2024年度 新入社員の初任給調査
東証プライム上場企業152社の速報集計。「全学歴引き上げ」は86.8%、大学卒の水準は23万9078円
【調査結果のポイント】
1.2024年度における初任給の改定状況
若年労働力人口の減少に伴う新卒採用競争の激化や、物価上昇に伴う大幅な賃上げ機運の高まりなど、初任給の決定をめぐる状況は大きな転換点にあり、注目を集めている。
東証プライム上場企業の全産業ベース(152社)で、初任給を「全学歴引き上げ」た企業は86.8%となり、昨23年度速報集計時の70.7%から16.1ポイント上昇。「全学歴据え置き」は9.2%となり、昨23年度速報集計時の26.1%から16.9ポイント低下した[図表1]。
[図表1] 初任給の改定状況
2.初任給の水準
全産業で見た学歴別の初任給水準は、大学卒(初任給に差を設けず、一律設定の場合。以下、一律)23万9078円、大学院卒修士25万9228円、短大卒20万5887円、高校卒(一律)19万3427円となった[図表3]。
※図表2はPDF参照
[図表3] 2024年度決定初任給の水準および同一企業における上昇額、上昇率
[注]高校卒・大学卒は、「一律」のほかに「基幹職・補助職」別でも調査している(以下同じ)。
3.大学卒に見る改定状況と上昇額の分布
大学卒(一律)では、23年度から「引き上げ」が89.8%、「据え置き」が10.2%となった。引き上げた場合の上昇額は「1万~1万2000円未満」と「1万4000~1万6000円未満」がいずれも14.4%で最も多い。引き上げた場合の平均上昇額は1万3746円となった[図表4、5]。
[図表4] 2024年度学歴別決定初任給の改定状況
[図表5] 2024年度学歴別決定初任給の上昇額分布
[注][図表4]において「引き上げ」と回答した企業について集計。
○リリースの詳細は下記URLからPDFをご確認ください。
https://www.rosei.or.jp/attach/labo/research/pdf/000087086.pdf
○本調査の詳細は、当研究所編集の『労政時報』第4077号(24. 5.10/ 5.24)で紹介します。
【調査・集計要領】
1.調査項目
2024年度の賃金見直しによって確定された2024年4月入社者の決定初任給(学歴別)。なお、初任給は原則として時間外手当と通勤手当を除く、諸手当込みの所定内賃金である。
2.調査時期・方法
3月下旬に調査票を発送、併せて電話による取材も行い、4月10日までに回答のあった分を集計。
3.調査・集計対象
東証プライム上場企業のうち1604社に調査票を発送し、回答のあった152社を集計。
【一般財団法人 労務行政研究所の概要】
◆設立:1930年7月(2013年4月、一般財団法人に移行)
◆理事長:猪股 宏
◆事業内容 :
①人事・労務の専門情報誌『労政時報』ならびにWEBコンテンツの編集
②人事・労務、労働関係実務図書の編集
③人事・労務管理に関する調査
◆所在地:〒141-0031 東京都品川区西五反田3-6-21 住友不動産西五反田ビル3階
◆URL:https://www.rosei.or.jp/
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