アストロスケール、JAXAの商業デブリ除去実証のフェーズIプロジェクトについて、Rocket Labと打上げ契約を締結

アストロスケール

持続可能な宇宙環境を目指し、スペースデブリ(宇宙ごみ、以下、デブリ)除去サービスを含む軌道上サービスに取り組む株式会社アストロスケールホールディングスの子会社で人工衛星の製造・開発を担う株式会社アストロスケール(本社:東京都墨田区、代表取締役 小山貴義、以下「アストロスケール」)は、打上げサービスと宇宙システムの世界的リーダーであるRocket Lab(ロケットラボ)社との、商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J(アドラスジェー、Active Debris Removal by Astroscale-Japan の略)」の打上げ契約締結をお知らせいたします。当社のADRAS-Jは、世界初の大型デブリ除去等の技術実証を目指す、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の商業デブリ除去実証プロジェクト(CRD2プロジェクト*1)フェーズⅠの契約相手方として選定、契約締結されています。
ADRAS-Jの打上げは2022年度内に、Rocket Labのロケット「Electron(エレクトロン)」にてニュージーランドのマヒア半島にある同社第1発射施設(Launch Complex 1)より行われる予定です。第三段にあたる、Rocket Lab独自のキックステージによる軌道投入後、ADRAS-Jでは、非協力物体である日本のロケット上段への接近・近傍運用を実証し、長期にわたり放置されたデブリの運動や損傷・劣化状況の撮像を行います。大型デブリの除去を目指すCRD2フェーズIIは、今後民間事業者の選定が行われる予定です。

アストロスケール創業者兼CEOの岡田光信は、以下のように述べています。
「世界初の大型既存デブリ除去を目指す、ADRAS-Jの打上げ事業者が決定しました。Rocket LabのElectronのように信頼性が高く商業的にも採算に見合うロケットのおかげで、宇宙空間へ頻度・柔軟性ともに高いアクセスが可能となり、アストロスケールの事業である、宇宙のインフラと経済を支えるための軌道上サービスを前進させることができます。それぞれの市場を牽引するRocket Labとアストロスケールが、ADRAS-Jの画期的なミッションにおいて協力し、宇宙の持続可能性「スペースサステナビリティ」の推進に必要な技術・ルール形成が可能となることを大変嬉しく思います。」

Rocket Lab創業者兼CEOのピーター・ベック氏は、以下のように述べています。
「運用終了時に衛星やデブリを軌道から除去する能力は、今後持続可能な宇宙環境を確保する上で重要な役割を果たすでしょう。この分野における、アストロスケールの新しいソリューションの実証に貢献できることを大変嬉しく思います。また、時速約27,000kmで移動する軌道上のデブリとのランデブは非常に複雑な作業であり、衛星の軌道投入に関しても絶対的な正確性が問われます。Electronのキックステージは18ものミッションでこの精度を実証しており、衛星をいつでも必要な場所に正確に運ぶための宇宙輸送環境を提供します。」

ADRAS-Jは現在重要な設計段階にあり、衛星の組立作業は2022年初頭に開始予定です。

ADRAS-Jミッションの運用構想(ConOps)動画はこちら:https://www.youtube.com/watch?v=5u_X33krhHY
ADRAS-Jの画像はこちら:https://www.flickr.com/photos/astroscale_/albums/72157712899249203

アストロスケール について
アストロスケールは、宇宙機の安全航行の確保を目指し、次世代へ持続可能な軌道を継承する為、スペースデブリ(宇宙ごみ)除去サービスの開発に取り組む世界初の民間企業です。 2013年の創業以来、軌道上で増加し続けるデブリの低減・除去策として、今後打ち上がる人工衛星が寿命を迎えたり恒久故障の際に除去を行うEOL※2、既存デブリを除去する為のADR※3、宇宙空間上での宇宙状況把握(ISSA※4)、稼働衛星の寿命延長(LEX※5)など軌道上サービスの実現を目指し技術開発を進めてきました。また、長期に渡り安全で持続可能な宇宙環境を目指す為、技術開発に加え、ビジネスモデルの確立、複数の民間企業や団体、行政機関と協働し、宇宙政策やベストプラクティスの策定に努めています。 
本社・R&D 拠点の日本をはじめ、シンガポール、英国、米国、イスラエルとグローバルに事業を展開しています。 

アストロスケール本社ウェブサイトはこちら: http://astroscale.com
軌道上サービス管制センターの様子(動画):https://www.youtube.com/watch?v=OzISoG-AjbM

※1 Commercial Removal of Debris Demonstrationの略称
※2 EOL:End-of-Lifeの略称 
※3 ADR:Active Debris Removalの略称 
※4 ISSA:In Situ Space Situational Awarenessの略称 
※5 LEX:Life Extensionの略称 

Rocket Labについて
Rocket Labは、2006年に設立された、ミッション成功の実績を持つエンドツーエンドの宇宙企業です。宇宙へのより迅速・簡単で、手頃な価格でのアクセスを実現するため、信頼性の高い打上げサービス、宇宙機コンポーネント、人工衛星、その他宇宙機および軌道上管理のソリューションを提供します。本社をカリフォルニア州ロングビーチに置き、小型軌道ロケット「Electron」や人工衛星プラットフォーム「Photon」を設計および製造するとともに、8トン規模の積載量を備えるロケット「Neutron」を開発しています。2018年1月の初めての打上げ以来、同社のElectronは米国で年間2番目に頻繁に打ち上げられるロケットとなり、官民105もの衛星の軌道投入に成功してきました。これにより、安全保障や科学研究、デブリの軽減、地球観測、気候監視、通信といった衛星運用を可能にしています。また、同社のPhotonはNASAの月や火星のミッション、さらには金星への初の民間商用ミッションの輸送機にも選ばれています。Rocket Labは2カ所の射場に3つの発射台を有し、その内2つはニュージーランドに、もう1つは米国バージニア州にあります。米国にある発射台については、2021年内に運用開始予定です。

Rocket Labについて詳細はこちら:https://www.rocketlabusa.com/

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会社概要

URL
https://astroscale.com/
業種
製造業
本社所在地
東京都墨田区錦糸4-17-1 ヒューリック錦糸町コラボツリー
電話番号
-
代表者名
岡田光信
上場
東証グロース
資本金
-
設立
2013年05月