現役大学生と社会人ディスレクシア当事者によるオンライントークショーを10月29日に開催。読み書き困難を学校・社会でどう乗り越えてきたかを次世代に伝えます。
読み書きの困難さは、一人ひとりに合った教材の工夫やインターネット・デジタル機器使用など代替手段によって補うことができます。法整備や教育・福祉の施策が徐々に進んできたものの、理解や支援は十分ではありません。現役大学生と社会人のディスレクシア当事者がどのように学校や社会を生き抜いてきたのか。次世代や仲間、支援者に伝えます。
詳細・申込 https://dxadvantage-node2023.peatix.com
生まれつき読み書き困難を抱えるディスレクシアは人口の8%。教材の工夫や代替手段が必要です。
ディスレクシアは生まれつき、大脳の機能の問題で、読み書きが正確にすらすらとはできない症状です。日本語では人口の8%がそうであるとわかっています。(※1)
◇ 読むスピードが遅い
◇ たどたどしい
◇ 飛ばし読みをする
◇ 書くのを嫌がる
◇ 漢字が書けない
◇ 意見は言えるのにそれを書こうとすると書けない
◇ 問題などを読んであげると答えるが、自分で読んで答えるのが難しい
◇ 英語が始まって苦労している
このような症状があるディスレクシアの子どもはひとクラスに約2~3人の割合でいます。読み書きの困難さは、一人ひとりに合った教材の工夫や、インターネット・デジタル機器使用をはじめとする代替手段によって補うことができます。
法整備や教育・福祉の施策も進みつつありますが、どの子どもがどのような困難さを抱えているかを把握できないと、支援に結びつけることができません。周囲も本人も気づかず、学業不振や自己肯定感の低下、不登校につながってはじめて問題を認識するケースや、医療的診断を受けられても教育的な支援になかなか結びつかないギャップが現状では多々あります。(※2)
※1 日本語で8%(Uno et. al. 2009. Reading and Writing. )。日本語話者において英語で困難さが顕著に出る人は少なくないがその統計は現在ない。
※2 鳥取県の調査では不登校児童の約35%、不登校生徒約60%が学習障害であることが示されている。(小枝, 2002))
ディスレクシア当事者は学校や社会で、どういう手段で自分たちの道をみつけているのか。
ディスレクシアの子どもや保護者からは、「同じディスレクシアのひとは勉強をどうやっているのか」「うちの子は社会で苦労しないのか」知りたいという悩みが常に寄せられます。海外では有名な俳優(トム・クルーズやアーノルド・シュワルツェネッガーなど)をはじめ、著名人がディスレクシアであることを公表していますが、日本ではなかなか見られません。
10月7-8日にNPO法人エッジで出展したみなと区民まつり子ども広場(東京都港区)では、今回登壇するメンバーも参加して「当事者トーク」をしました。読書や情報収集の方法、英語の学習の仕方、進路の決め方、受験の時の秘訣などについての子どもたちから質問が寄せられました。現役の大学生からほかでは聞けないような裏技や秘訣が伝授され、社会人からは強みを生かしてしのいでいく方法や選択肢など、一緒にこんな社会になったらいいなと共感したり、貴重な交流の時間となりました。Twitterでも「行きたかった」というコメントを含め反響がありました。(エッジTwitter https://twitter.com/NPOedge)
こども家庭庁委託事業で始めたオンライン居場所事業「メタエッジ」でも、ディスレクシアの子どもたちから「ディスレクシアのお兄さん・お姉さんに聞いてみたい」という相談ニーズがアンケート上位にあがっています。当事者のロールモデルとなる話や実例が求められています。
(メタエッジHP https://lp.npo-edge.jp/meta-edge.top)
ディスレクシア当事者オンライントークショー実施概要
タイトル:僕たちが多数派だったら
~もしディスレクシアが社会の大半になったなら、ぼくらの生活はどのようにかわるだろう?~
日 時:2023年10月29日(日)13~15時
形 式:オンライン(Zoom)
登壇者:ディスレクシア当事者会NODEメンバー 4名(現役大学生・社会人)予定
参加費:ディスレクシア当事者(成人・子ども共)1,000円
一般 3,000円 アーカイブ視聴 4,000円
申込: https://dxadvantage-node2023.peatix.com
<タイムテーブル>
12:55:入室開始
13:00:藤堂高直より、ディスレクシア月間についての説明
13:10:メンバーの紹介、得意不得意や工夫に関して(各位5分程度)
13:30:僕たちが多数派だったら 1.学校はどうかわる?
14:00:休憩(5分)
14:05:僕たちが多数派だったら 2.社会はどうかわる?
14:25:僕たちが多数派だったら 3.ディスレクシアの未来を考える
14:45:まとめ
15:00:退室
進 行:藤堂 高直(とうどう たかなお)
タイの最高学府チュラロンコン大学国際建築学科(INDA)常勤教授、建築デザイナー、陶芸家、工芸プロデューサー。NPO法人エッジ理事。ディスレクシア当事者。
【認定NPO法人エッジ】団体概要
所在地:〒108-0014 東京都港区芝4-7-1 西山ビル4階
代表:藤堂栄子
設立:2001年10月
HP:https://www.npo-edge.jp/
認定NPO法人エッジはディスレクシアの正しい認識の普及と支援を目的とした特定非営利活動法人として、2001年10月に認定設立され活動しています。
行政、教育機関、研究者、メディアなど多方面に働きかけ、ディスレクシアの全ての人が活き活きと暮らせる社会にするために広く啓発活動を行い、ディスレクシアの人たちの支援、関係する人たちのネットワークを作っています。
代表の藤堂栄子(星槎大学特任教授)は、文部科学省特別支援教育ネットワーク推進委員会、厚生労働省社会保障審議会障害者部会委員など政府委員を務め、発達障害者支援法、障害者差別解消法、教科書バリアフリー法などの法律に携わっています。
【認定NPO法人エッジは皆様のご寄付で活動しています】
これまでの活動は皆様のご支援、お力添えによって実施、継続をすることができました。今後も活動をより多くの方に届けられますように、皆様のご寄付をお願いいたします。
https://www.npo-edge.jp/support-us/
【取材に関するお問い合わせ先】
認定NPO法人エッジ 広報 谷本綾乃 npoedge.press@gmail.com
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