鹿児島の温泉街に、企業の生物多様性支援拠点が誕生「湯之元ネイチャーポジティブ・ラボ」発足

温泉・海産資源・竹林などの地域資源と域内外企業が連携。人材育成・研究開発プログラムを開始。7月3日〜4日にキックオフワークショップを湯之元で開催。

小平株式会社

小平株式会社本社 HARBOR前にて湯之元NPLメンバー

小平株式会社(本社:鹿児島県日置市、代表取締役社長:小平 勘太、以下 小平)と株式会社リ・パブリック(本社:東京都文京区、共同代表:田村 大、以下 リ・パブリック)は、ネイチャーポジティブ(自然再興)領域のオープンイノベーションを推進する「湯之元ネイチャーポジティブ・ラボ(以下 湯之元NPL)」を発足しました。


鹿児島県日置市湯之元の豊富な自然資源を活用し、企業が生物多様性の保全・再生に実践的に取り組める場を提供します。

発足の背景

歴史ある鹿児島の温泉街「湯之元」

鹿児島県日置市湯之元エリアは歴史ある温泉街でありながら、近年では創業113年の鹿児島県の地域商社・小平の本社移転 (2024年) を皮切りに、以下のような新たなまちづくりの動きが生まれています。

  • 街まるごとオフィス:オフィスやコミュニティスペースを分散配置し、地域全体を住み、働く場とする構想

  • Yunomoto As a Home:空き家と膜建築技術を活用した長期滞在施設の整備

街まるごとオフィス:Horoyoko
Yunomoto As a Home:Horoyoiゲストハウス

こうした取組に続く次のステップとして、湯之元を拠点に豊富な地域資源(温泉、海産資源、流域、竹林、6次産業品、地域エネルギーなど)と、域内外の企業の持つ知的・人的資源を組み合わせ、SDGs 目標年次である2030年以降を見据えたビジネスアクションとして注目される「ネイチャーポジティブ」をテーマにした人材育成・研究開発プログラム「湯之元NPL」を新たに設置する運びとなりました。

ネイチャーポジティブとは、「生物多様性国家戦略2023-2030」において提唱されている、「自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させる」ことをミッションとした考え方です。自然保護や寄付等を通じたCSR活動に留まらず、企業が事業活動を通じて生物多様性の保全・再生していくという、新たなビジネスアクションの指針として注目されています。

今後、企業がハンズオンで生物多様性の回復に取り組むための「場」や「機会」が、一層求められていくことになります。こうした社会変革とニーズをいち早く捉え、官民が一体となって湯之元エリアをネイチャーポジティブ領域のオープンイノベーション拠点として発展させてゆくことを目指し、「湯之元NPL」をスタートします。

湯之元にてキックオフイベントを開催

小平勘太社長によるまちづくり構想レクチャー
永山由高日置市長からの講話の様子
参加企業によるワークショップの様子

2025年7月3日〜4日、日置市湯之元にて「湯之元NPL」のキックオフイベントを開催しました。小平株式会社の HARBOR に鹿児島、福岡、大阪、東京から16名が集まり、地域の自然の状態を好転させるビジネスに向けた対話と実践がスタートしました。

初日は、日置市長より市の人口動態や地域としての取組紹介、主催企業である小平株式会社の小平勘太氏より湯之元におけるまちづくりの構想、そして環境省の則久雅司氏より「ネイチャーポジティブ企業戦略」に関するレクチャーを実施。

湯之元の海の幸「月日貝」
湯之元の豊かな資源「竹林」

その後は、月日貝の保護・育成を通じて持続的な漁業と海の再生に取り組む漁師・佐々祐一氏や、増殖が地域課題となっている竹の多様な特性に応じて、最適な製品へと加工する(有)日の丸竹工の箕輪英徳氏の現場を訪問。自然との共生を軸にした多様な挑戦に触れました。

2日目は阿久根市の下園薩男商店・下園正博氏による講話から始まり、参加企業によるワークショップを実施。自然の現状を見つめなおし、地域の自然に人間がかけている負荷を見出しながら、どのように働きかけていけるかを各社で構想。自然の状態を評価・理解するための枠組みとして「PSRモデル(Pressure–State–Response)」を用いながら、企業が主体的にネイチャーポジティブを実践するための第一歩を踏み出しました。

今後の取組

湯之元の地図を広げたワークショップの様子

今後は約5ヶ月にわたり、ネイチャーベースドソリューション(NbS)や土中環境の計測をはじめとする自然のモニタリング・データ化、自然資本を核とした事業戦略といったテーマでレクチャーやワークショップを実施予定。12月の湯之元での成果発表とその後の実装を目指し、参加企業とともに事業アイデアの精緻化を進めていきます。

また、プログラム終了後も、以下の三つの柱を軸に、湯之元をネイチャーポジティブ実践の拠点として育んでいきます。

地域での実践に根ざしたネイチャーポジティブ人材の育成

ネイチャーポジティブを企業活動の中で推進するには、自然との関係性を理解し、現場での実践を通じて課題と向き合う人材の存在が不可欠です。湯之元NPLでは、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)対応や自然資本データの分析などを可能にする場の醸成を見据えながら、企業・地域双方で活躍できる人材の育成を進めます。

産官学の知をつなぎ、ネイチャーポジティブを推進する連携型プロジェクト支援

小平株式会社をはじめとする地域企業と、域外の民間企業・大学・行政が連携し、ネイチャーポジティブに関する研究開発プロジェクトを共同で推進。自然資源と経済活動の再接続を目指す産官学連携の枠組みを構築し、新たな技術・サービスの創出に寄与します。

湯之元をネイチャーポジティブのオープンイノベーション拠点へ

湯之元エリアをネイチャーポジティブの実証・連携の中心地として機能させるため、地域のハード・ソフト両面での開発に取り組みます。
具体的には以下の研究開発事業を順次展開予定です。

  • NPLの拠点となるサテライトオフィス・シェアオフィスの整備

  • 宿泊施設の整備(長期滞在・実践型フィールドワーク対応)

  • 地域資源を活用したものづくりプログラムの開始

 湯之元NPLは、企業と地域がともに未来を描きながら、自然と経済が調和する社会の実現に向けた第一歩を踏み出します。今後の展開にどうぞご期待ください。

(有)日の丸竹工の箕輪英徳氏
漁師・佐々祐一氏
湯之元の街を視察する参加企業
講話を熱心に聞く参加企業

■主催

小平株式会社

  • 所在地:鹿児島県日置市東市来町湯田3319-13

  • 代表者:代表取締役社長 小平 勘太

  • 事業内容:エネルギー/国際貿易/IT/まちづくり事業など

  • URL:https://www.kobira.co.jp/

株式会社リ・パブリック

  • 所在地:東京都文京区湯島 2-26-5 藤井ビル 1F

  • 代表者:共同代表 田村 大

  • 事業内容:イノベーションエコシステムの研究・設計/文化・資源リサーチなど

  • URL:https://re-public.jp/

  

本事業は、株式会社日建設計の共創プラットフォーム「PYNT」が行う共創事業「FUTURE LENS」の支援を受けて実施しています。

株式会社日建設計の共創プラットフォーム「PYNT」のロゴ

■後援
・日置市

■参加企業

・九州電力株式会社

・九州旅客鉄道株式会社(JR九州)

・NTTドコモビジネスソリューションズ株式会社

・野村総合研究所

他2社

※50音順

本件に関するお問い合わせ先

部署名:経営企画室

担当者名:池田(イケダ)

電話番号:050-1791-0714

Emailアドレス:pr@kobira.co.jp

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会社概要

小平株式会社

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URL
https://www.kobira.co.jp
業種
商業(卸売業、小売業)
本社所在地
鹿児島県日置市東市来町湯田3319-13
電話番号
050-1791-0714
代表者名
小平勘太
上場
未上場
資本金
1000万円
設立
1912年11月