介護老人保健施設「座位訓練でADL向上と職員のやりがい創出」を実現
社会福祉法人元気村グループ(本社:埼玉県さいたま市、代表:神成 裕介)が運営する高齢者福祉・障害福祉サービス事業所「翔裕園」。そのグループ内施設の一つである介護老人保健施設「蓮田ナーシングホーム翔裕園 (埼玉県蓮田市)」にて座位訓練を通じてご利用者のADL向上や筋力維持、職員のやりがい向上を実現する成果を得た。
~座位から始めるノーリフティング~
蓮田ナーシングホーム翔裕園では、老人保健施設として、ご利用者が退所後に自宅で生活を続けられることを目指している。ご利用者自身も希望や目標を持ち、リハビリに取り組まれる一方で、現場職員の負担軽減のために介護機器を活用するノーリフティングを進めてきた。しかし、機器に頼りすぎることでご利用者の筋力や活力を奪ってしまうことを危惧し、この取り組みは慎重に進められてきた。
そんな中、昨年末に参加した「ノーリフティング推進協会全国大会」の基調講演で、機器に頼らずとも丁寧な介助やリハビリを通じて介助を受ける人の身体能力が向上することを学んだ。機器への依存による利用者の筋力低下や、機器なしでノーリフティングが可能かという不安が解消され、新たな視点に大きな刺激を受けた。ご利用者と職員の双方が笑顔になれる取り組みを模索し、今回の研究テーマとして立ち上がる手前のゼロ地点である「座位姿勢」に着目した。
研究概要と方法
この研究では、毎日最低30秒以上の正しい姿勢で「座位をとる」ことが身体的にどのような変化をもたらすかを検証した。具体的には、「支え無しで座位を保持できる時間」や「座位時の左右の体重差」をデータとして収集し、評価を行った。研究期間は5月から9月までで、5月に周知を行い、6月以降に実践を開始した。一日1回以上、30秒以上の座位訓練を実施し、職員とご利用者の双方に対して調査を行った。
結果
研究の結果、ご利用者の座位姿勢継続時間最大伸び率の平均が219%であった。一部のご利用者では効果が顕著で、座位保持時間の延長や体重差の改善が確認された。また、これまであまり会話されなかったご利用者が話されるようになるといった心理的な変化も報告された。
職員からは、「ご利用者が出来なかったことが出来るようになるのが嬉しく、継続できた」といった声や、「トレーニング中にご利用者さんと会話ができたことが良かった」という感想が寄せられた。一方で、職員の中には最初は不満の声もあり、実施期間後にも「業務負担が大きいと感じた」という声もあった。継続的な負担軽減への取り組みが課題として浮き彫りになった。
職員の負担感を軽減するために、紙媒体でデータを収集することで負担を抑えながら進めた。この取り組みがチームでの協力を促進し、施設全体での取り組みとして発信力を高める結果にもつながった。
考察
座位訓練は全介助のご利用者にも実施でき、負担の少ない方法でありながらADL(日常生活動作)向上や筋力維持に効果があることが確認された。例えば、靴を履く間や上着を着る間のわずか1分間で実施可能で、日常生活に組み込める介護手法であることが評価された。また、正しい姿勢を維持する中でご利用者が感じる安心感や職員のやりがいの向上が見られ、職場全体で介護の質向上に寄与していることがわかった。
総括と展望
今回の研究で、「正しい座位をとる」ことが、生活に密着した実践的な介護手法であることが実証された。わずか1分間の取り組みが、ご利用者に筋力や活力をもたらし、職員にはやりがいを生む効果が確認された。
今後は、トレーニング内容の工夫や実践を支える体制の整備が求められる。現在は施設内で限られた人数に対象を絞って継続的に取り組んでいるが、対象者以外のご利用者についても実践を希望する職員が自主的に取り組む例が見られる。こうした動きを支援する仕組み作りが重要だ。研究成果を通じ、ノーリフティングの推進と介護の質向上の両立を目指す。今後も、ご利用者が笑顔で過ごせる環境の実現に向けて取り組みを続けていく。
■施設説明:蓮田ナーシングホーム翔裕園
電 話: 048-765-1361
所 在 地:〒349-0133 埼玉県蓮田市閏戸1826-1
サイトURL:https://www.genkimuragroup.jp/facilitylist/hasuda-nursing/
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■社会福祉法人元気村グループとは
私たち社会福祉法人元気村グループは平成5年に埼玉県鴻巣市に開園しました。「共に生きる」を共通理念に8つの社会福祉法人を展開しています。(社会福祉法人 元気村、長寿村、長寿の里、長寿の森、杜の村、共生会、福ふく、心の会)
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