ソシウム株式会社と四川大学華西病院は、筋委縮性側索硬化症に対する治療薬候補SO-002の医師主導治験の開始を決定
ソシウム株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 堀本勝久)と中国の四川大学華西病院(商 慧芳教授(神経内科/希少疾患))は、弊社治療薬候補SO-002の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者を対象とした医師主導治験の開始を決定したことをお知らせ致します。本治験は、9月12日に四川大学華西病院の倫理委員会において承認され、契約等事務手続き終了後、速やかに開始されます。
【研究開発の背景】
ALSは、運動ニューロン(*1)が変性して筋萎縮と筋力低下を来す進行性の疾患で、現在治療薬として2剤が使用されていますが、根本的治療が難しい疾患であり、さらなる治療薬の開発が求められています。
【治験薬(SO-002)について】
ソシウム株式会社は、独自に開発した計算解析プラットフォームを活用して、既に他の疾患で治療薬として用いられている医薬品の中から、ALS患者において特徴的な遺伝子発現パターンを健常者のパターンに戻す働きを持つ医薬品SO-002(サイクロセリン)を発見しました。SO-002(サイクロセリン)は、肺結核の治療薬として既に使用されている医薬品ですが、ALSの病態を模した細胞株及びALS患者由来のiPS細胞運動ニューロンにおいて、ALS患者特有の異常蛋白質の凝集を極めて低濃度で抑制することを確認しました。尚、本剤のALSに関する治験については、2023年2月に日本の独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)から第Ⅰ相試験を実施せず第Ⅱ相試験から実施することの妥当性を許容されています。
【四川大学華西病院について】
四川大学華西病院(1892年創立)は、中国の国家総合病院として重篤な疾患の診断と治療の中心施設と位置付けられている病院です。華西病院は最先端の医学研究を誇り、臨床医学の世界ランキングで高い評価を受けています。華西病院は9つの国家重点学科、2つの重点育成学科、および34の国家重点臨床専門科目を備えており、中国で最も多い数の指定を受けた病院でもあります。また、四年連続で国家公立三次医療機関の全国評価で最高評価のA++を獲得しており、復旦大学が調査した中国の病院ランキングでは13年連続で2位に位置づけられています。
【ソシウム株式会社について】
ソシウム株式会社は、ドラッグ・リポジショニング(*2)技術を活用して、創薬シーズの発見を行うベンチャー企業です。「薬のない人に薬を、薬の効かない人に薬を」をビジョンに掲げ、アンメットメディカルニーズの克服に取り組んでいます。独自のAI創薬プラットフォームCompound-Eyes™、Drug Saver™、Cyber-Drug-Discovery™等を所有し、従来の薬理学的なターゲットを想定すること無く、遺伝子発現のパターン解析に基づいて、創薬シーズを探索します。これら技術サービスの提供に加え、現在、神経変性疾患とがん抵抗性改善に関する治療薬シーズを持っています。
(*1)運動ニューロン
脳からの司令を骨格筋に伝える神経細胞のこと。突起を長いものでは数十センチにも伸ばして信号を伝えている。ALSの患者ではこの神経細胞が変性・死滅することで骨格筋が動かせなくなる。
(*2)ドラッグ・リポジショニング
市販されている既存薬や開発中の薬剤に関して、新しい適用疾患を探すこと。また、標的疾患に薬効を示す既存薬を探索すること。
報道関係者各位
ソシウム株式会社
東京都江東区青海2-4-7
産業技術総合研究所 臨海副都心センター
バイオ・IT融合研究棟5階、6階、7階
E-mail:contact@socium.co.jp
すべての画像