最優秀演題賞(柳町隆造賞)受賞のお知らせ
― 第28回日本IVF学会学術集会にて、当社研究員 金子いずみが発表 ―
2025年10月、株式会社EXORPHIA(本社:東京都、代表取締役CEO:口石幸治)は、第28回日本IVF学会学術集会(JSAR Annual Meeting 2025)において、当社創薬研究部 部長・金子いずみの発表が「最優秀演題賞(柳町隆造賞)」を受賞したことをお知らせいたします。本賞は、生殖補助医療(ART)の進歩に寄与する優れた研究を行った会員に授与されるものです。

【発表タイトル】
「臍帯MSCエクソソームは高齢・POFモデルマウスの胚発生および卵巣機能を改善した」
(第28回日本IVF学会学術集会/セッション1「生殖医学における新たな知見と応用」)
【研究概要】
本研究は、臍帯由来間葉系幹細胞エクソソーム(MSC-EV)を用いた不妊治療への応用をテーマとしています。
ART成績不良の一因である高齢や早発卵巣不全(POF/POI)による卵巣機能低下に対し、MSC-EVが新たな治療戦略となりうるかを検証しました。
-
体外受精モデルでは、培養液にEVを添加することで胚盤胞率およびハッチング率が有意に向上し、特に高齢マウス胚において顕著な胚質改善効果を確認しました。
-
画像解析技術(エルピクセル株式会社との共同研究)を用いた解析により、EV添加による胚質改善メカニズムを可視化・定量化しました。
-
さらに、EV中に含まれる複数の有効成分タンパク質を特定し、それらが胚発育や胚の構造維持に関与する可能性があることを明らかにしました。
-
POFマウスモデルでは、EV投与によって抗がん剤誘発により低下した卵巣機能および妊孕性を回復する効果を確認しました。
【今後の展望】
本研究成果は、
-
40代以上の患者のART治療における妊娠率の向上、
-
画像解析技術を用いた新たな胚評価指標の確立、
といった臨床応用につながることが期待されます。
今後は、2026年より大学病院および複数のARTクリニックで臨床研究を開始する予定です。
臨床試験に関心をお持ちの医療機関の方は、当社までお問い合わせ下さい。
【支援情報】
本研究は、2024年度よりNEDO「ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)」の支援を受けています。
【株式会社EXORPHIAについて】
EXORPHIAは、細胞外小胞(Extracellular Vesicles: EV)の創薬・製造技術を基盤に、
不妊治療・炎症性疾患・感染症といったグローバルな医療課題に挑むバイオテクノロジー企業です。
EVの多面的な機能を科学的に解明し、「再現性」「安全性」「生理的作用」の3点を両立させた新しい創薬モダリティを開発しています。
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社EXORPHIA(エクソーフィア)
広報担当
Email: info@exorphia.com
Web: https://exorphia.com
すべての画像