新型コロナ・ウイルス: 香港不動産市場への影響は?

大手総合不動産サービス会社コリアーズ・インターナショナル(Colliers International)(NASDAQ: CIGI; TSX:CIGI)は本日、「コロナ・ウイルス:香港不動産市場への影響は?(和訳版)」を発表しました。
2019年12月に発見された新型コロナウイルス(COVID-19)は、中国だけでなく、厳しい年に直面してきた香港特別行政区にもダウンサイド・リスクをもたらしています。⼤半の⾹港の市場関係者は、2003年のSARSの歴史が繰り返されることを予想しております。弊社見解としては、新型コロナ・ウイルスが原因で不動産価値が低下しはじめれば、投資家に新しい買い機会を⽣み出す可能性があるとみています。

【要約と推奨】
 
  • 貸主に対する推奨は、テナント・ターゲットとしてウイルスの影響を受けにくいセクターに注⼒すること。⼩売店舗に対しては、短期の賃料減免を提供することを推奨する。
 
  • テナントに対する推奨は、セントラル地区の空室率の上昇と賃料の下落に注⽬すべき。テナントが成⻑産業である場合、より安価な賃料で事業拡⼤する好機ともいえる。

1)2020 年香港 GDP 成長率:−2.8%
オックスフォード・エコノミクスは、コロナ・ウイルスに伴う負の影響を鑑みて、香港の実質GDP成長率予測を-1.4%から-2.8%に引き下げた。一方、2020年の中国の実質GDP成長率の推定値も6.0%から5.4%に引き下げられている。

2)オフィス:賃料下落のペースは速いが、下落幅は限定的
香港全体とセントラル地区の平均賃料のそれぞれ8%と13%低下を見込む弊社予想は維持。貸主に対する推奨は、ウイルス感染の影響を受けずに事業が安定するであろうセクターをテナント・ターゲットにすること。例えば、保険、バイオテクノロジー、医薬品セクターなどのテナントである。

3)ハンセン株価指数:-4%
2019年12⽉のコロナ・ウイルス発⽣と1⽉初旬の⾹港への感染以降のハンセン株価指数の推移をみると、2020年1⽉17⽇に直近⾼値を付けた後、4%下落。ただし、投資家⼼理の崩壊とまでは⾔いがたい。

4)オフィス:賃料下落のペースは速いが、下落幅は限定的
⾹港全体とセントラル地区の平均賃料で、それぞれ8%と13%低下を⾒込む弊社予想は維持。貸主に対する推奨は、ウイルス感染の影響を受けにくいセクターをターゲットにすること。例えば、保険、バイオテクノロジー、医薬品セクターなどのテナントである。

5)投資市場:お宝物件の探し時

投資家においては、⻑期保有資産を売却して、多額の売却益を確保する機会ともいえる。供給が限られる環境下、需要が回復すれば、オフィスの不動産価格も回復していく⾒通し。主な投資対象は、区分所有権と周辺エリアの⼀括売買である。ほかにも、売買価格が急落したホテルの売買も注⽬すべき。

コロナ・ウイルスは、⼤規模なデモ、遅効性のある⽶中貿易の影響、⾦融セクターに対する向かい⾵などに代表される最近の⾹港の社会問題をさらに複雑化させるものとなった。近年の⾹港の急激な景気低迷はまだ継続することが⾒込まれるものの、今年上半期いっぱいでコロナ・ウイルスもピーク・アウトすることを前提とすれば、弊社予想は以下の通り。
 
  • オフィス市場の取引活動は低迷しており、(年間を通じていえば2020年内の減額は弊社想定内にとどまるものの)賃料は想定以上に早く低下、空室率も上昇する可能性が⾼い
  • 上半期を通じて、全体的な投資取引⾼は弱含みが⾒込まれるものの、第⼆四半期からは投資意欲の急速な回復が⾒込まれる可能性もある。不良資産の売買を検討し始めるのであれば、逆に今が好機。
  • ⾹港のGDP²の18%を占める旅⾏&観光産業は、年内は再び弱まり、ホテルの稼働率もさらに低下する⾒通し。ただし、このような悪化要因は、ピーク時から約30%下落したホテル資産の売買価格に既に⼗分に反映されていると弊社は⾒ている。
  • ⼩売販売⾼、特に⾼級品に対しては圧⼒がかかっており、⾼級品向け⼩売スペースの需要も減退

コロナウイルス: 香港不動産市場への影響は?【和訳版】」(PDF版)は、以下のリンクよりダウンロードいただけます。

https://f.tlcollect.com/fr2/420/32852/Colliers_Hong_Kong_Flash_Report_Impact_of_Corona_Virus_20200213_Japanese.pdf
 


コリアーズ・インターナショナルについて
コリアーズ・インターナショナル(NASDAQ: CIGI; TSX: CIGI は世界68カ国で展開し、主たるマーケットで1万4000人以上の企業家精神に富む従業員が協力し、テナント、オーナー、投資家のお客様の不動産価値を最大化するために専門家のアドバイスとサービスを提供している世界有数の大手総合不動産および投信運用会社です。

当社株式の約40%を保有する経験豊富な経営陣は、20年以上にわたり、業界をリードする投資収益率を株主に提供してきました。2018年の企業収益は28億ドル(関連会社を含む33億ドル)で管理している運用資産額は260億ドルを超えました。当社の成功を加速について詳細は弊社のWebサイトをご覧いただくか、LinkedIn、Twitter、YouTubeの当社公式ページよりご確認ください。

コリアーズ・インターナショナル日本法人について
日本においては、コリアーズ・インターナショナル・ジャパン株式会社(日本本社: 東京都千代田区内幸町)にて、不動産投資仲介、テナント向けサービス、プロジェクト・マネジメント、オフィス・リーシング、鑑定およびアドバイザリー・サービスを中核事業として、法人向けの総合不動産サービスを提供しています。 コリアーズの専門家は、顧客の成功を第一に考え、ユニークな視点と革新的なアドバイスで顧客企業の取引を成功へと導きます。

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会社概要

URL
https://www.colliers.com/ja-jp
業種
不動産業
本社所在地
東京都千代田区丸の内3-2-3 丸の内二重橋ビル18階
電話番号
03-4572-8600
代表者名
小笠原行洋
上場
未上場
資本金
1000万円
設立
2016年12月