湘南アイパークでレイサマリー作成ワークショップを実施
~湘南アイパークの研究者と地域の中学生が希少疾患論文を紐解く~
・希少疾患の論文を題材に、参加者が話し合いながらレイサマリーを作成
・翻訳ツールや生成AIなどの身近な最新テクノロジーを活用
アイパークインスティチュート株式会社(本社:神奈川県藤沢市、代表取締役社長:藤本利夫、以下「アイパークインスティチュート」)は日本希少疾患コンソーシアム(Rare Disease Consortium Japan、以下「RDCJ」)(※2)と共催で、2月25日、湘南ヘルスイノベーションパーク(以下「湘南アイパーク」)において、レイサマリー作成ワークショップを実施しました。2月29日のRare Disease Day(※1)(世界希少・難治性疾患の日)を前に、希少疾患について知り、患者や市民が科学に参加する形を考える場として、研究者とともに地域の中学生を招いて実施しました。
(※1) Rare Disease Day(世界希少・難治性疾患の日):希少・難治性疾患の患者さんにより良い医療や生活が提供されることを目指して、イベントや運動が行われる日。2008年にスウェーデンから始まり、現在は日本も含め世界中でさまざまな啓もう活動が行われている。
(※2) 産患学官民の協働による希少疾患の医学研究と医療サービス開発に挑み、その知見を世界に発信することを目的として、2023年7月に発足したコンソーシアム。
■レイサマリーとは
レイサマリー(Lay Summary)は、プレーンランゲージサマリー(Plain Language Summary)とも言われ、科学論文や臨床試験結果報告書など学術的なドキュメントを、その分野の知識がない一般の人にも分かりやすいよう、専門用語を使わずに平易な文で要約したものです。
レイサマリーを併せて掲載する科学論文誌は増加しており、また欧州の臨床試験(治験)ではレイサマリーの提出が義務付けられるなど、研究の意義や成果を社会に示すための重要な手段として、世界的に広がってきています。
2020年以降は日本でも、レイサマリー作成のための研究やガイドラインが発表されていますが、ウェブ上などで簡単にアクセスすることのできる日本語のレイサマリーはまだ限られており、「研究と社会をつなぐ手段」としてのレイサマリーは、まだ途上段階にあると言えます。
■今回の取り組みのポイント
1. 湘南アイパークの研究者と地域の中学生の共同作成
本ワークショップでは、研究者と地域の中学生が共同でレイサマリーを作成しました。最先端の学術論文を紐解く活動を通じて、中学生が科学を身近に感じ、その面白さや意義を知る機会となることを期待して、藤沢市立藤ヶ岡中学校に参加を募り、中学生および教員からご参加いただきました。当日参加した中学生からは、「初めて本物の科学論文を見て、圧倒された。」「研究者の方と会ったことがなかったが、今回直接話せてよかった。」などの感想が聞かれました。また、RDCJメンバーや研究者からは「長年当たり前のように使っている専門用語をどのように訳すか、難しかった。サイエンスというより国語だなと思った。」「中学生が、大人の中に混じって、きちんと意見を言ってくれて感心した」「同じ論文を出発点にしたのに、取り組みの仕方により、2チームそれぞれ違う出来上がりになって面白かった。」「生成AIを用いつつ、研究者による軌道修正のステップはとても大事だと思った」といった声がありました。
2. 新たな手法(第三者による、生成AIを用いた作成)によるレイサマリー作成の試み
科学論文のレイサマリーは通常、その論文の著者によって作成されますが、今回のワークショップでは、研究者と中学生、いずれも著者ではない第三者が作成に取り組みました。また、翻訳ツールや生成AIなど身近な最新テクノロジーを用いることで、英語や専門用語がわからなくてもレイサマリーを作成できることが分かりました。
これらの新しい取り組みから、研究者が適切に軌道修正を行うことで、著者以外でも、レイサマリーを作成できることが分かりました。一方で、著作権に配慮することや、専門家の視点で正確な情報を確認することの大切さについても、ワークショップ内で再確認がなされました。
■実施概要
(※3) 医療・医薬品開発に不可欠なステークホルダーである患者団体、患者支援団体、一般市民及び産官学の相互理解と協働を推進し、関係者のニーズを掘り起こしながら、丁寧なコミュニケーションのもとで活動方針・活動計画を策定し、真の「産患官学」連携を実現する母体となることを目指す一般社団法人。主に臨床試験(治験)に関するレイサマリーの作成の手引きを公開している。 https://www.ppijapan.org/
アイパークインスティチュートは今後も、研究者が社会に向けて科学を発信する機会を提供し、地域住民や患者を含めたライフサイエンスエコシステムの構築を推進していきます。
アイパークインスティチュート株式会社について
アイパークインスティチュート株式会社は、産業ファンド投資法人、武田薬品工業株式会社、三菱商事株式会社を主要株主として、2023年4月に事業を開始しました。2018年より武田薬品が担っていた湘南ヘルスイノベーションパーク(神奈川県藤沢市、略称:湘南アイパーク)の運営事業を2023年に承継し、施設の運営・管理のほか、イノベーション創出促進、技術交流・研究連携促進など、ライフサイエンスエコシステムの構築・活性化のための事業を行っています。当社に関する詳しい説明はこちら( https://www.shonan-ipark.com/company/?utm_source=pressrelease&utm_medium=click&utm_campaign=ec_from_pressrelease-click )をご覧ください。
湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)について
湘南アイパークは、2018年4月に武田薬品工業株式会社が自社研究所を外部に開放して誕生した、日本初の製薬企業発サイエンスパークです。現在は武田薬品工業株式会社から独立したアイパークインスティチュート株式会社が運営を行っており、幅広い業種や規模の産官学が結集してヘルスイノベーションを加速する場となることを目指しています。現在、製薬企業のみならず、次世代医療、細胞農業、AI、行政などの企業・団体が集積し、約170社、2000人以上(2024年2月現在)のエコシステムを形成しています。
公式HPはこちら( https://www.shonan-ipark.com/?utm_source=media-pressrelease )
湘南アイパーク最新の入居/メンバー企業・団体はこちら( https://www.shonan-ipark.com/membership/list/ )
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【プレスリリースはこちらのPDF版でもご覧になれます。】
https://prtimes.jp/a/?f=d118829-16-5df824900fc579bbfbb1ea7003d2e2a3.pdf
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