ハイチで食料支援を拡大 急速に増大するニーズに対応
【ポルトープランス】WFP国連世界食糧計画は、ハイチで暴力と避難による飢餓危機が深刻化していることを受け、支援活動を拡大します。
直近の2週間だけで、5万人以上が武装集団に影響よる治安の悪化のために避難を余儀なくされており、ハイチ全土で540万人が急性の飢餓に直面しています。これは世界でも、食料不安の割合が高水準な国の一つです。
「WFPはこの困難な状況において、ハイチの人々と共に確固とした姿勢で立ち向かいます」とWFPハイチ事務所のワンジャ・カーリア代表は述べています。「この数カ月間、首都ポルトープランスおよびハイチ全土で過去最高量の食料を届けており、今後数週間でさらに多くの支援を実施します」。
WFPのスタッフは、ポルトープランスの事務所および国内4つの地方事務所から活動を継続し、危機の中でも支援を届け続けています。
避難が飢餓を加速:WFPが温かい食事と現金支援を提供
ハイチの国内避難民(IDP)は現在70万人を超え、その多くがポルトープランスとアルティボニット県にいます。
今回の国内避難民の急増に対応するため、WFPとパートナーは支援を拡大し、温かい食事と現金による支援を行っています。現在、1日5万人以上の国内避難民に食事を提供しており、危機発生以来、1日あたりの支援人数としては最大です。
11月には、WFPとパートナーが48カ所の避難施設で計834,000食の温かい食事を提供しました。多くは、戦闘の激化で避難を余儀なくされた人々です。
2024年、WFPはこれまでに地元で栽培・調達した食材を主に使用し、約300万食の温かい食事を提供しています。
高まり続ける食料不安のニーズ
最新のIPC(統合的食料安全保障レベル分類)によると、ハイチ人の2人に1人が十分な食事を得られず、200万人が緊急レベルの飢餓に直面しており、6,000人以上の国内避難民が壊滅的レベルの飢餓(IPCの最高レベルのフェーズ5)にあります。
2019年には35%だった急性食料不安の割合が2024年は48%に上昇し、2010年の地震以来で最も高い水準です。
WFPの活動拡大と資金の必要性
WFPはニーズの増大に対応するため、緊急支援を185万人に拡大する計画を立てています。同時に、国のレジリエンスを強化する取組みも支援しています。これらの活動を実施するために今後6カ月間で9,400万米ドルが必要です。
先週、WFPはポルトープランスから南部地域に向けて食料、医薬品、保健用品を積載した21台のトラックを輸送するため、2隻の海上輸送船をチャーターしました。これにより、WFPと現地パートナーの支援活動のための食料備蓄が事前配置され、長期間欠品していた医薬品や保健用品も医療センターに補充されます。
WFPは今年これまでに、緊急支援、学校給食、生活保護、レジリエンスを強化する活動を通じて、計170万人を支援してきました。妊産婦や5歳未満の子どもがいる家族には、栄養不良を防ぐための追加食料が提供されています。
WFPとハイチ政府により、ハイチ全土で47万人以上の子どもたちが日々の給食を食べることができ、その多くは地元産の食材で調理されています。
新たな地域での支援再開
WFPは今月、武装集団による暴力のため人道支援従事者の立入りがこれまで制限されていた首都北部のクロワ・デ・ブーケ郡へのアクセスを回復しました。この成果により、米、豆、油を含む食料が5万人に届けられ、複数の地区で約15万人を対象にした大規模な配布が実現しました。
また、支援拡大のためにWFPが運営する国連人道支援航空サービス(UNHAS)は、ハイチ国内の9カ所を結ぶ旅客および軽貨物輸送サービスを提供し、人道支援コミュニティに最も重要なライフラインとなっています。
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詳細はWFPのハイチ緊急対応ページをご覧ください。
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国連世界食糧計画(WFP)は、緊急時に命を救い、食料支援を通じて紛争、災害、気候変動の影響から回復する人々の平和、安定、繁栄への道を築く世界最大の人道支援機関です。
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