建設会社社員211人のリアルな食卓が語る、蒲鉾の現在地は?
橋本組が地域の食文化と暮らしの記憶を掘り起こす「心の建設プロジェクト」
https://www.hashimotogumi.co.jp/

株式会社橋本組(本社:静岡県焼津市、代表取締役社長:橋本真典)は2025年3月、全社員を対象に「蒲鉾の食べ方に関する社内アンケート」を実施し、結果は211名(回答率は72%)より回答を得ました。
本調査は、社員のリアルな暮らしを起点に、地元の味と文化がどのように暮らしに根づいているかを可視化することを目的としています。
■背景:地域の味が「日常」から遠のいている現実
今回の調査のきっかけは、焼津の老舗企業・サス大酒平が製造する蒲鉾「湊(みなと)」が、全国蒲鉾品評会で農林水産大臣賞を受賞したにもかかわらず、近年の“蒲鉾離れ”という現実に直面しているという事実でした。
「美味しいのに、なぜ食卓から遠ざかっているのか?」
そんな社員の素朴な疑問から、暮らしの中での蒲鉾の現在地を探る本調査がスタートしました。
■アンケート結果サマリー:「蒲鉾は、記憶のインフラで余白のグルメ」
結果からは、「年末年始」「酒のつまみ」「弁当」「夕食の一品」など、思いのほか多くの家庭で蒲鉾が使われている実態が明らかになりました。さらに、そうしたシーンの背後には、“思い出”や“余白の時間”を静かに支える存在としての蒲鉾の姿が浮かび上がってきました。

〈設問〉
① どんなシーンで蒲鉾を食べることが多いか
② 蒲鉾はどのように食べることが多いですか?
〈主な結果〉
・年末年始(145件)酒のつまみ(79件)夕食の一品(78件)弁当のおかず(43件)など、多様な生活シーンに登場
・「そのまま」だけでなく、親子丼・雑炊・キャラ弁・ピザ風トースト・春巻き・災害備蓄食など、工夫と記憶が詰まった多彩なアレンジ
・「冷めても美味しい」「切りやすい」「火を使わずに食べられる」など、機能性の高さが高齢者や育児世代にも支持
調査から見えてきたのは、年末年始に食べるものという回答が最も多く、蒲鉾は日常の中で自然と記憶や感情を呼び起こし、過去と現在をつなぐ基盤=「思い出インフラ」であるということがわかりました。また、酒のつまみという意見も多く、飲酒時の「空白」や「手持ち無沙汰」を埋める存在として機能=「余白のグルメ」でもあります。
蒲鉾がただの副菜ではなく、記憶を起動し、暮らしの“余白”を支える存在であったという事実です。
「住まい」と「食」が、記憶をつなぎなおす


本アンケートの結果から、橋本組が展開する注文住宅「はしもとの家」の設計思想である“老いと向き合う暮らし”と同じであるという着想を得ました。
「はしもとの家」は、「老いに向き合う」という加齢による変化を受け止めながらも、自分らしく、安心して、心穏やかに暮らし続けられる住まいを目指しています。使い慣れた動線・季節や時間を感じる高窓・五感の記憶を残す素材などを通じて、「過ごしてきた時間」を無理なく今とつなぐ空間をつくっています。
今回の結果から、蒲鉾もまた同じ役割を果たしていることがわかりました。
かつての正月の味、親が作ってくれた弁当、祖父母と囲んだ食卓蒲鉾には、“誰かと過ごした時間”が宿っており、やわらかい食感に優しい味にも加わり、それが今も日常の中で機能しているのです。
両者に共通するのは、次の2点です。
・記憶を宿し、それを壊さずに今へ紡ぐという役割
・身体や感覚が変わっても、楽しめる“老いにやさしい構造”
つまり、「はしもとの家」と「蒲鉾」は、それぞれ空間と食という異なる領域でありながら、どちらも“その人の人生とともにある暮らしのインフラ”だと言えます。
今回のアンケートは、「はしもとの家」のコンセプトを“食”という観点から再認識する結果にもなりました。
今後の展開
本アンケートに基づき
・「社員レシピブック」のweb掲載
・「蒲鉾と暮らすキッチン」イベント(はしもとの家、モデルハウスで開催)
・「はしもとの家×酒平」ブランドの介護対応食品開発
・ 橋本組と酒平の両社のSNS連動させた「蒲鉾のある暮らし」プロモーション
等を実施します
これらは単なるプロモーションではなく、今を生きている人の暮らしの知恵を、地域や次の世代に手渡していく取り組みでもあります。
“建設”とは、記憶と文化を積み重ねること
当社の社員が語るリアルな食卓の声は、地元の老舗や蒲鉾業界にとってもヒントになるはずです。
蒲鉾は「昔ながら」ではなく、「今の暮らしに合った形」で、蒲鉾をもう一度日常に戻すきっかけができるかもしれない。
橋本組は、建物をつくる企業であると同時に、「地元文化を支える生活インフラ」の担い手でもあります。
蒲鉾は、誰かの記憶を支え、その記憶は、食卓を介して次の世代に受け継がれる。
建設とは、過去と現在と未来をつなぐ営み。橋本組は、これからも地域の皆様と共に歩んでまいります。
株式会社橋本組の概要
橋本組は、静岡県焼津市に本社を構える創業102年の土木・建築事業を中心に各種事業を展開する総合建設会社です。公共・民間建設事業に加え、デベロッパー事業、生コンクリートの製造販売、新しい概念の住宅づくりにも取り組んでおります。
[代表取締役]橋本 真典
[所在地]静岡県焼津市本町2丁目2番1号
[創業]大正11年12月 [従業員数]288名(2025年4月時点)
[企業サイト]https://www.hashimotogumi.co.jp/
TEL.054-627-3276(代表) FAX. 054-628-8007
〈アンケートとりまとめ資料〉
橋本組社内アンケート 「食べ方のヒント募集 あなたは「蒲鉾をどう食べていますか?」 について
1.アンケート要件
質問は以下の2問
・選択式 どんなシーンで蒲鉾を食べることが多いか
・自由記入式 蒲鉾はどのように食べることが多いですか?子供や家族が喜んで食べる蒲鉾のアレンジがあれば教えてください
以上を橋本組の社内SNSシステム(オクレンジャー)を使用して実施
実施日:2025/3/25~29
回答者属性
母集団:293名
回答者:211名
回答率:72%
年令属性:

2回答
2.1 回答概略
どんなシーンで蒲鉾を食べることが多いか(複数回答可)

蒲鉾はどのように食べることが多いですか?
社員が選んだ食べ方Top5(複数回答可)

2.2 食べ方別一覧
①シンプルに食べる系
・そのまま食べる(板わさ含む)
・醤油とわさびをつけて食べる(山葵醤油、わさび漬け含む)
・マヨネーズや七味、しょうが醤油を添えて食べる
②焼いて楽しむ系
・醤油を塗って焼く(焦げ目をつけて香ばしく)
・胡椒を多めに振って焼く(海苔で挟むバリエーションあり)
・バター醤油焼き/ガーリックバター焼き
・フライパンでチーズとともに焼く(とろけるチーズ、パルメザンなど)
・チーズを挟んで焼く「蒲鉾のチーズはさみ焼き」
・トーストにのせて焼く(マヨ+チーズ+ねぎなど)
・炙り焼き(串に刺して)
③炒め・揚げ・煮込み系
・ごま油で炒める、バターで炒める、ケチャップ味炒め
・カレー粉と七味で炒めてお弁当のおかずに
・唐揚げ風(薄くスライス/衣をつけて)
・磯辺揚げ、天ぷら(青海苔・揚げ焼き含む)
・春巻きの具にして揚げる
・肉の代用として親子丼や丼物に使う
・雑炊、卵とじ、茶碗蒸し、すき焼きの具として
④汁・麺・ごはんもの系
・うどん、そば、焼きうどん、焼きそばの具材に
・味噌ラーメン、ラーメン、ちゃんぽん、白菜スープなどに入れる
・炊き込みご飯や炒飯、八宝菜、中華丼に
・キムチと和える、ご飯のおともに
・丼ぶりや鍋物の具材に(おでん、塩鍋、豚汁)
⑤和え物・サラダ・冷製系
・キュウリやワカメ、酢の物と合わせる
・ほうれん草やいんげんの副菜に加える
・冷やしてキューブ型にして健康おやつとして提供
・練り梅、しそ、明太子などを挟んでそのまま食べる
⑥子ども&お弁当アレンジ
・うさぎ型にカットして彩りUP
・キャラ弁・見た目重視のお弁当おかず
・小さめキューブや一口サイズにしてつまみやすく
・春巻きやパンで包んでスナック感覚に
⑦洋風・創作系アレンジ
・アボカドと合わせて蒲鉾カプレーゼ(ワインに合う)
・トマトスライスと合わせてモッツァレラ風(蒲鉾代用)
・サンドの間にチーズやねぎを入れてトーストで焼く
・白ねぎ・チーズ・マヨをのせた蒲鉾ピザ風
・ハンペンフライの代用素材に
⑧その他の印象的な回答
・「切り方で可能性が広がる」斜め切り、厚切り、短冊切りなど
・「味付き蒲鉾のバリエーションによって使い方を変える」
・「我が家の親子丼には蒲鉾が入っていた」家庭の文化としての継承
2.3意外な食べ方
・醤油で焼き目をつけ、胡椒を多めに振って海苔で挟む
・フライパンで焼き、醤油で香ばしさを出し、鰹節をまぶして食べる
・冷やしてキューブ型にし、透明容器に入れて健康おやつ風に販売
・紫蘇と梅、または明太子を挟んで食べる
・炒め物(野菜炒め、チャーハン、カレー風味など)に使う
・チーズを挟んで焼いたり、春巻きの具として揚げる
・親子丼や卵とじ丼に鶏肉の代用として使う
・トーストにのせて焼く(マヨネーズ+蒲鉾+胡椒+チーズ)
・みりんと醤油で甘く炒める、またはケチャップ風味で卵とじ
・磯辺揚げ、天ぷら、唐揚げなどの揚げ物系
・蒲鉾とチーズを重ねて炙り焼きやトースターで加熱
・蒲鉾を厚切りし、白ネギとチーズをのせて焼く
・キムチと和えたり、ゴーヤチャンプルーに加える
・アボカドと蒲鉾のカプレーゼ風にしてワインのおつまみに
・子ども向けにウサギ型にカットしたり、かわいい見た目に加工
・モッツァレラの代わりにトマトと蒲鉾でカプレーゼ風サラダ
3.総括
このアンケートから分析されることは蒲鉾は「思い出インフラ」で「余白のグルメ」だと定義したい。
① 正月の主役から“記憶を保存する食”へ→年末年始の行事が最多の理由
「年末年始などの行事」が全体の最多(145件)であることから、蒲鉾は「非日常=年中行事の中でしか会えない味」として定着している。これは“風習”ではなく、蒲鉾は味で季節を記憶させる装置となっている。そのために蒲鉾は日常に登場しづらい。
② 「酒のつまみ」=余白時間を満たす蒲鉾→すごくないけどなぜかある
「酒のつまみ」一定の頻度で登場し時間の脇役、つまり飲酒時の「空白」や「手持ち無沙汰」を埋める存在として機能。
③ 「弁当のおかず」としての蒲鉾→映えと冷めても美味しい安定性
弁当シーン(43件)は「機能性×デザイン性」の両立を表現していて蒲鉾は味よりも“視覚的アクセント”+“冷めても安定”という「地味に強い性能」がある。他の弁当素材と比べても無個性”ゆえの汎用性がある。
④ 朝食・夕食にも入り込む蒲鉾→“料理しない料理”としての可能性
朝食・夕食での活用(計96件)から、「火を使わずに満足感が得られる食材」としての潜在力は特に共働き世帯・高齢単身世帯での“半調理食材”ニーズにマッチしている
⑤ 思い出としての蒲鉾→コミュニケーション材料としての蒲鉾
多くの回答に共通していたのは、「昔はよく食べていた」「親が入れていた」「子ども時代の食卓にあった」という声。
その一方、親子丼や卵とじ、弁当のおかず、うどんの具材など、日常のいろんな場面で使われていたことが印象的。
しかし今の生活の中では「最近はあまり食べない」「子どもが知らないかもしれない」という声も。他の便利な食材に押されて、蒲鉾の出番が減ってきているのが現実です。しかし、アンケートからは「また食べたい」「実はけっこう好き」「思い出の味」といった前向きな気持ちもあった。蒲鉾は、なくなったわけではなく、“忘れかけていたけど、やっぱり良いもの”として、記憶の中に残っている食べものだと言えそうです。
所感
当社の社員が語るリアルな食卓の声は、地元の老舗や蒲鉾業界にとってもヒントになるはず。蒲鉾とは、「生活の静かなインフラ」と定義できるかもしれない。電気や水道のように意識されないけれど、あると安心。 なくても気づかないが、あると生活が整う。当社がインフラをつくる会社であることを重ねれば、「食のインフラ」としての蒲鉾を守ることにもつながる。
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