虫が2月に大発生してしまったり、2024年には愛媛県でカメムシが例年の80倍規模で発生するなど「防除暦(ぼうじょごよみ:慣行的な農薬散布スケジュール)」だけでは、こうした異常発生への対応が困難になっています。
■ 被害が出てからでは遅い。「予防的防除」で農作物を守る
農作物に病害虫の被害が出た後では、農薬を散布しても回復しません。商品価値を失った農産物は廃棄するほかなく、農家にとって甚大なロスとなります。一度失われた収量は、その作では取り戻せません。
解決策は「被害が出る前に予防的に防除を行うこと」——これがミライ菜園の取り組みの出発点であり、すべての農家に届けたいメッセージです。
■ AIドクターアプリ「TENRYO(テンリョウ)」

ミライ菜園が開発した「TENRYO」は、20年分の気象データと病害虫の発生履歴を学習した独自のAIが、直近の気象データなどを分析。1週間後の発生の危険リスクを事前にアラートする病害虫予測アプリです。
暖冬など異常気象の影響もリアルタイムで考慮し、真冬に3回のアラートを発報して被害を未然に防いだ実績もあります(後述)。「遅すぎず早すぎない最適タイミング」での防除を実現することで、農薬効果の最大化・散布回数の削減(省力化)・収量の安定化を同時に達成します。
※TENRYOは現在予測技術を含む特許を6件取得
■ JA豊橋での実運用——JAグループ初のAI全面切り替えを実現
TENRYOはすでに、愛知・愛媛・群馬・北海道・京都のJAや農業法人に導入されています(試験運用含む)。愛知県のJA豊橋では2025年からはすべての営農相談員がTENRYOを活用した防除指導を実施しています。AI予報が十分実用的な精度に達したことから、同年度よりフェロモントラップ(誘引物質で害虫を捕捉し発生数を調査する装置)による害虫調査をTENRYOのAI予測に全面切り替えしました。
これはJAグループ初の事例として、日本農業新聞全国版でも取り上げられています。この切り替えにより、フェロモントラップ関連の作業時間は約9割削減。空いた時間で、農家への個別訪問など対面でのコミュニケーションが必要な業務へ注力できるようになりました。

■ 23品目に拡大——「自分の作物にも使える」予報で、日本全国の農家へ
TENRYOの大きな進化のひとつが、対応品目数の拡大です。2024年のサービス開始当初から着実に対応作物を広げ、昨年春の9品目から今春には23品目(キャベツ、ブロッコリー、タマネギ、水稲、柑橘類など)へと大幅に拡張されました。
これにより、今まで「自分が育てる作物には対応していない」と導入をためらっていた農家にも、TENRYOの予測が届けられるようになりました。

【ミライ菜園創業のきっかけ】 大手電機メーカーを辞め、いちご農家で修行
代表の畠山友史はもともと、農業とは無縁のエンジニアでした。筑波大学でロボット工学の博士号を取り、大手電機メーカーでインフラ向けシステム開発に携わっていた人間です。
転機は、地元の茶畑の風景が変わっていくのを見たことでした。かつて美しかった茶畑が、耕作放棄地になったり工場に変わったりしていく。その寂しさを感じたとき、自らの持つ技術で第一次産業を守れないかと思い立ち、2019年にミライ菜園を創業しました。
机上の空論でAIを持ち込むわけにはいかないと、まずイチゴ農家に弟子入りし、1年間、現場で汗を流しました。周辺の農家約40軒にもヒアリングを重ねました。そこで見えてきたのは、農家さんが「病害虫の診断」と「防除タイミングの見極め」に、いかに苦しんでいるかという現実でした。

【開発時のエピソード】季節外れにAIが発したアラートが農家を守った

TENRYO の開発を進めていた2023年から2024年にかけての冬。AIは真冬にもかかわらずブロッコリーの黒すす病リスクの急上昇を検知し、アラートを発報しました。黒すす病の原因菌は、一般的に15℃〜25℃前後の温暖で多湿な環境を好みます。冬の低温下では菌の活動がほぼ停止するため、いつもの冬なら気にされません。
「こんな季節に防除する必要はない」と、信じない方もいました。しかしAIは、その冬、数回発生した局所的な温度上昇を的確に察知。対策をしなかった畑では大きな被害が出て、AIを信頼して防除を行った農家では被害がほぼゼロ——ある若手農家は収量を前年比15%増やしました。
最近では篤農家(とくのうか)と呼ばれる地域でも指折りの農家の方に「AIに負けた、悔しい」と言っていただくまでに予測精度が向上。その悔しさが信頼に変わった瞬間でもありました。
農家が病害虫の心配から解放され、美味しい野菜作りに専念できる世界へ
代表取締役 畠山友史 コメント

TENRYOは、江戸幕府に豊かさの象徴だった直轄地「天領」に由来し、すべての農地が豊かに実る土地になってほしいという願いを込めています。私たちが目指しているのは、予報を出すだけではありません。「このリスクなら、この農薬を、このタイミングで撒きましょう」と具体的なアクションまで提案できる、農家さんの隣に立つ「AI指導員」のような存在です。
どれだけ手を掛けておいしい作物を育てても、収穫までに病害虫にやられてしまっては元も子もありません。農家さんが病害虫の心配から解放され、より美味しい野菜をつくることや経営戦略を練ることに集中できる——そんな農業の未来を、日本中の一軒一軒の農家に届けるために、私たちは今日も開発を続けています。
「April Dream」は、4月1日に企業がやがて叶えたい夢を発信する、PR TIMESによるプロジェクトです。私たちはこの夢の実現を本気で目指しています。
■ 会社概要
会社名:株式会社ミライ菜園
代表者:代表取締役 畠山友史
創業:2019年5月
資本金:4,060万円
所在地:名古屋市昭和区鶴舞1丁目2-32 STATION Ai
事業内容:AIを活用した防除DXサービスの開発及び販売
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