看護師辞めたい。60%以上が退職を検討している結果に。「看護師の退職動機に関するアンケート」結果発表
勤務しながら転職活動をしている看護師は「約4人に1人」(24.3%)
日本労働調査組合(所在地:東京都足立区、執行委員長:安達雄也、URL:https://nichirou.com)は、看護師の退職動機に関するイマを調査するため、全国の20~49歳で看護師の男女536名を対象に「看護師の退職動機に関するアンケート」を実施。退職を検討していると回答した人は全体が60.6%、実際に転職活動を行っていると回答した人は24.3%だった。
調査結果トピックス
1. 退職を検討していると回答したのは60.6%
2.辞めたくなった理由の第1位は「給与・待遇不満」、第2位は「精神的に辛い」
3.看護師で良かったことの第1位は「雇用の安定」、看護師で辛かったことの第1位は「責任の重さ」
1.退職を検討していると回答したのは60.6%
看護師をしていて辞めたくなった理由を教えてくださいという質問には、「ある:コロナウイルスの影響」が21.6%、「ある:コロナウイルスの影響とは別の理由」が39.0%、「ない」が39.4%の結果となりました。今年3月に実施した医療従事者を対象とした調査で「退職を検討している」と回答したのは33.5%でしたが、看護師に限定した本調査では倍近い60.6%で、看護師の過酷な労働環境が伺い知れます。
年代別比率は、「ある:コロナウイルスの影響」と回答した「20代」が22.2%、「30代」が24.2%、「40代」が18.5%、「ある:コロナウイルスの影響とは別の理由」と回答した「20代」が42.2%、「30代」が36.0%、「40代」が38.8%、「ない」と回答した「20代」が35.6%、「30代」が39.9%、「40代」が42.7%でした。年代が上がるにつれて退職意向は低くなる傾向が出ています。退職の理由では「コロナウイルスの影響」が30代で24.2%と一番高い回答結果でした。
また「現在、転職活動をしていますか?」という質問には、「はい」が24.3%、「いいえ」が75.7%でした。6割が退職を検討しているものの、実際に転職活動をしているのは24.3%にとどまっていて、激務の環境での転職活動が難しい様子が伺い知れます。
2.辞めたくなった理由の第1位は「給与・待遇不満」、第2位は「精神的に辛い」
看護師をしていて辞めたくなった理由を教えてくださいという質問には、第1位が「給与・待遇不満」で49.3%、第2位が「精神的に辛い」で43.3%、第3位が「職場の人間関係」で41.6%、第4位が「ワークライフバランス」で36.9%の結果となりました。今年3月に実施した医療従事者を対象とした「働き続ける場合に懸念や不安があれば教えてくださいという質問では「感染リスク、対策」が1位でしたが、看護師に限定した当アンケートでは7位、ワクチン接種が進んだこと、現場環境での対策など、withコロナが浸透している様子が伺い知れます。
3.看護師で良かったことの第1位は「雇用の安定」、看護師で辛かったことの第1位は「責任の重さ」
看護師をしていて良かったと思えることを教えてくださいという質問には、第1位が「雇用の安定」で51.5%、第2位が「経済的な安定」で48.5%、第3位が「社会的な信用」で34.9%、第4位が「周囲からの感謝」で28.9%の結果となりました。今年3月に実施した医療従事者を対象とした調査で全体2位だった「自尊心」は10位、看護師は自己肯定感やプライドよりも、実態を伴った理由にメリットを感じている様子が伺い知れます。
看護師をしていて辛かったことを教えてくださいという質問には、第1位が「責任の重さ」で64.9%、第2位が「精神的な不安」で50.4%、第3位が「感染リスク」で47.8%、第4位が「給与・待遇不満」で46.5%の結果となりました。今年3月に実施した医療従事者を対象とした調査で全体7位、8位だった「責任の重さ」「精神的な不安」が1位、2位となり、看護師現場の過酷さ、ひとりにかかる責任の重さ、それによる精神的に不安な状況が伺い知れます。
4.看護師の退職動機を一部抜粋
【看護師をしていて辞めたくなった理由を教えてください】
・看護師というより介護士のような仕事が多いため
・家族に対しての風評被害や感染リスク不安
・勤務希望が通る数が少なくて推しのライブに全通出来ない
【看護師をしていて良かったと思えることを教えてください】
・日々研鑽して知識を学べる終わりなき学習が出来る
・人と接することが好きで健康のためのお手伝いをしながら寄り添うことが出来る転職
・推しの患者さんに頼られる
【看護師をしていて辛かったことを教えてください】
・患者からの暴言、暴力
・勤務時間がバラバラで体調管理が難しい
・どんなに治療のお手伝いをしても良くならずお見送りをしなければならない状況があること
まとめ.看護師だから当たり前ではなく命に携わる現場だからこそのリフレッシュとメンタルケアを
今回の調査結果では、看護師が退職に対してどのような意識でいるのか伺い知れる結果になりました。雇用や経済的な安定、患者に直接携わる仕事にメリットを感じているものの、一方では人間関係や責任の重さから精神的な不安、給与・待遇不満やワークライフバランスにデメリットを感じている方が多くいることがわかりました。病院側でも、多数の特別休暇を付与するなど一定の制度は用意しているものの、実際に現場でどこまで用意された休暇が取得出来ているのかは未知数です。精神的な負担を軽減するためのメンタルケア、自身の時間を確保するためのリフレッシュ休暇の取得など、病院人事総務や現場師長が率先して誘導していくことが求められます。
当組合でも長時間労働やパワハラなどでお身体を壊してしまったり、精神的に病んでしまう看護師の方からのご相談も多く頂いております。
看護師が長く安心して勤務を続けられる環境の醸成、人材育成、雇用改善など。看護師だから、大変な状況だから休まず働くのが当たり前ではなく、社会全体で制度の見直し含めて考えていくことが必要ではないでしょうか。
日本労働調査組合では、定期的に労働調査結果を発表しています。
その他の労働調査結果は以下URLよりご覧いただけます。
URL:https://nichirou.com/category/reseach
【調査概要】
調査名:看護師の退職動機に関するアンケート
調査対象:20~49歳の看護師536名
調査地域:全国
調査期間:2021年9月9日~2021年9日16日
調査方法:インターネット調査
日本労働調査組合について
日本労働調査組合は、仕事上で悩みを抱えているすべてのビジネスパーソンに寄り添い、労働問題、社会問題を改善していくことを目的として設立されました。執行委員長の安達自身、過去に職場の人間関係から精神的な病気になり、社会復帰まで二年間を要した経験から、支えてくれた方への感謝と、同じような悩みをお持ちの方をひとりでも多くサポートしたいという思いから設立。
主な活動内容は、インターネット上で労働調査を行い、メディアを通して情報発信を行います。労働者の方々、あるいは経営者層にデータで見ていただき、労働環境の改善、しいては社会に還元することを目的としています。また多くの労働者の方々に組合に参加していただき、労働環境の改善に努めていくサポートを行っています。
【団体概要】
団体名:日本労働調査組合
所在地:東京都足立区千住1-4-1 東京芸術センター10階
執行委員長:安達 雄也(アダチユウヤ)
設立日:2021年1月15日
団体URL:https://nichirou.com/
サポートURL:https://nichirou.com/taisyoku
主活動内容:労働に関する調査と情報発信
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