【開催レポート】奨学生向け「医学生・研修医のためのメンタルヘルス研修」

~将来、医療従事者として不可欠なセルフケアを学ぶ~

小児医学・医療・保健の発展のため、小児医学研究者への研究助成や小児医学を志す医学生への奨学金給付を行う公益財団法人川野小児医学奨学財団(所在地:埼玉県川越市、理事長:川野幸夫/株式会社ヤオコー代表取締役会長)は、当財団の奨学生およびOBOG向けに「医学生・研修医のためのメンタルヘルス研修」を2023年5月20日(土)に実施いたしました。
  • 医師のメンタルヘルスの重要性について

 医療現場においては、人の命にかかわる仕事という性質上、強い緊張感を伴うことに加え、患者や家族との難しいコミュニケーションも要求されます。また、働き方改革が進んでいるとはいえ、長時間勤務や休日取得が少ないなどの現状もあり、医師のメンタルヘルス不調は問題となっています。さらに、医師の心身の健康と医療の質などが密接に関係しているという研究報告も多く、医師の心身の健康問題への対策は医師本人のみならず患者にとっても不可欠です。

 当財団が現役医師に行った事前ヒアリングでも「医師に必要な能力・スキル」は何かという問いに対して、心身の健康に関する「セルフケア力」を挙げる声が多くありました。また、当財団の奨学生である医学生へのアンケート※(末尾参照)でも「今後、受けたい研修」として「メンタルヘルス研修」を挙げる学生が71.4%に達しました。
 そのような状況を受け、当財団では、医師を目指す奨学生向けに、本セミナーを企画・実施いたしました。
 
  • セミナーレポート
●タイトル:医学生・研修医のためのメンタルヘルス研修
●開催日時:2023年5月20日(土)10:30~12:00
●参加者:医学部医学科所属の当財団奨学生5名、研修医として勤務するOB1名
●講師プロフィール: 春日未歩子先生

一般社団法人 森とこころの研究所 代表理事
株式会社ジャパンEAP システムズ スーパーバイザー 非常勤
和光大学人文学部人間関係学科卒業後、東京大学医学部での研修を経て、
医療法人社団翠会成増厚生病院「こころのクリニックなります」にて地域精神
保健に従事。2005年より株式会社ジャパンEAPシステムズにて企業のメンタル
ヘルス対策などを担当し、2021年より森とこころの研究所にてセルフケア能力・
サバイバル能力を高め人生の避難訓練ができる「レジリエンス・スクール事業」
などを行う。

●セミナーの内容(概要):
1. ストレスの理解

・医療従事者、特に医師のストレス
・ストレスの心身への影響
・NIOSH職業ストレスモデルを用いたストレスチェック<実習>

2. ストレスへの対処方法
・ストレスパターンの共有と対処方法の検討<実習>
・自律神経のバランス(ポリヴェーガル理論)
・セルフ・コンパッション<実習>

●参加者の声
・ストレス対処のパターンを用いて自己を評価するなど、自分を客観的にみることで、今必要なことが見えてきて、メンタルヘルス管理がしやすくなると思った。
・自分はどのようにストレスを減らし、どのようにエネルギーを貯めているのかを確認することができた。
・今回のようなセミナーがなければ他人を通じて自己を振り返ることはないと思い、そうした点がとても参考になった。
 
  • 奨学生向けプログラムの提供について
 1990年に奨学金事業をスタートさせて以来、小児医学を志す当財団の奨学生が高い医療技術を持つだけではなく、人から信頼され、感謝される医師になるために、奨学金給付という経済的支援以外にできることがないか、考えて続けてきました。当財団より奨学金を受けていた医師(卒業生)および現役奨学生からのヒアリングなどを通じて研修やセミナーなどのプログラム提供の導入を決定し、2022年度より「キャリアセミナー」「コミュニケーション研修」などを実施しています。


「医学生のためのコミュニケーション研修」の様子

 開催日:2022年9月10日
 概 要:コミュニケーションの基礎習得のため、グル
    ープワークを交えて、以下を学ぶ
    コミュニケーションの基本と重要性、感じの
    良い話し方、話の聴き方、正しい情報伝達


※奨学生アンケート(2022年9月実施、川野小児医学奨学財団の奨学生14名が回答)

Q. 今後受けたい研修は何ですか? [複数回答]

「キャリアセミナー」(85.7%)が最も多く、次いで「メンタルヘルス研修」も71.4%と多くの希望が集まる結果となった。

メンタルヘルス研修の回答理由では「自分自身のメンタルヘルスを保ちたいため」「患者さんを診る上で身につけておきたいから」が多くを占めている。

●回答理由(メンタルヘルス研修)
・日々の大学生活の中で勉強に追われ、息抜きをする機会を持ちにくく、ストレスが溜まり、不眠や過呼吸
 を起こすなど、メンタルヘルスに不調を感じています。大学卒業後はさらに責任は大きくなり、今よりも
 一層、心に負担がかかると予想されますが、自分自身の心に余裕がなければ、患者さんを十分にケアする
 ことも難しくなると思います。
・自分はストレスを恐らく溜めやすいものの自覚しにくく、気づいて発散しようとする前に体調不良として
 現れてしまいます。
・多忙な生活の中で精神的に疲弊することがあるのではないかと実習などで医師の姿を見て感じたからです。
・メンタルヘルスが保たれない方と必ず出会うと思います。そうなった時にどうしてそう至ってしまったの
 かや心の豊かさはどのように育まれるのかを知っていれば、医療を施す上で大きな糧になると思います。


<財団概要>
 財団名: 公益財団法人川野小児医学奨学財団
 所在地: 〒350-1124 埼玉県川越市新宿町1-10-1
 理事長: 川野 幸夫(株式会社ヤオコー 代表取締役会長)
 事務局長: 川野 紘子
 設立: 1989年12月25日
 行政庁: 内閣府
 URL: https://kawanozaidan.or.jp/
 TEL: 049-247-1717
 Mail: info@kawanozaidan.or.jp
 事業内容: 研究助成/奨学金給付/小児医学川野賞/医学会助成
       小児医療施設支援/ドクターによる出前セミナー

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会社概要

URL
https://kawanozaidan.or.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
埼玉県川越市新宿町 1-10-1
電話番号
049-247-1717
代表者名
川野幸夫
上場
-
資本金
-
設立
1989年12月