賃料アップでも成約78%、売買では73%が成約期間短縮。ホームステージングは「空間演出」から「マーケティング投資」へ

「ホームステージング白書2025」発表。価格上昇が続く不動産市場で、2026・2027年は「どの物件に、いくら、どう投資するか」の時代へ

一般社団法人日本ホームステージング協会

ホームステージング白書2025発表

一般社団法人日本ホームステージング協会は、日本におけるホームステージング®※1の実態をまとめた「ホームステージング白書2025」を発表いたしました。

第9回となる今回は、全国のホームステージングを導入している不動産関連会社、賃貸オーナー、ホームステージング事業者、ホームステージャー®※2、インテリアコーディネーターなどを対象に調査を実施し、357件の回答を集計しました。

2025年の調査から見えてきたのは、ホームステージングの価値が「物件の見栄えをよくすること」にとどまらず、物件の価値を伝え、価格を守り、成約を後押しするためのマーケティング投資へと広がっていることです。

一方、ホームステージングには実施コストがかかります。すべての物件に同じ方法・同じ予算で実施することが最適解とは限りません。

今後は「ホームステージングを実施するか、しないか」だけではなく、どの物件に、何のために、いくら投資し、どの手法を選ぶのかという「投資対効果」の視点が、より重要になると当協会では考えています。

ホームステージング白書2025で見えた4つのTOPIC

TOPIC 1|売買では73.2%が成約期間短縮。「見せる費用」から「販売への投資」へ

売買では、ホームステージング未実施の類似物件との成約期間を比較すると、「1カ月以上短縮」19.0%、「1カ月未満短縮」54.2%となり、合計73.2%が成約までの期間が短縮したと回答しました。

「(売買)ホームステージング未実施物件と比べて、成約までの期間」ホームステージング白書2025

また、不動産事業者がホームステージングを導入した理由は、「内覧時の印象を良くしたかった」43.5%に続き、「競合他社との差別化」38.1%、「売値・賃料を高く(維持)したかった」27.0%、「成約までの期間を短縮したかった」24.8%となっています。

「ホームステージングを導入した理由」ホームステージング白書2025

不動産取引において考えるべきコストは、ホームステージングの導入費用だけではありません。販売期間が長期化することで生じるコストや価格改定のリスク、競合物件との差別化まで含めて考える必要があります。

ホームステージングに「いくらかかるか」だけで判断するのではなく、実施することで販売期間や価格維持にどのような効果が期待できるのか。販売成果まで含めて費用対効果を捉えることが重要です。

TOPIC 2|賃料アップでも78.0%が成約。2024年の60.6%から17.4ポイント上昇

賃貸では、ホームステージング導入による賃料の変化について、「5%以上値上げできた」18.8%、
「1~4%値上げできた」59.2%
となり、合計78.0%が賃料を上げても成約したと回答しました。

「(賃貸)ホームステージング導入による賃料の変化」ホームステージング白書2025

同設問の2024年調査では値上げできた合計が60.6%で、2025年は17.4ポイント上昇しています。

一方、賃貸物件のホームステージング費用は、「家賃1カ月分」35.4%、「家賃1.5カ月分」42.6%と、この2つで78.0%を占めています。

売買では一度の売却に向けた施策であるのに対し、賃貸では入居者の入れ替わりに伴って再募集が発生し、その都度ホームステージングが必要になるケースもあります。そのため、1回の募集にかかる費用だけでなく、継続的な運用コストも考慮する必要があります。

だからこそ賃貸では、「ステージング費用」「空室が続くことによる機会損失」「賃料を下げた場合の継続的な収益減」を比較しながら、どの物件に、どの程度のホームステージングを実施するのかを見極めることが重要です。

昨今の家賃上昇局面では、単に「いくらで貸すか」だけでなく、「その家賃に見合う価値を、借り手にどう伝えるか」まで含めた戦略が、これまで以上に求められます。

「(賃貸)物件当たりのホームステージング費用」ホームステージング白書2025

TOPIC 3|「家賃を下げる前」に実施47.1%。値下げの前の最終手段として「価値を高める」という選択肢

賃貸でホームステージングを導入するタイミングの1位は、「家賃を下げる前の最後の手段」47.1%でした。2024年の35.6%から11.5ポイント上昇しています。

一方、「募集開始前」は8.1%にとどまりました。

「(賃貸)ホームステージング導入を決めるタイミング」ホームステージング白書2025

この結果からは、賃貸物件におけるホームステージングが、募集開始時から一律に実施される標準的な施策というよりも、空室が続いたときに家賃を下げる前に、現在の家賃で選ばれるために、物件の魅力を高めて成約を目指すための選択肢として活用されていることがうかがえます。

賃料が上昇する市場だからこそ、不動産オーナーや管理会社にとって、値下げによる収益減と、価値向上にかけるコストを比較して判断する視点が、今後さらに重要になると考えられます。

TOPIC 4|バーチャルステージングは前年比24.0%→40.8%。投資額や目的に合わせて「手法を選ぶ」時代へ

2025年に特徴的だったもう一つの変化が、バーチャルステージングです。

賃貸で「バーチャルステージングを実施」と回答した割合は40.8%。2024年の24.0%から16.8ポイント上昇しました。「自社で家具・小物を用意して実施」48.4%に次ぐ実施方法となっています。

「(賃貸)ホームステージング導入方法」ホームステージング白書2025

また、バーチャルホームステージングを実施する理由としては、「閲覧数アップ」「業務負荷が下がる」「イメージの自由度が高い」「納品スピードが速い」「低価格」などが挙げられています。

コストや手間を抑えながらスピーディーに導入できる「手軽さ」も、バーチャルホームステージングが選ばれる理由のひとつとなっていることがうかがえます。

「(賃貸)バーチャルホームステージングを導入する理由」ホームステージング白書2025

一方、賃貸におけるホームステージングの選択肢は、バーチャルだけではありません。

実際に家具や小物で設えるリアルステージング、小物を中心とした簡易ステージング、自社実施、専門業者への依頼など、期待する効果に応じて選べる複数の選択肢があります。

選択肢が増えたからこそ、「どの方法が優れているか」ではなく、「この物件には何が適しているか」を見極めることが重要です。

物件価格や賃料、ターゲット、空室期間、期待する効果などを踏まえ、限られたコストの中で、より成約につながる可能性の高い手法を選択する。こうした物件ごとの判断が、今後の賃貸ホームステージングではより重要になると考えられます。

2025年の社会背景――「価格が上がる市場」で、物件価値をどう伝えるか

2025年は、不動産を取り巻く「価格」の上昇が目立った一年でもありました。

アットホーム株式会社の調査によると、2025年12月のマンション平均募集家賃は、カップル向き・ファミリー向きが調査対象13エリアすべてで前年同月を上回りました。東京23区のシングル向きは19カ月連続で最高値を更新しています。

家賃が上昇すれば、借り手にとっては「その家賃を払う価値がある物件か」という判断もより慎重になります。

貸し手側にも、単に家賃を設定するだけではなく、その価格に見合う暮らしや物件価値をどう伝えるかという視点が求められます。

また、JLLによると、2025年の国内不動産投資額は6兆2,180億円と過去最高を記録しました。

不動産への投資が活発になる中、当協会では、不動産を「取得する」だけでなく、取得した物件の価値をどう維持・向上させ、売却や賃貸の成果につなげていくかという視点も、今後さらに重要になると考えています。

つまり、価格が上昇する市場で問われるのは、単に「高く売る・貸す」ことではありません。

その価格に見合う価値をつくり、その価値を買い手・借り手に伝え、実際の成約につなげられるか。

ホームステージングもまた、そのための手段のひとつとして、「見栄えをよくするための費用」ではなく、物件価値を市場に伝えるためのマーケティング投資として、その効果とコストを考える必要があります。

2026・2027年のキーワードは「投資対効果」

2025年の調査では、売買における成約期間の短縮、賃貸における賃料アップでの成約、バーチャルホームステージングの利用拡大など、ホームステージングの効果や手法に変化が見られました。

こうした結果と不動産市場の動向を踏まえ、当協会では2026・2027年、ホームステージングが「実施するかどうか」を検討する段階から、「どの物件に、どの手法で、どこまでコストをかけるか」を判断する段階へ進んでいくと考えています。

売買では、販売期間や値下げリスク、競合物件との差別化。
賃貸では、空室期間や賃料を下げた場合の収益への影響。

これらを含め、ホームステージングの費用対効果を検討することが重要になります。

また、リアル、バーチャル、簡易ステージングなど選択肢が広がることで、高価格帯の売買物件にはリアル、コスト制約の大きい賃貸にはバーチャル、といった単純な区分ではなく、物件ごとに目的と予算に合った手法の組み合わせを設計することも求められていくでしょう。

ホームステージングは、

「やるか、やらないか」から、
「どの物件に、何のために、どの手法で、いくら投資するか」へ。

「ホームステージング白書2025」から、当協会ではこれを2026・2027年に向けた次のフェーズと捉えています。

「ホームステージング白書2025」調査概要

  • 調査名:第9回ホームステージング実態調査

  • 調査対象期間:2025年1月1日~2025年12月31日

  • 調査実施期間:2026年4月14日~2026年6月15日

  • 回答方法:インターネット調査(法人会員、個人会員他)

  • 回答数:357(不動産業315、ホームステージング業他42)

過去ホームステージング白書

外部データ出典

  • アットホーム株式会社「2025年12月 全国主要都市の『賃貸マンション・アパート』募集家賃動向」

  • JLL「海外投資家が国内不動産投資市場に“回帰”した理由」(2026年4月2日公開)

日本ホームステージング協会について

日本ホームステージング協会

日本ホームステージング協会は日本独自のホームステージング®を体系化することで、ホームステージングの普及とホームステージャー®の育成を通じて、不動産流通に貢献することを目的に2013年に設立しました。
社会に求められるホームステージングを広めていくことをミッションとして、
増え続ける空き家問題の解決に、ホームステージングで取り組んでまいります。


URL: https://www.homestaging.or.jp


※1:ホームステージング®

 空間演出で住まいや暮らしに合わせ、住まいの価値や暮らしの質を高めること

 (片づけ・掃除・収納、廃棄・保管などこれらに関連する物流の知識、インテリア・小物の活用、遺品整理を含めて、より快適な暮らし、住み心地のよい住まいを実現すること)

※2:ホームステージャー®

 住まいや暮らしの悩みを解決するホームステージングの知識や技術を習得した資格取得者

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


会社概要

URL
https://homestaging.or.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都江東区木場6-4-2 KIビル4F
電話番号
03-6810-5708
代表者名
鵜沼 俊英
上場
-
資本金
-
設立
2013年08月