放射線科領域におけるAI医療機器の臨床エビデンスの透明性を分析した研究が、日本医学放射線学会の公式英文誌「Japanese Journal of Radiology」に掲載

医療AI推進機構株式会社(本社:東京都中央区、機構長:島原 佑基、代表取締役:川邊 翔、以下「MAPI」)が参画した研究成果が、日本医学放射線学会の公式英文誌「Japanese Journal of Radiology」に掲載されました。本研究は、日本で承認されている放射線科領域のAI医療機器(Software as a Medical Device:SaMD)を対象に、添付文書に記載された臨床エビデンスを体系的に整理し、分析したものです。
【研究の背景】
近年、人工知能(AI)を用いた医療機器は放射線診断分野を中心に急速に導入が進んでおり、日本においてもPMDA(※1)による承認例が増加しています。一方で、AI医療機器は患者背景や撮像条件、医療機関の運用環境などによって性能が変動する可能性があることが指摘されており、医療従事者が臨床現場で適切に活用するためには、製品に関する臨床エビデンスが十分に開示されていることが重要です。
【研究の概要】
本研究では、2024年12月31日までにPMDAが承認したSaMD製品のうち、AI技術を用いた放射線科領域の製品を対象としてスコーピングレビュー(※2)を実施しました。分析にあたっては、学術論文やメーカー資料ではなく、医療従事者が臨床現場で参照する添付文書に記載された情報のみを用いました。各製品の概要や適応領域、承認時に用いられた試験デザイン、症例数や患者背景に関する記載状況、ならびに性能評価指標の開示内容について体系的に整理し、臨床現場で実際に利用可能な情報の範囲と、その透明性の実態を明らかにすることを目的としています。

図:添付文書情報の記載状況集計結果
単体性能試験(A)および医師支援試験(B)それぞれについて、症例の患者背景情報、読影医の属性情報、ならびに性能評価結果の記載状況を示している。青色は該当情報が添付文書上で確認された製品数、赤色は記載が確認されなかった製品数を表す。
【主な結果】
分析対象となったPMDA承認SaMD製品151件のうち、AI技術を用いた放射線科向け製品は20製品でした。これらの製品について添付文書を精査した結果、年齢、性別、国籍などの患者背景がすべて網羅的に記載されている例は確認されませんでした。また、性能評価指標の記載内容には製品間でばらつきが見られ、似た製品であっても添付文書上の情報のみを用いて製品間の性能を直接比較することは容易ではない状況であることがわかりました。医師支援試験を実施している製品では、AIを併用することで診断性能の向上が示されていた一方で、患者特性ごとの層別解析結果については、いずれの製品においても添付文書上での記載は確認されませんでした。
【今後に向けて】
MAPでIは、次世代医療基盤法や個人情報保護法に関する知識を活かし、PMDA承認の実態やAI医療機器における臨床エビデンスの透明性に関する課題も踏まえた薬事支援・研究開発支援をプライバシーに配慮しながら行っています。医療AIが臨床現場で信頼され、継続的に活用されていくために必要なエビデンス構築やバリデーションを、研究から実装まで一貫して支援してまいります。
【論文情報】
掲載誌名:Japanese Journal of Radiology
論文タイトル:Scoping review of regulatory transparency in AI-based radiology software: analysis of PMDA-approved SaMD products
著者名:Tomohiro Kikuchi, Shannon L. Walston, Hirotaka Takita, Yasuhito Mitsuyama, Rintaro Ito, Masahiro Hashimoto, Takeshi Nakaura, Hiroaki Hyakutake, Sho Kawabe, Harushi Mori & Daiju Ueda
DOI:10.1007/s11604-025-01942-y
論文掲載ページ:https://link.springer.com/article/10.1007/s11604-025-01942-y
(※1)医薬品医療機器総合機構
(※2)既存の情報を体系的に整理し、研究分野の全体像を把握するための研究手法
【会社概要】
会社名:医療AI推進機構株式会社(Medical AI Promotion Institute)
代表者:島原 佑基、川邊 翔
本 社:東京都中央区日本橋大伝馬町12−9 ライフサイエンスビル9
設 立:2023年11月8日
事業内容:医療データの加工・販売を行う「次世代医療データベース事業」 の開発・運営
URL :https://mapi-jp.org
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
