日本人が気づかないこと。天ぷらは「食べるのが難しい」料理です。
体質・宗教・ライフスタイル――さまざまな理由で“天ぷらを諦めていた”人へ。Tempura Asakusa SAKURAは、独自の取り組みで「本格天ぷらの感動」を浅草から世界へ届けます
天ぷらを“誰もが楽しめる食体験”に――浅草の天ぷら店が新たな挑戦
株式会社エクスバリュー(本社:東京都台東区)が運営する「Tempura Asakusa SAKURA」では、すべてのメニューが「グルテンフリー(※1)」「ハラール」「ベジタリアン」に完全対応しました。革新的な取り組みでありながら、味に一切妥協はありません。日本人が食べてもまったく違和感を感じない、本格的な天ぷらを実現しました。天ぷらという伝統的な日本料理に、世界中の文化的・宗教的・ライフスタイル的ニーズを融合させた、極めて珍しい取り組みです。
※1 ビールを除く

日本旅行で「食」に困っている外国人が数多くいます
すでに周知のとおり、訪日外国人数は増加の一途をたどっており、2024年には過去最多の3,687万人が訪日しました。2025年はその2024年をさらに上回る勢いです。
近年、日本の食文化を目的とした「ガストロノミーツーリズム(食文化観光)」が世界中で注目されています。旅行者の中には、寿司・ラーメン・天ぷらなどの繊細で魅力的な和食を求め、「食を目当てに日本へ訪れる」という方も数多く含まれています。

その一方で、実際に来日した外国人観光客の中には、「日本で何を食べていいか分からない」「食べられるものがない」という不安や不便を経験している方が多くいるという、知られざる現実があります。
その背景には以下のような理由があります。
▷ グルテンアレルギー(セリアック病)
欧米人では人口の1%以上が抱える自己免疫疾患で、わずかなグルテン摂取でも健康被害が出る深刻な体質です。日本人は体質的に患者数が少ないため、認知度も低くなっています。
実は、醤油には微量の小麦が含まれている場合がありますが、日本ではあまり知られていません。このような認知度の低さから、小麦の使用はもちろん、調理器具・油の共用などに対する配慮までなされている店舗は大変少なく、日本での外食に対して強い不安を抱く観光客は少なくありません。
訪日客数が年間3,600万人以上いることを考えれば、十万人単位の外国人がこの問題に直面していることになります。
▷ 宗教的制約(ハラール・コーシャ等)
イスラム教やユダヤ教では、信仰に基づいた食のルール(例:豚肉やアルコールの禁止、適切な屠畜処理など)が厳格に定められています。特に人口の多いイスラム教のハラールでは、調味料や調理器具の扱いにまで注意が必要で、日本では対応できる店舗がまだ限られています。
▷ ベジタリアン・ヴィーガン
動物性食品を控えるライフスタイルは、環境意識や動物福祉、宗教哲学などさまざまな理由で広がりを見せています。ベジタリアンと一口に言っても、「卵はOK」や「乳製品はOK」など、多様な考え方があります。特に厳格な「ヴィーガン」は、肉・魚・乳製品・卵を含むすべての動物性原料を避ける必要があります。和食の基本である「かつお出汁」を避けなければならないということは、特に日本料理店でのベジタリアン対応を難しくしている大きな要因です。
こうした多様な事情を持つ外国人観光客にとって、日本の「外食体験」は時に不安や諦めの連続になってしまいます。せっかく“食の国”を訪れても、安心して食べられる選択肢がないことで、本格的な和食を体験する機会を失ってしまう――このギャップこそが、インバウンド観光における深刻な「食のバリア」になっています。
無いなら作る。新参者の挑戦
2024年4月、浅草にオープンした「Tempura Asakusa SAKURA」は、インバウンド対応に強みを持つ天ぷら専門店です。
天ぷら文化が花開いた地、浅草には老舗・名店が数多くあり、多くの観光客が天ぷらを楽しんでいます。しかし、老舗・名店は伝統を守る必要があるため、前述のような課題を解決するのは逆に難しいと考えられます。
日本に来たすべての人に、本物の日本食を体験してほしい。
誰もが安心して食べられる店が無いのなら、自分たちで作ろう。
新参者だからこそ、この「食のバリア」を突破することができる。
この信念のもと、Tempura Asakusa SAKURAは開業以来、唯一無二の天ぷら店づくりに挑戦してきました。

和食を知り尽くした職人による、妥協のないレシピ

当店の料理長は、和食歴40年以上のベテラン職人です。これまで培ってきた和食の技術を結集し、この課題解決に取り組みました。
「バリアフリー天ぷら」のレシピづくりの主な課題は、以下のようなものでした。
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小麦粉が使えない(グルテンフリー対応)
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みりん、酒が使えない(ハラール対応)
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かつお出汁が使えない(ベジタリアン対応)
「米粉の天ぷら粉」や「煮切りみりん」を使用
天ぷら粉は、米粉をベースとした天ぷら粉を使用することで解決しました。米粉ベースの天ぷら粉は数種類が市販されていますが、試作を行って最も美味しいものを選択しました。天ぷら粉と水の配合比にもこだわっています。
米粉の天ぷらはサクサクした軽い食感が特徴。小麦粉の天ぷらよりも美味しいと感じる方も多く、日本人のお客様に「今まで食べた天ぷらで一番美味しい」と言っていただけることも珍しくありません。この天ぷら粉は卵も不要なため、ベジタリアン対応も同時に達成できました。
みりんは、天つゆや丼タレを作るのに欠かすことができない調味料です。しかし通常のみりんにはアルコールが含まれるため、ハラール対応ができません。こちらはハラール対応の「煮切りみりん」を見つけ出し、これを使用することで解決しました。
かつお出汁の代わりに特製の野菜出汁を開発
かつお出汁が問題になるのは、ベジタリアン・ヴィーガンのお客様です。
(ベジタリアン・ヴィーガン以外のお客様には、通常のかつお出汁を使用した料理をお出ししています。)
インターネットの書き込み等を見ると「どうせ分からないから、かつお出汁をそのまま出している」という飲食店もあるようですが、これは食文化への無理解が引き起こす、あってはならない事態だと考えています。
例えは悪いですが、「一度ゴキブリが入った料理を、知らないから大丈夫だと出すようなもの」と表現される方もいらっしゃいました。ベジタリアン・ヴィーガンの当事者の方にとってはそれほど重要なことであり、軽はずみな対応は許されません。
当店では、以前は天つゆや丼タレの代わりに、塩や醤油をお出ししていました。
しかし、さらに上のレベルで日本食を楽しんでいただきたいという想いで、ヴィーガン対応の天つゆ・丼タレを用意することを決めました。
まず市販されているヴィーガン用の野菜出汁を試してみましたが、野菜スープ感が強すぎて味に納得できず。このため独自に野菜出汁の開発を行いました。椎茸や昆布をはじめ、さまざまな野菜で出汁を取り、味を細かく調整。最終的に完成した「野菜出汁の天つゆ・丼タレ」は、かつお出汁と遜色ないと言っても良いほどの自信作です。直接飲めば分かりますが、天ぷらに付けて食べればほとんど違和感を感じないレベルの、大変美味しいものに仕上がりました。
この特製の野菜出汁の天つゆ・丼タレは、予約がなくても常時ご提供可能な体制を整えています。
難易度の高い「ハラール認証」を取得

当店はハラール認証を取得しています。
(一般社団法人ジャパン・ハラール・ファンデーション)
このため、ムスリムのお客様にも安心して食事を楽しんでいただけます。
このハラール認証を取得するにあたり、協会の方から「ハラールとは何か」「何がよくて何がダメなのか」といった知識を学びました。この知識が、正しいハラール対応のベースになっています。また、ムスリムの従業員がいることで、常に「抜けやモレがないか」「思い込みで間違ったことをしていないか」等のチェックをすることができています。
ハラール認証の取得を試みながらも断念する飲食店が多くあると聞きますが、これはすでに確立された方法を変更するのに大きなコストがかかるためです。
「豚や酒が使えない」といった基本的なこと以外にも、調味料や加工品なども含め、仕入れる食材すべてが「ハラールかどうか」をチェックする必要があります。例えば漬物一つとっても、原材料に酒が含まれていれば使うことができません。こういった細かく山のように積みあがる対応コストが、認証取得のメリットに見合わないと判断されることが多いと考えられます。
当店は「新参者」であるがゆえに、その一つ一つに柔軟に対応することが可能でした。
ベジタリアン対応のため、運用面を徹底的に見直し
当店のメニューは、すべてがグルテンフリー・ハラールに対応しています。このため、店内には「グルテンを含む食材」や「ハラールではない食材」は存在しません。これはミスが起きない(起きようがない)ため、運用面で非常に有利です。
一方、車海老をはじめとする海鮮や和牛は取り扱うため、ベジタリアン・ヴィーガン対応をするためには「コンタミネーション(交差汚染)」に気を配る必要があります。つまり、ベジタリアン・ヴィーガンの方の料理に、「動物性食品がわずかでも接触・混入してはならない」という運用が求められます。
具体的には、主に以下の対応が必要です。
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調理器具を分ける
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天ぷら粉を分ける
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油を分ける
特に油については、「ベジタリアン対応を謳っていても、注釈付きで油だけは対応できてない」という飲食店も多く存在します。
当店には2台のフライヤーがありますが、1台は「完全に野菜専用」としています。これにより、揚げ油も含め、「完全なコンタミネーションの防止」を実現しています。

普通で終わらせない、一段上の「ホスピタリティ」
Tempura Asakusa SAKURAでは、以上のような食の多様性への対応を進めてきました。
それ以外にも外国人観光客のため、以下のような基本的な対応を高いレベルで実現しています。
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すべての接客スタッフが英語・日本語対応が可能
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メニュー、ホームページの完全英語対応
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予約ページの多言語対応
またお客様とのコミュニケーションのため、店内は「全席カウンター・10席のみ」という構成になっています。

例えば、日本人には当たり前の「大根おろしを天つゆに入れる」ということが、初見の外国人には分かりません。通常の飲食店では、こういった小さな「分からないこと」や「間違い」が解決しにくくなっています。
当店では、カウンター越しにお客様とスタッフが容易にコミュニケーションが取れます。このため、前述の「天つゆに大根おろし」のように、「日本の小さな食文化」までお伝えすることができます。
こういった情報の提供以外にも、スタッフとの雑談を楽しんでいただいたり、時には隣あったお客様どうしで会話を楽しんでいただいたり。
この小さな店内は、楽しい思い出を作っていただくための仕掛けの一つです。
純粋に「食事」を楽しんでいただくために
Tempura Asakusa SAKURAの強みは「人」です。
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設立したばかりで実績もない会社に来てくれた「本物の職人」である料理長
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英語・日本語を使いこなし、お客様を笑顔にするため日々頑張っている接客スタッフたち
当店の「信念」の上で、素晴らしいメンバーが取り組みを実践してくれています。
信念や仕組みはもちろん重要ですが、「実践」がなければお客様には何も伝わりません。
客観的な評価の一つとして、Google MAPのレビューでは多くの高評価をいただいています。
お客様の声こそ、「信念」と「実践」がしっかりと機能しているかどうかの「リトマス紙」であると考え、店舗運営をする上でもっとも重視しているポイントです。

当店の価値の半分は、「美味しい本物の天ぷらを提供すること」
そしてもう半分は、「食事を、思い出に残る楽しい体験に変えること」
すべてのお客様に、不安なことや困ったことを一切感じることなく、純粋に「日本での食事」を楽しんでいただく。そして世界に誇る日本の「天ぷら文化」を世界中のお客様にお届けする。
この目標の実現のため、これからも日々おもてなしのレベル向上に努めてまいります。
TOKYO MX「おはリナ!」のTV取材を受けました
2025年6月6日(金)放送、TOKYO MX朝の情報番組「おはリナ!」で当店の取り組みを取り上げていただきました。




当店の取り組みが広がることで、「美食の国・日本で食に悩む旅行者」が少しでも減り、より多くの方に、純粋に日本を楽しんでいただけることを願っています。
店舗概要
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店名:Tempura Asakusa SAKURA(天ぷら浅草さくら)
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所在地:東京都台東区雷門2丁目18-16 THE CITY浅草雷門7F
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営業時間:12:00〜20:30(最終入店 19:30)
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定休日:年中無休
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対応言語:日本語・英語

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