NECファシリティーズ、中国・四国地方の半導体製造業向けに人材派遣業サービスを提供開始

～フックアップ工事など専門人材のリソース不足解消に寄与～

NECファシリティーズ株式会社

2024年2月15日 11時10分

NECファシリティーズ株式会社（本社：東京都港区、代表取締役執行役員社長：橋谷直樹、以下NECファシリティーズ）は、中国・四国地方の半導体製造業を対象に、半導体施設運営技術者の人材派遣業サービスを本日より開始いたします。

NECファシリティーズは、お客様の工場に常駐し、電気、空調、給排水、排気処理といったインフラ設備の運用管理を担う、いわゆる施設管理事業を展開しています。本サービスの提供により半導体製造業のお客様は、当社が常駐しない拠点においても製造装置などの搬入計画立案からフックアップ工事の管理・監督・検査・納品までの一連の業務と遠隔監視システムへのデータ連携業務に関する専門人材のリソース不足を解消することができます。

■背景

半導体の製造装置は、電気、ガス、給排水、排気といった用力を必要とします。工場にはこれらを供給する大元の施設があり、その施設から工場内に配線、配管、ダクトが敷設されています。これらの配線、配管類と半導体製造装置を接続し、製造装置が稼働可能な状態にする作業のことを一般的にフックアップといいます。半導体工場では製造装置の新規導入あるいは入替が頻繁に発生するため、そのたびにフックアップ工事が発生します。

また、お客様によってはSCADA（Supervisory Control And Data Acquisition）と呼ばれる遠隔監視システムを設置し、中央監視施設などで一括監視・運用を行い、製造装置およびこの付随設備の稼働情報を遠隔監視装置へ取り込んでいます。

しかし、昨今の半導体施設運営技術者不足のため製造装置の導入計画・変更時に必要な人材の確保が非常に難しいことから、これらの業務支援の要望が寄せられています。

そこで当社は、こうしたニーズに応えるため、これまで培ってきた半導体製造装置のフックアップ工事および遠隔監視システムへのデータ連携業務に関する技術・ノウハウを、エンジニア派遣という形で提供することといたしました。

■本サービスの特長

（1）フックアップ工事の経験豊富なスタッフが支援

一般に製造装置の搬入・搬出に伴うフックアップ工事は、お客様の設備導入部門が仕様・スケジュールを作成し、設備メーカーと用力などの接続箇所や配管ルートの確認後、施工業者へ説明し、工事依頼や工事管理、検査業務を実施します。

これらの業務を担当するには、半導体工場における経験・スキルが必要です。当社には半導体工場で培った施設管理の豊富な経験・スキルを有する技術者が多数在籍しており、お客様の設備導入部門の人的リソース不足をサポートします。また、装置担当部門の希望納期までに工事進捗阻害要因の抽出と解決、現場で解決できなかった事項については、お客様と情報共有し対応を模索するなど、自発的に対応策を提案・解決することで、用力接続工事を納期までに完了いたします。このように、お客様目線での工程管理や配管ルートの選定、品質トラブルや安全管理にも十分配慮した対応を行うとともに、各種改善提案活動（工事手続き書類作成工数の削減、用力接続工期の短縮）も同時に行うなど経験豊富なスタッフが支援します。

フックアップ工事のフロー

（2）遠隔監視システムの運用を、装置情報の取り込みから丸ごと支援

製造装置の新規設置に伴い、その付随設備（ガス供給配管、ポンプ設備、除害設備など）の状態監視、ガス漏れ検知器などの設置、ならびに装置の状態の遠隔監視システムへの取り込みなどを支援します。お客様からの製造装置導入情報をもとに各装置メーカーとの調整、インターロックリストの作成・確認、施工方法などを検討し、仕様を取りまとめ、各工事会社などへ工事手配の支援を行います。

遠隔監視システムへの各装置情報の取り込み完了までに各装置メーカーとの調整やお客様の関係部署との連携・調整作業に多くの時間を要しますが、特に影響が大きいのは通信ケーブルと装置との接続です。工事のため生産装置の停止が必要ですが、生産現場に影響がないように装置担当部門との調整業務も当社が担います。また当社は各装置からの情報を遠隔監視システムへの取り込む一連の業務について、ゼロからのスキーム構築支援の実績も有しており、お客様が主力業務に注力できるよう支援します。

遠隔監視システム運用支援のフロー