半導体先端パッケージ向けパネルレベル塗布装置「TRENG-PLPコーター」の本格販売を開始
東レエンジニアリング株式会社(本社:東京都中央区、社長:岩出 卓、以下「東レエンジ」)は、この度、AIサーバーやデータセンターを中心に需要が伸びている先端半導体の製造技術であるパネルレベルパッケージ(以下「PLP」)用の高精度塗布装置「TRENG-PLPコーター」(トレンジ ピーエルピーコーター)を開発し、2024年12月から販売を開始します。
本装置は、次世代半導体の製造技術である2.5次元パッケージの大型化に対応するもので、主要部材である「インターポーザ」を製造するためのガラス基板上に微細な再配線層構築を実現させ、高性能な半導体の製造に貢献するものです。
当社は、「TRENG-PLPコーター」を大手半導体製造メーカー数社にパイロット機を納入し、本技術を確立しました。この度、量産化に向けた販売を開始し、2025年度に30億円、2030年度に60億円の受注高を目指します。
昨今、生成AI用サーバーの需要増に伴い「ハイパースケールデータセンター」の設置が加速しています。半導体の一層の高性能化に加えて、その高性能半導体の需要が飛躍的に増加しており、先端半導体の製造に不可欠な「半導体先端パッケージ」の更なる大型化と効率化が求められています。
半導体の先端パッケージに欠かせない「インターポーザ」は、直径300mmの丸型のシリコン製ウェーハから角型に切り出して製造することからウェーハ上にどうしてもデッドスペースが生まれ、製造効率の低下につながっています。さらに近年の高性能化に伴い、パッケージサイズが年々大型化しており、製造効率がさらに低下していくことが危惧されています。
その解決策として、角型のガラス基板を用いるPLP技術が注目されています。ガラス基板は600mm×600mmと、ウェーハに比べて大型化が可能であり、さらに角型であるため基板の隅まで製造に有効活用することで効率性向上につながります。しかし、ガラス基板の反りを制御し、配線材料やフォトレジスト材の薄さを均一に保ちながら、高密度に回路を形成することが困難であることが課題でした。
この課題に対して、当社が保有する液晶パネル向けに展開してきた高精度に厚み(薄さ)をコントロールするコーティング技術と、大型ガラス基板のハンドリング技術を展開することで、「TRENG-PLPコーター」にて、600mm×600mmのガラス基板上に高密度な再配線層の形成を実現しました。
東レエンジは、東レの先端繊維素材の製造技術から連綿と培った微細加工技術を生かして、半導体実装装置やディスプレイ製造装置などエレクトロニクス関連の分野に幅広く展開し、製造技術を高めてまいりました。
今後も、これらの技術の蓄積を生かして、高度な製造技術でソリューションを提供することで世界を前進させてまいります。
「TRENG-PLPコーター」の詳細は次頁の通りです
記
1.商品名 : 「TRENG-PLPコーター」(トレンジ ピーエルピーコーター)
2.製品特長 : ・半導体先端パッケージ向け専用設計
・塗布~乾燥までのトータルシステム
・高精度塗布(膜厚均一性)
・反り基板搬送
・豊富な実績による優れた稼働安定性
3.展開用途 : 半導体先端パッケージ基板の製造
4.受注目標 : 2025年度30億円
2030年度60億円
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