社会保障制度の「広報倫理ガイドライン」策定に向けた当事者アンケート、回答100件を突破

── 社会保障制度・相談窓口の利用経験者の声から、「知ること」と「尊厳が傷つけられること」のトレードオフを問い直す

SCA

NPO法人Social Change Agency(本部:東京都台東区、代表理事:横山北斗)は、社会保障制度や相談窓口の情報アクセスに関する当事者アンケートの回答数が、2026年4月、100件を突破したことをお知らせします。本アンケートは、制度の利用経験のある方々の声を出発点として、当法人の「広報倫理ガイドライン」を策定することを目的として実施しているものです。

制度や窓口の利用経験に踏み込んで尋ねる本調査に、100名を超える方々から詳細なご回答をいただけたことは、「社会保障制度の情報の届け方そのものが、受け手の尊厳を左右する」という問題意識が、広く共有されつつあることを示唆しています。

なお、アンケートの回答受付は2026年5月1日まで継続しています。一人でも多くの方のご経験をうかがえるよう、引き続き広くご協力を呼びかけてまいります。

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■ アンケートの背景 ── なぜ「広報倫理」か 

社会保障制度は、要件に該当するすべての人が利用できる「権利」です。しかし現状では、制度の存在を知らない・情報が難解で理解できない・相談先がわからないといった情報アクセスの壁によって、必要な支援に辿り着けない状況が広く生じています。

 

そして、この情報アクセスの問題には、もう一つの側面があります。それは、情報を提供する側が意図しないかたちで、受け取る側の尊厳を傷つけてしまうという問題です。

 制度が「特別な事情がある人が頼るもの」として語られ、利用者が切り分けられるような広報メッセージ
窓口や相談の場で投げかけられる否定的な言葉 利用のハードルを下げようとする広報が、逆に利用者への負のイメージを強化してしまう表現
 


「知ること」と「尊厳が傷つけられること」がトレードオフになっている状況は、情報アクセスの問題であると同時に、人権の問題です。

 ■ 「自らの広報も無縁ではない」── 自己点検から出発する調査 

本アンケートは、外部組織への告発としてではなく、当法人自身の広報実務への自己点検から出発しています。当法人自身が、無意識のうちに情報の受け手の尊厳を損なう構図を採用してしまっていないかを、当事者の声をもとに点検・更新する必要があると考えました。

 

ガイドラインは当法人の発信・プロダクト・日々の実務すべてに反映させるとともに、オープンに公開することで、同様の課題を抱える他団体・自治体・メディアにもご活用いただけるリソースとして育てていく予定です。

 ■ 回答100件超 ── 現時点で見えつつあること(概況) 

※ 個別回答の公表は、本人同意の確認後に限って行います。以下は全体的な傾向として把握されつつある論点の概況です。

 制度情報に辿り着くまでの経路には、想像以上に多様で個別的な回路(SNS、医療者、知人、偶然の掲示物、ネット検索など)が存在する

情報には辿り着けても、窓口体験や応対の質によって、利用継続の意思が大きく左右されている

 「自分は本当にこの制度を使っていい対象なのか」という自己規制的な感情が、申請段階で働いている

広報物における「困っている人へ」「お困りの方へ」といった呼びかけ表現に対して、受け手が複雑な感情を抱く場面がある

 

最終的な分析結果と、それをもとにした弊法人のガイドラインは、2026年10月を目途に公表予定です。

 ■ 代表理事コメント(横山北斗) 

このアンケートは、当法人自身への問いから出発しました。社会保障制度を『権利』として広く伝える活動を重ねるなかで、情報を届けている私たち自身が、受け手の尊厳を傷つける言葉や構図を、知らず知らずのうちに採用してしまってはいないか──という自己点検の必要性を、強く感じたからです。

 

社会保障は、困っている人が『特別に』頼るものではなく、すべての人が要件に該当すれば利用できる『権利』です。しかし現実には、『知ること』と『尊厳が傷つけられること』がセットになってしまう場面が残っています。それを変えるためには、実際に制度や相談窓口を使った方々の経験を出発点に据えるしかない。そう考えて、このアンケートを設計しました。

 

100件という数字の向こうには、100通りの人生と経験があります。ひとつひとつに丁寧に向き合いながら、広報倫理ガイドラインを策定・公開していきます。

 ■ 今後の予定

 2026年5月1日:アンケート回答受付終了 

2026年5〜7月:回答内容の整理・分析

2026年10月:広報倫理ガイドライン案の公表
2027年1月以降:当法人発信物への反映を順次実施
ガイドラインは、他団体・自治体・メディア等でも参照・活用できるよう、クリエイティブ・コモンズ等の形で公開することを検討しております。

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■ 団体概要

NPO法人 Social Change Agency

申請主義に基づく日本の社会保障制度のアクセス格差を解消するため、社会保障教育プログラム・AIツール・政策提言を展開するNPO。

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会社概要

URL
http://social-change-agency.com/
業種
医療・福祉
本社所在地
東京都台東区下谷1丁目11−15 ソレイユ入谷 2F
電話番号
090-2230-9332
代表者名
横山北斗
上場
未上場
資本金
-
設立
2015年02月