【日本青年会議所「SMILE by WATER」事業】10年目の今年はカンボジア王国のシェムリアップで実施
SDGs・6番目のゴール達成に向け浄水器新設で安心・安全な水を。持続可能な地域経済発展の機会も提供
公益社団法人日本青年会議所(会頭:外口 真大、 所在地:千代田区平河町 2 丁目 14 番 3 号 以下「日本 JC」)が国際貢献事業として2016年から取り組んでいる「SMILE by WATER」事業は、今年で10年目を迎えました。2025年は「JCI JAPAN SMILE by WATER in Cambodia ~Establishing the sustainable systems~」をテーマに、カンボジア王国のアンコール・ワットで有名な観光地でもあるシェムリアップ州にて、大型浄水設備を新設します。また、トンレサップ湖に大量繁殖して問題となっている水草ホテイアオイを活用して地域の経済発展につなげる取り組みも行っていきます。
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SMILE by WATER事業とは
発展途上国において安心・安全な水を提供するために、日本JCが2016年からスタートさせた国際貢献事業です。国連が掲げる2030年までの達成を目指すSDGsに設定された17のゴールのうち、6番目にあたる「安全な水とトイレを世界中に」の達成に向けた運動です。これまでアジアを中心に、その地域に適した手法で浄水器や井戸、パイプラインなどを設置してきました。地域の社会課題解決につながる活動だけでなく、地域住民や次代を担う青少年たちに水の大切さや衛生環境の重要性を伝える啓発活動、教育支援も実施してきました。近年では、持続可能な開発にも力を入れ、水問題の解決が永続的に続くようメンテナンス費用を確保する仕組みづくりや、地域の雇用を創出し、地域の経済的な発展にもつながる運動を展開しています。
2025年度の注目ポイント
■カンボジア王国シェムリアップ州の水上村で最も貧困とされるメチュレイ村で実施
■メチュレイ村に大型浄水設備を新設(4月~5月ごろ、設置を祝したセレモニーを現地で実施予定)
■メチュレイ村が立地する東南アジア最大の湖トンレサップ湖で問題となっている水草ホテイアオイを活用した製品作り・販売
■地域の女性に雇用の機会を創出
2025年度のSMILE by WATER事業は、カンボジア王国シェムリアップ州のメチュレイ村で実施します。
主要産業の一つが観光業であるカンボジア王国は、2023年のIMF(国際通貨基金)の推定値での一人当たりGDPが1,920米ドルと東南アジアの中ではまだまだ経済成長が望まれる国です。国内にはインフラ整備が進んでいない地域も多く、中でも貧しい地域とされているのがメチュレイ村です。メチュレイ村は東南アジア最大の湖であるトンレサップ湖にある水上村で、住民たちは湖の上に浮かぶ住居で生活していますが、トンレサップ湖は雨季と乾季で面積も水深も大きく変化することから、住民は雨季と乾季で住む場所を変えて暮らしています。村に水道設備はなく、行商人等から購入する水を使って飲用するか、中には水を購入することができず湖の水をそのまま飲用するケースもあります。トンレサップ湖では近年、水質汚染の問題が進んでいることから浄水器の設置は急務です。そこで日本JCでは現地のJCIシェムリアップ(シェムリアップ青年会議所)とも連携し、メチュレイ村に大型浄水設備を新設することにしました。
また、現地住民の多くは教育の機会に恵まれず、特に女性は家庭で家事労働を担うだけで経済的発展の機会がありません。そのような女性たちに雇用の機会として、現地の湖に自生している水草のホテイアオイを使ってバッグやティッシュボックスなどの小物に加工する技術を伝授し、観光客向けに販売する製品作りができるよう支援を行っていきます。カンボジアでは大量に繁殖するホテイアオイによる様々な害も課題になっているため、この問題の解決にも期待ができます。さらに、日本JCの運動が今後も現地で持続可能なものとなるように、地域開発のための基金を設立し、募金活動をJCIシェムリアップと共に行っていきます。
これらの運動を通して、シェムリアップの方々に安心・安全な水を提供するだけでなく、さらなる地域の発展に向けて住民たちが自分自身で取り組むことの大切さを伝え、地域が持続可能な発展に結びつく一助となる機会を提供していきます。
SMILE by WATER 過去の実績
■2016年
バングラデシュ人民共和国 バゲルハート県 モレルガンジ郡
雨水貯留タンク設置200基(100世帯に各2基)、維持管理に関するトレーニングと意識啓発活動、水質調査など
■2017年
カンボジア王国 プレアヴィヒア州
井戸設置支援84基(受益840世帯)、食用魚養殖場設置(4ヘクタール)など
バングラデシュ人民共和国 バゲルハート県 モレルガンジ郡
雨水槽タンク設置400基(受益200世帯)など
■2018年
インド共和国 ハリヤナ州
井戸新設2カ所(受益者 2村300世帯2,500人)、トイレの建設・修繕3校(受益者3校300人)、貯水タンクからの配管設備の新設(450m2カ所)、地域の学校での啓発プログラム実施など
■2019年
ミャンマー連邦共和国 エーヤワディ地方域
高濃度気体溶解装置設置1基(稼働:年間輸出量6.7トン)、井戸新設2カ所(受益者750人)、トイレの建設・修繕3校(受益者300人)
モンゴル国 ダルハン地域
凍結防止装置付き井戸の新設4カ所(受益者 1,800人)
フィリピン共和国 パシッグ市 ピネダ小学校
全フロア清潔な飲料水・便座設置、衛生教育授業開催(受益者1,900人)
■2020年
カンボジア王国 プレアヴィヒア州
し尿式タンクトイレ設置、モリンガ農場新設(2.5ヘクタール)、養鶏場新設(0.5ヘクタール)
■2021年
カンボジア王国 シェムリアップ州・プレアヴィヒア州
手洗い場兼飲み水場設置、廃油を利用した石鹸を制作・現地提供、手洗い教室や啓発活動の実施など
インド共和国
学校へ雨水活用型給水装置設置、手洗い場兼飲み水場設置2基
■2022年
カンボジア王国 シェムリアップ州
マーケット内に手洗い場設置(利用者1日1,000人以上)
ウガンダ共和国 ムベンデ県・ミティアナ県
井戸管理装置設置90台、ポンプ式井戸の自動料金回収サービス(SUNDA)の導入
■2023年
フィリピン共和国 ヌエバエシハ州 ボンガボン県
ウオーターステーション(給水施設)とパイプラインの設置など
■2024年
フィリピン共和国 ヌエバエシハ州・ケソン市
ウオーターステーション(給水施設)設置(受益250世帯)など
※なお、2025年は4月~5月ごろに、浄水器の設置を祝したセレモニーを現地で実施予定です。その後も、年内は日本JCのメンバーが現地に足を運び、募金やホテイアオイ製品の販路拡大、メチュレイ村への観光客誘致といった活動を行う予定です。
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