MVVは作っただけでは逆効果 ― 浸透こそが命〜人的資本経営の時代に求められる「行動に根づくMVV」〜
人的資本経営の時代、MVVは策定するだけでは逆効果。浸透こそが企業の成長とエンゲージメントを左右する
人的資本経営が国家的な課題として注目されています。
政府が掲げた「新しい資本主義」では“人への投資”が中核に位置づけられ、AI時代を見据えた人的資本形成戦略を進めています。
こうした流れの中で、企業のMission・Vision・Values(MVV)は単なるスローガンではなく、「社員の行動にまで浸透してこそ価値を持つ」ものです。
株式会社Qand(本社:東京都、代表取締役:青木 玄)は、「MVVは策定するだけでは逆効果であり、浸透こそが企業の成長を左右する」という考えを提唱し、浸透を実現するためのアクションを提起します。

MVVは作っただけでは逆効果
MVVは多くの企業が掲げていますが、策定しただけで浸透していない場合、むしろ逆効果となるリスクがあります。
形骸化したMVVは社員の信頼を失い、組織の活力を奪う「毒」となりかねません。
その影響は、既存社員と新入社員で異なる形で表れます。
既存社員
本気で取り組まれていないMVVは「上が勝手に決めたもの」と受け止められがちです。
現場からすれば「やらされ感」や「押し付けられている感」が強まり、むしろ冷めた空気を生みます。
その結果、エンゲージメントは下がり、「どうせ形だけ」といった不信感につながります。
新入社員(特にZ世代)
入社時には「会社が大事にしている価値観」に強く期待している層です。
「Z世代は企業の社会的意義・存在意義(パーパス)を重視して入社を選ぶ傾向が強いという調査結果もあり、このような価値観への共感がないMVVは、入社期待の裏切りになりやすく、せっかく入社したのに離職に直結するリスクがあります。
こうした状況は、まさに「空中戦だけで地上戦をやらない」状態です。
外向けには美しいMVVや人的資本のストーリーを発信しても、実際の現場(地上戦)で実践されなければ「SNS映え」ならぬ「人的資本映え」に過ぎません。
形だけのMVVは、採用・定着・育成のすべてにおいて逆効果となり、組織の実態をむしろ損なってしまうのです。

腹落ち・自分ごと化のためには、アウトプットが重要。ワークショップスタイルで受講者自ら言語化したものをグループディスカッションで集合知にする。
ホワイトボードには、自分ごと化するためのワードがびっちりとなる。
入社前後のギャップが生む失望
MVVに共感して入社した社員が、実際の現場で誰もその言葉を口にしない。
こうした入社前後のギャップは失望を生み、早期離職やエンゲージメント低下に直結します。
MVV浸透が失敗する典型パターンとは?
- 策定して終わり(ポスターや社内報で満足)
- トップだけ盛り上がり、現場は置き去り
- 判断基準として機能していない
このようなパターンに陥ったMVVは、むしろ組織を冷え込ませてしまいます。
浸透しないMVVのダメージとは?
- 早期離職:入社後の失望による短期離職
- 採用ミスマッチ:共感して入った人材の裏切り体験
- エンゲージメント低下:社員の不信感が拡大
- ブランド毀損:言行不一致の評判が社外に波及
浸透しないMVVは企業でこのような悪影響を及ぼします。
社会背景と人事トレンド
コロナ以降、キャリアの安定方程式は大きく崩れました。
従来の「一つの会社にいれば昇進して安定する」という見通しが成り立たなくなり、社員は「何を大事にする会社か」「どんな価値観に共感できるか」を基準に働き先を選ぶ時代へと移行しています。
この潮流の中で、人的資本経営が注目され、MVVやパーパスの刷新に取り組む企業は増えています。実際、コロナを契機にMVVを新設・改訂する企業は少なくありません。
しかしその多くは、「人的資本開示映え」や「外部への見せ方」にとどまっており、実際の風土変革・社員の行動変容につながっていないのが現状です。
人的資本経営の本質は、単なる情報開示やスローガンではなく、日常の意思決定や行動にMVVが根づくことです。
この“浸透”の有無が、企業の未来を分ける分岐点となりつつあります。
MVVは「作ること」よりも「浸透させること」が本質です。
浸透してこそ、MVVは企業の力となり、未来を支える命綱になるのです。
会社概要
- 社名:株式会社Qand(クアンド)
- 所在地:東京都港区芝5丁目36番4号 札の辻スクエア9F
- 代表者:代表取締役 青木 玄
- 事業内容:組織開発支援、カルチャー変革、チームビルディング、MVV浸透プログラムの企画・実施
- URL:https://www.qand.co.jp/
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