【意識調査】研修後に職場で「実践した」社員は2割以下、実践のカギは「上司支援」「事前施策」か、調査レポートを全文公開
人事150人・社員850人の回答から見る、実践「した」と「しなかった」を分ける「研修前後」のアプローチとは
本調査では、回答者を研修・教育施策の「設計者」「受講者」に分け、設計者にはどのような施策を設計・実施しているか、受講者にはどのような施策・支援を受けたかをそれぞれ詳しく聞いています。
企業の人材育成に関わる方々に参考情報としてご覧いただけるよう、調査結果をレポートとして公開いたします。
◆調査概要
・調査対象:東京都在住の20代~60代 1000名
・調査期間: 2022年12月
・調査方法:選択回答及び自由回答式インターネット調査
※構成比の数値は、四捨五入のため 100%にならないことがあります。
※実際の東京都の人口構成に合わせるために、回収サンプルに重みづけを行っています(ウェイトバック集計)
※非有効回答を含まないグラフもあります。
以下調査レポートより抜粋
※調査全文・各設問詳細はリ・カレント公式サイト内特設ページよりご覧いただけます。
https://www.re-current.co.jp/column/column/7254/
◆会社の中の学び・組織風土に関する調査結果・サマリー
1.研修内容の職場実践、人事の6割が「働きかけている」が、受講者「支援されることはほぼなかった」6割
研修・教育施策で学んだ内容を職場・現場で実践するよう受講者に働きかけているか、人事・教育施策設計者に聞いたQ7(受講者上司への質問)では、「研修によっては働きかけている」(38.4%)「毎回働きかけている」(25.6%)と、何らかの働きかけを行っている回答者は全体の6割となった。
一方、研修受講者本人に対し、同様に、学んだ内容の実践を促す支援があったかを聞いたQ15では、「支援をされることはほぼなかった」(62.1%)が最も多く回答された。
2.上司から「毎回支援のあった」受講者は、学習内容を「実践した」比率が高い
研修受講者本人に対し、研修で学んだ内容の実践度合について聞いたQ12では、「ある程度実践した」(50.5%)が最も多く、「あまり実践していない」(31.5%)が続いた。明確に「実践した」とする回答は13.5%に留まった。
一方、研修受講後に上司からの実践支援を受けたかを聞いたQ15を集計軸にとり、改めて実践の度合を調べたところ、「 (上司から)毎回何らかの支援があった」と答えた回答者は、学習内容についても「実践した」とする比率が高い。
3.「研修のねらい」「トップからのメッセージ」など研修事前施策と現場実践に相関あり、事前施策「特になし」では「実践なし」比率が高い
研修受講者に対し、研修参加にあたって参加意欲が高まった「事前施策」を聞いたQ10を集計軸にとり、現場実践の度合を調べた。
組織のトップ・意思決定層からのメッセージ送付で意欲を高めた受講者は、「実践した」とする回答比率が高い。
また、「研修のねらい」で意欲を高めた受講者については、「あまり実践していない」とする回答が低い。
逆に、事前施策について「特にない・覚えていない」とした受講者は、「実践した」が明らかに低く、「あまり実践していない」とする回答比率が高い。
◆教育施策設計にあたってのポイント
研修・教育施策の設計において、学びをいかにして受講者の現場実践に繋げるかは、私たちリ・カレントを含め人事・教育施策に携わる立場にとって恒久的な課題です。
「人事・教育施策の設計者」「研修・教育施策の受講者」の二つの立場から、学び・学習実践の実態を調べた今回の調査では、二つの立場それぞれの感覚に、やや乖離が見られる結果となりました。
調査の性質上、同一の組織内に属する二者からの回答ではないことに留意は必要ですが、「施策を実施しているか」とそれが受講者ら学びの主体者に「届いているか」には意識レベルでの差異が表れているといえます。
また、学習実践の度合に対し、「上司支援」「研修のねらいの伝達」「トップからのメッセージ送付」といった事前・事後施策は、明確に正の相関関係を示す結果となりました。一方で、受講者が事前施策に対して「特にない・覚えていない」とした回答は、学習実践の度合が低いことも確認されました。
今回の調査によって、研修・教育施策の効果を最大化する上で、職場・上司を巻き込んだ事前・事後施策の重要性が改めて明らかになりました。
今後も、リ・カレント株式会社は「組織学習デザインカンパニー」として、施策設計に学習レディネス・職場環境・活動習慣化を取り入れ、個人の学びを組織に拡げるネットワーク型の人材・組織開発のご支援をしてまいります。
Q7.あなた/あなたの部署では、研修受講者の職場実践を支援するよう、その上司に何らかの働きかけを行っていますか。
人事・教育施策設計者に、研修実施の際、受講者の上司に支援を働きかけているかを聞いた。
「研修によっては働きかけている」(38.4%)が最も多く、「毎回働きかけている」(25.6%)が続いた。
Q12.研修で学習した内容やアクションプランを、実際に仕事で使ったり役立てたりするなど、実践していますか。
研修・教育施策受講者に、研修で学んだ内容を実際に仕事で使ったり役立てたりしているか聞いた。
「ある程度実践した」(50.5%)が最も多く、「あまり実践していない」(31.5%)が続いた。明確に「実践した」とする回答は13.5%に留まった。
Q15.あなたが研修を受講した後、上司から研修内容の実践に関して支援をされましたか。
研修・教育施策受講者に、研修受講後に上司から、学習内容の実践に関する支援があったかを聞いた。
「支援をされることはほぼなかった」(62.1%)が最も多く、全体の6割となった。「研修によってはあった」(29.6%)が続き、「毎回何らかの支援があった」(8.3%)は1割以下となった。
◆クロス集計
回答者の学習実践の度合と、研修の事前・事後施策をクロス集計したところ、一定の相関関係がみられた。
C1. 学習実践と、実践に対する上司からの支援の有無の相関関係
研修受講後に上司からの実践支援を受けたかを聞いたQ15を集計軸にとり、改めて実践の度合を調べたところ、「 (上司から)毎回、何らかの支援があった」と答えた回答者は、学習内容についても「実践した」とする回答比率が高い。
C2. 学習実践と、研修の事前施策の相関関係
組織のトップ・意思決定層からのメッセージ送付で意欲を高めた受講者は、「実践した」とする回答比率が高い。
また、「研修のねらい」で意欲を高めた受講者については、「あまり実践していない」とする回答は低い。
逆に、事前施策について「特にない・覚えていない」とした受講者は、「実践した」が明らかに低く、「あまり実践していない」とする回答比率が高い。
■リ・カレント株式会社について
一人ひとりの意志ある学びが組織内外ネットワークで共有され、相互に学習・成長する関係性が深まることにより、「改善・問題解決・革新」に向けた価値協創プロセスが生じる「組織学習」のデザインカンパニーとして、研修プログラムの開発・実施、組織開発コンサルティング等のサービスを提供しています。
所在地 : 〒160-0022 東京都新宿区新宿2-1-9 JESCO新宿御苑ビル6階
会社名 : リ・カレント株式会社
代 表 : 石橋 真
設立日 : 2007年12月
事 業 : 企業内研修/人材開発コンサルティング/組織開発コンサルティング/組織調査・人事設計
リ・カレントWEBサイト:https://www.re-current.co.jp/
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