現役世代の8割が「葬祭業に就職したくない」と回答 社会に必要とされながら選ばれない理由を調査しました
現役世代意識調査が示す、業界存続に関わる“深刻なねじれ”。その要因は「就労環境の悪さ」

人の死は、誰にとっても避けることのできない出来事です。
そして葬祭業は、その現実に社会として向き合うために不可欠な、いわば生活インフラの一部ともいえる役割を担っています。
一方で、近年、葬祭業界では人材確保や定着に関する課題が顕在化しています。
そこで葬祭業にむけ人事コンサルティングや広報支援といったサービスを通して企業様が“いい会社”となるサポートを行っている、つむぎ株式会社(本社:東京都、代表取締役:前田亮)は、就労可能な現役世代を対象とした意識調査を実施し、葬祭業に対する社会的評価と就業意向の実態を明らかにしました。
調査概要
調査対象:就労・就職を想定する現役世代()
調査方法:インターネット調査
調査期間:2026年2月2日〜2月2日
有効回答数:601件
本調査は、葬祭業の社会的役割に対する認識と、実際に働く選択肢としての意向との差異を把握することを目的として実施しました。
調査サマリー
・葬祭業は「社会に必要な仕事」と認識されている
回答者の8割以上が、葬祭業を社会にとって必要な仕事だと評価しており、仕事の意義や役割自体は広く理解されていることが分かりました。
・一方で、「働きたい」と考える人は2割未満にとどまる
必要性の認識とは裏腹に、「葬祭業で働きたい」と答えた人は少数にとどまり、評価と就職意向の間に大きな乖離が存在しています。
・就職意向を左右しているのは、仕事内容ではなく「就労環境」への不安
精神的負担や勤務体制など、働く人を支える環境面への懸念が就職意向に大きく影響しており、環境が整えば選択肢になり得ることも示されました。
多死社会を迎える日本において、葬祭業への就労意向がこれほど低い状態が続けば、将来的に担い手不足が深刻化し、葬儀の提供体制や地域文化の維持に影響が及ぶ可能性が存在します。また残された家族の人生に悪影響が出てしまう恐れも否定できません。
約8割が「社会に必要な仕事」と認識
葬祭業の社会的必要性について尋ねたところ「社会に必要だと思う」「どちらかといえば必要だと思う」と回答した人は8割を超えました。

葬祭業は、死という誰もが避けられない出来事に対し、遺族や周囲の人々が社会の中で適切に向き合うための仕組みを支える存在です。
その役割は感情的な評価以前に、社会を機能させるために欠かせない仕事として、広く認識されていることがうかがえます。
それでも8割が「働きたいとは思わない」

一方で「葬祭業で働きたいと思うか」という質問に対しては、
「働きたくない」「どちらかといえば働きたくない」と回答した人が8割を超える結果となりました。
社会に必要だと理解されているにもかかわらず、自らの職業選択としては選ばれていない。
この結果は、葬祭業が評価と就業意向の間に大きな乖離を抱えていることを示しています。
働きたいと思われない理由は「仕事」ではなかった
では、なぜ葬祭業は就職先として敬遠されているのでしょうか。
調査では、働くことへの懸念点として、
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精神的な負担の大きさ
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夜間対応や急な呼び出しを含む勤務体制
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生活リズムや体力面への不安
といった就労環境に関する項目が多く挙げられました。

一方で、仕事の意義や社会的価値そのものに対する否定的な意見は少なく、葬祭業が選ばれにくい背景には、仕事内容ではなく働く人を支える環境や仕組みへの不安があることが明らかになりました。
環境が整えば、働く選択肢になり得る
さらに、就労環境が改善された場合に重要だと思う点を尋ねたところ、
心のケア体制が整うこと(相談窓口・研修・振り返りの場など)
-
夜間対応や業務負担が分担できる体制
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負担に見合った給与・評価
といった項目が上位に挙げられました。

この結果は、葬祭業が単に「避けられている仕事」なのではなく、就労環境の改善がなされれば、十分に選ばれる可能性を持った魅力的な仕事であることを示しています。
まとめ
葬祭業は、社会を支える重要なインフラです。
しかし、多死社会を迎える日本において、その担い手が不足する構造を放置することはできません。
葬祭業の人材が減少すれば、
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地域に根差した葬送文化の継承が難しくなる可能性
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遺族が十分な別れの時間を持てなくなる可能性
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繁忙期における「葬儀待ち」といった事態の発生
といった影響が生じることも懸念されます。
葬祭業への就労意向の低さ、またそれを招いている就労環境への懸念は、単なる業界課題ではなく、日本社会全体の課題であると考えられます。
質問・回答一覧








調査結果は仮説ではない。離職率80%というある葬儀社の事例
意識調査によって得られた、就労環境への懸念は、現場の実態とも一致しています。例えば鹿児島県のある葬儀社様では、かつて離職率が80%を超える状況にありました。
一方で、利用者からの満足度は高く、業績は成長を続けており、サービスの質や仕事の価値そのものは評価されていました。
こうした状況は、問題が業績の不調による雰囲気の悪化や社員の資質によるものではなく、就労環境や組織の構造に原因があったことを示していました。
「ナナメの関係」が本音を引き出す、カケハシインタビューとは?
就労環境や組織の構造に関する課題を詳細に把握するべく、つむぎ株式会社では鹿児島県の葬儀社様に対して「カケハシインタビュー」を実施しました。
カケハシインタビューとは、紡ぎ手(※)が社員一人ひとりにインタビューを行い、その内容をレポート化し、コンサルタントの見解とともに経営層へ伝えるサービスです。

ストレスチェックや1on1は、基本的に縦の関係の中で行われることが多く、ストレスチェックでは本音と異なる回答が選ばれたり、1on1では「話すことがない」と社員から拒絶されてしまうケースも少なくありません。
一方で、カケハシインタビューは第三者である紡ぎ手との「ナナメの関係」で行われるため、社員の心理的負担が軽減され、組織改善につながる本音を引き出すことが可能になります。
(※弊社のインタビューライターの呼称。インタビュイーに、気づきと成長を与えることを目的とした対話を行っている。)
半年間の実施で、離職率は80%から30%へ
鹿児島県の葬儀社様では、入社してから1年未満の社員の方々に対し、半年間にわたりカケハシインタビューを実施。
社員の方々からは「『見て覚える』という風潮があるが失敗すると雰囲気が悪くなってしまう」、「入って数日で大きな仕事を任されてしまい、不安でいっぱいだった」、「質問したくても誰にも聞ける雰囲気ではない」、といった意見をいただくことができました。
その後、こうして得られた示唆をもとに、
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マニュアル作成
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評価制度構築
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オンボーディング支援
といった施策を、コンサルタントの監督のもとで提案、実行しました。
その結果、離職率は80%から30%へと大幅に低減。大きな組織改善を成し遂げることに成功しました。
カケハシインタビューは、その後も同社からの要望により、2年間にわたる長期伴走として継続されています。
カケハシ事業部 部長 小泉京花コメント

天国葬祭様において大きな成果を収めたカケハシインタビューですが、成功の要因は長期で伴走できた点にあると感じています。
一度のインタビューでも課題を特定することは可能です。
しかし課題を立体的に把握すること、例えば課題の全体像や他の要素とのつながりを理解することは、長期間にわたって複数回、踏み込んだお話を伺うことでしか成し得ません。
そしてこの立体的な課題の把握こそが、課題解決、いい会社づくりへの最初の一歩となります。
今後は事業部として、このカケハシインタビューで体現されている、長期伴走の意識を強めていきたいと考えています。一人ひとりの本音に耳を傾け続け、人と組織に深く向き合う。そんな存在になれるよう、精進していきます。
「必要な仕事」を「選ばれる仕事」へ
葬祭業は、社会を支える重要なインフラです。だからこそ、その担い手が不足する構造を放置することはできません。
つむぎ株式会社は今後も、葬祭業の就労環境改善と、やりがいを持って働ける業界づくりに向けて取り組みを続けていきます。
つむぎ株式会社について
「働くがやりがいに、そして人生を幸せに」というVission(Vision×Mission)を実現するために、HRブランディング事業、カケハシ事業という2つの事業を通して、企業の持続的な成長・”いい会社”づくりに貢献しています。
具体的には研修・理念浸透ワークショップの企画・実施、社員の想いを言葉にするパーソナルブランドブック制作など様々なサービスを展開。Vissionのもと、お客様の人事課題にアプローチしています。
【会社概要】
会社名:つむぎ株式会社
所在地:〒140-0014 東京都品川区大井1丁目6-3 アゴラ大井町ビル3階
代表者:前田 亮
設立 :2020年1月
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