クラウド認証型NFCタグで「その場所にいる」ことを証明する特許を取得

来店特典やスタンプラリー、スマホ決済、入退室管理、機器制御など、様々な領域にセキュアな「存在証明(Proof-of-Presence)」を提供します

アクアビットスパイラルズ

株式会社アクアビットスパイラルズ(東京都港区、代表取締役CEO:萩原智啓、以下「アクアビットスパイラルズ」)は、クラウド認証型NFC(Near Field Communication:近距離無線通信)タグへのスマートフォンアクセスによって「その場所にいる」ことを認証・アクションの実行を認可する技術について2021年4月12日に特許を出願し、2025年4月18日に本件特許(第7669029号)を取得したことをお知らせいたします。


アクアビットスパイラルズは2015年にクラウド管理型NFCタグソリューション「スマートプレート」の提供を開始し、以来10年にわたって商業施設、観光周遊促進、公共交通など様々な領域で「専用端末不要・スマホをかざすだけ」の統一されたアクションで多岐にわたる「体験価値向上ソリューション」を提供してまいりましたが、本件特許技術を搭載した「スマートプレートSE(クラウド認証機能を搭載したスマートプレート)」では「いつ・どこで」アクセスされたかの証明に基づいたサービス提供(アクション実行)によって、「存在証明(Proof-of-Presence)」による新たな価値を創出します。


さらに、本人認証機能と組み合わせることで「いつ・どこで・だれが」を認証・認可するサービスの提供も予定しており、より高度なセキュリティ・滞在証明・本人確認が求められる場面で「専用端末不要のスマートプレート」のさらなる普及と応用領域の拡大を目指します。

スマートプレートSEの仕組み

背景

「その場所にいること」の証明

従来のQRコードや一般的なNFCタグは、一度読み取った情報を保存すれば、実際にその場所に行かなくても遠隔から利用できてしまうという課題がありました。例えば、スタンプラリーやスタンプカードサービスで友人が撮影したQRコードの写真を使ってスタンプや来店ポイントを不正に獲得したり、「今日だけ・今だけセール」であっても商品購入画面のURLを保存して後日別の場所から購入したりすることが技術的に可能でした。


このような不正利用は、事業者にとって以下のような問題を引き起こします:

  • インセンティブ価値の毀損:実際に訪れていない人が特典を受け取るリスクから付加価値の高いインセンティブが提供されず、正規参加者の体験価値が向上しない

  • データの信頼性低下:いつ・どこでアクセスされたかが不確実なため、マーケティングデータとして活用しにくい

  • ブランドイメージへの影響:不正利用が横行することで、サービス全体の信頼性が損なわれる


こうした技術的背景から、「いま・ここで」提供したいサービスを安全に提供するためには(屋内測位が難しく精度も不安定な)GPSや(アプリ開発が必須である)Bluetoothといった技術を組み合わせる必要があるなど技術的・コスト的なハードルが高くなり、「Proof-of-Presence:存在証明)」に基づくサービス提供・サービス開発は限定的な領域に留まっていたのが実情です。

スマートプレートSEの技術的特徴

今回取得した特許技術に基づく「スマートプレートSE」では、アクセスするたびに変化する暗号化コードをICチップ内で生成・クラウドで認証することで、一度使用したコードが二度と使えない仕組み「ワンタイムURL」を実装しています。これにより、特殊な装置を導入・設置することなく、電源を必要としないNFCタグを設置するだけで「今その場所にいること」の技術的な証明が可能になりました。


主な技術的特徴

  1. 動的検証コードの生成:アクセスごとに異なる暗号化コードを生成

  2. URLの拡散やリプレイ攻撃の防止:使用済みコードの再利用をブロック

  3. タイムスタンプ記録:動的検証コードと紐づく物理的なアクセス日時をクラウドに記録

  4. 認証と認可:動的検証コードの認証とタイムスタンプや利用者識別情報の照合によるサービス利用の認可

これらの技術で不正利用を根本から防止し、物理的なモノを起点とした存在証明によって「確実にその場所にいたこと」「その時刻にアクセスしたこと」を保証して滞在・訪問・立会を電磁的に記録します。
本件特許は、この存在証明に基づいてスタンプやポイント等各種インセンティブの付与、支払い処理、電気錠・ゲート・自販機・券売機等の機器制御といった様々なアクションを実行する「アクション制御システム」に関するものであり、OMO(Online Merges with Offline = オンラインとオフラインの融合)型サービスをより安全に展開できる仕組みを提供します。

本件特許技術による各種証明

分類

定義

文脈

存在証明

「今ここにいる」ことを証明

IoT・位置認証・現地チェックイン

実在証明

存在の真正性を証明

モノの存在を保証する

所在証明

ある位置・範囲にいたことを証明

位置情報連動型

滞在証明

一定時間その場所にいたことを証明

交通・観光・イベント等

現地認証

現場に実際にいる人のみ認証

イベント来場者・来店者限定等

これまでの活用事例

スマートプレートSEの特許技術は、すでに様々な領域で活用が始まっています。

1.【観光・レジャー】 その場所でしか買えないリフト券

東急リゾーツ&ステイ株式会社が運営する「ニセコ東急 グラン・ヒラフ」では、2022年より「その場所からしか入れないオンライン」という逆転の発想でリフト券の割引販売を展開しました。スキー場やスポーツ用品店の店頭などにスマートプレートSEを「実機不要の割引券売機」として設置し、スマートフォンをかざすことでその場所限定の特別価格で購入できる仕組みです。

ニセコ東急 グラン・ヒラフ:その場所限定販売

特徴

  • イベント会場来場者や店頭来店者、提携施設利用者が対象

  • 「その場所にいること」の証明によって場所に応じた特別価格を実現

  • 二次元コードの使い回しによる不正購入を技術的に防止

この仕組みによって実際に「その場所を訪れた人だけ」が特典を受けられる公平性が確保され、来店・来場インセンティブの向上に貢献しています。

2.【サテライトオフィス】 来店証明型ポイントプログラム

株式会社ザイマックスグループが運営する全国展開のサテライトオフィスサービス「ZXY(ジザイ)」では、2025年5月より、スマートプレートSEを活用した来店証明型ポイントプログラムを運用しています。

各拠点に設置されたスマートプレートSEにスマートフォンをかざすことで確実にその拠点を利用したことが記録され、利用回数に応じたポイント(スタンプ)が付与されます。従来型のGPS位置情報では屋内測位が困難だったり判定が曖昧だったりしましたが、スマートプレートSEによって「確実にその場所にいること」の証明が実現しました。

ZXY(ジザイ):来店ポイントキャンペーン

効果

  • 不正なポイント取得の防止

  • 正確な拠点利用データの取得

  • 利用促進インセンティブの信頼性向上

3.【商業施設】 高付加価値提供型スタンプラリー

東京ポートシティ竹芝では、スマプレSEでURLの再利用を防止、来店・来館を証明することで付加価値の高い特典提供を可能にした高付加価値提供型のスタンプラリーを実施しています。コンプリート賞品として付加価値が高い電子ギフト券を発券することで参加者の体験価値を向上させ、再来店・店内回遊を促進します。

東京ポートシティ竹芝:高付加価値提供型スタンプラリー

技術的な優位性

  • URLの複製による不正アクセスを完全に防止

  • アクセスごとにトークンが生成されるため遠隔からの不正利用が不可能

応用展開
スタンプラリー形式だけでなく、来店証明型電子ギフト券を発行するインスタントウィン形式など、複数の商業施設において様々な形態で導入が進んでいます。

活用が見込まれている領域

存在証明 x アクション制御によるスマートプレートSEの特許技術は、以下のような様々な領域での活用が見込まれています。

  • エンターテインメント:来場者限定コンテンツ配信、実在証明トークン(来場証明NFT)の発行、イベント参加証明、入退場管理、来店証明型スタンプラリー

  • 決済・コマース:決済端末不要の「対面Web決済」、ハードウェアレスな無人販売

  • 機器・設備制御:ホテルのドア、ロッカー、自販機や券売機、照明・空調機器等のスマートフォンによる直接制御

  • 公共交通(MaaS):乗降時の確実な位置証明によるリーダーレス・現金レスな運賃精算

  • 地域活性化・インバウンド:観光マイレージ、ポイントプログラム、アプリ不要・多言語対応による周遊・案内サービス

  • セキュリティ:オフィスや施設の入退室管理(スマートロック連携)、危険区域への立ち入り管理

  • 産業・物流:農産物の生産履歴から製造工程、配送までの一貫したトレーサビリティ

今後の展開

「いつ・どこで・だれが」を証明するサービスの提供

アクアビットスパイラルズでは、スマートプレートSEの特許技術に本人認証機能を組み合わせることで、「いつ・どこで・だれが」までを認証・認可するサービスの提供を予定しています。

想定される本人認証手段

  • メールアドレス認証

  • LINEアカウント連携

  • SMS認証

  • マイナンバーカード認証

これらの認証機能はスマートプレート・クラウドの拡張機能として既に提供されており、本件特許技術による「アクション制御」と組み合わせることで、より高度なセキュリティが求められる以下のような場面での活用を目指します。

「いつ・どこで・だれが」の想定ユースケース

本件特許による「アクション制御」によって、クラウド認証型NFCタグへのアクセスをきっかけに実行される様々なアクション(記録・付与・解錠・決済など)を安全に制御できます。

  • 契約・取引の証明:重要な契約締結時(不動産、保険申込み、オンラインショッピング等)の「いつ・どこで・だれが」の記録

  • 出退勤管理:代理打刻を防止する確実な勤怠管理

  • 巡回・点検業務:作業者と作業場所・時刻の確実な記録(警備、設備点検、配送等)

  • 資格者による作業証明:特定の資格保持者による作業実施の証明・機器操作権限の制御

  • 現地立ち会い証明:工事現場の工程管理や訪問介護・看護の実施記録

  • スマートチェックイン:ホテルやイベント会場での確実な来訪記録とフロント業務効率化

  • 真贋判定・所有証明:ブランド品や美術品の真正性確認と所有権移転の記録(トレーサビリティ)

  • スタンプ・ポイント付与の制御:スタンプラリーや来店ポイント、電子クーポンやギフト券発行などのインセンティブ付与アクションの実行・不正防止

ディスプレイ装置との組み合わせによる応用

当社が提供する「Dynapick(ダイナピック)」と本件特許技術による存在証明を組み合わせることで、「画面に表示されている情報」と「その場にいる人」 を結びつけた新たな体験を創出することが可能になります。

ダイナピックについて

ダイナピック(Dynapick)は、ディスプレイ上の表示情報やタッチパネル操作等と連動させてNFCタグから配信されるコンテンツを動的に変化させる特許取得済み(第5867635号)の技術です。大阪・関西万博では、「未来の都市」パビリオン内の関西電力送配電社展示プレイスに設置された「スマートポール」に技術提供させていただきました。

ダイナピック x スマプレSE のユースケース例

  • 店頭サイネージと連動した “今ココ限定オファー”
    店舗のデジタルサイネージで紹介している商品やキャンペーンと連動させて「今ここでこの画面を見ているお客様だけ」に割引クーポンやスタンプを付与するといった OMO 施策が可能になります。

  • イベント・ライブ会場でのスクリーン連動特典
    会場スクリーンに映し出されるコンテンツと連動させて「今この会場でこのシーンを一緒に見ている人だけ」が受け取れるデジタル特典や来場証明コンテンツを提供できます。


アクアビットスパイラルズでは、本件特許技術を核として、マイナンバーカードの普及に伴って活性化しつつあるNFC活用サービス領域において強固なポジションを確立し、「いつ・どこで」の証明によって創出される価値を様々な領域に社会実装して新たな体験価値の創造に取り組んでまいります。

以上


本件特許情報

  • 特許番号:特許 第7669029号

  • 発明の名称:アクション制御システム、アクション制御サーバ及びアクション制御方法

  • 出願日:令和3年4月12日(2021年4月12日)

  • 登録日:令和7年4月18日(2025年4月18日)

  • 特許権者:株式会社アクアビットスパイラルズ

  • 発明者:萩原 智啓

関連特許情報

  • 特許番号:特許 第5867635号

  • 発明の名称:タグ管理システム、タグ管理方法、情報提供システム及び情報提供方法、並びにこれらに用いられる各装置

  • 出願日:平成27年2月17日(2015年2月17日)

  • 登録日:平成28年1月15日(2016年1月15日)

  • 概要:NFCタグと電子情報の対応付け管理方法及びディスプレイ装置によるNFCタグの制御並びに情報配信システム

  • 特許権者:株式会社アクアビットスパイラルズ

  • 発明者:萩原 智啓

関連リンク

スマートプレートについて

スマートプレートは、スマートフォンをかざすだけで様々なデジタルコンテンツをダイレクトに配信してモノや場所をオンラインサービスと直結する「Hyperlink of Things = モノのハイパーリンク」です。特許取得済みの技術によってクラウドから動的にコントロールできるNFCタグを内蔵し、SaaS型のプラットフォームと組み合わせて提供されます。利用にあたって特別なアプリが必要なく動作用のバッテリーも不要、Web型コンテンツだけでなくアプリ型サービスの起動トリガーとしても活用でき、Apple PayやGoogle Pay、PayPay等によるNFCタグ決済(対面Web決済)にも対応していることから、スマートシティのOMO(Online Merges with Offline = オンラインとオフラインの融合)インフラとしての役割が期待されています。

※ SmartPlate(スマートプレート)、スマートプレートSE、Dynapick(ダイナピック)、PayChoiice(ペイチョイス)、対面Web決済、Hyperlink of Thingsは、株式会社アクアビットスパイラルズの商標または登録商標です。
※その他、本プレスリリースに記載されている会社名および商品・サービス名は、各社の商標または登録商標です。


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株式会社アクアビットスパイラルズ

株式会社アクアビットスパイラルズ

所在地:〒108-0074 東京都港区高輪2-16-5 東武高輪第2ビル2階
設立:2009年 3月 31日
代表者:代表取締役CEO 萩原智啓
事業内容:近距離無線通信を活用した情報配信プラットフォームの提供ならびにコミュニケーションシステムの研究開発
URL:https://spirals.co.jp

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会社概要

URL
http://spirals.co.jp
業種
情報通信
本社所在地
東京都港区高輪2-16-5 東武高輪第二ビル2階
電話番号
-
代表者名
萩原智啓
上場
未上場
資本金
3億658万円
設立
2009年03月