沖縄のラム造りのプロジェクトONERUM、国産ラム初の「洋酒技術研究会賞」受賞
国内の洋酒酒造業界において最も権威ある賞の一つ
この度、同酒造所の製造責任者であり、ONERUMプロジェクトのリーダーでもある仲里彬が、令和6年度洋酒技術研究会総会にて、第12回洋酒技術研究会賞を受賞しました。
「洋酒技術研究会賞」は、洋酒酒造業界の有識者からなる洋酒技術研究会総会が主宰しており、国内の洋酒酒造業界において最も権威ある賞の一つに数えられます。
この度は、さとうきび畑からの自社酵母(ONERUM酵母)の単離、国内初となるダンダー仕込み製法(Dunder Fermentation)の確立などの技術開発で、変化に富んだラムの香味を作り出すノウハウを獲得していることを評価いただきました。それに加え、これらの技術を駆使し、過剰在庫の問題など多くの課題を抱えていた沖縄の離島8島の黒糖を原料に、様々なラムを商品化してきたこれまでの取り組みが、酒類業界にとどまらず産業の活性化へ貢献したとして、大きく評価されての受賞となりました。
受賞の詳細は以下の通りです。
第12回洋酒技術研究会賞
・受賞日:2024年5月8日(水)
・授賞式:令和6年度 洋酒技術研究会 総会 大手町LEVELXXI東京會舘 スタールームにて
・受賞内容:「沖縄を活性化する高付加価値ラムの新規開発」
・受賞者:瑞穂酒造株式会社 取締役 製造部長兼商品開発室長 / 株式会社OneSprit代表取締役 仲里 彬
洋酒技術研究会及び洋酒技術研究会賞について
1963年に、洋酒技術の研鑽、国産洋酒の品質向上を目的に設立され、業界の活性化と洋酒類に関する知識の相互啓発に資する事を目的に、取り組んでいる。
年に一度、同会の選考委員会により、洋酒業界の技術発展に貢献した者(個人若しくはグループ)を選定・審議し、洋酒技術研究会賞として賞を授与する。
受賞内容
①自社酵母(ONERUM YEAST)の単離
ラムの製造において、市販の外国産酵母を使用することが一般的であるのに対し、同社はラム製造に適した優良酵母の新規獲得を目指し、新たに自然界からの分離に着手。市販酵母同等の発酵力を有し、フルーティな香りを醸しだすユニークな特徴を持った酵母の分離に成功。ONERUM YEASTとして使用している。
②国内初 ダンダー仕込み製法(Dunder Fermentation)の確立
廃棄が必要な蒸溜廃液(Dunder/ダンダー)を次の仕込み時に全量使用する製法である、ダンダー仕込み製法(Dunder Fermentation)を独自に確立し、廃液処理にかかる費用をゼロに抑えた循環型のラム造りを実現した。ダンダーを利用する製法は、伝統的なジャマイカのラムの製法で見られていたが、改良を重ね、国内で初めて本製法によるラムの商品化と量産化に成功した。
③産業への活性化
黒糖の在庫問題等、様々な課題を抱えていた、沖縄のさとうきび産業において、上記技術を駆使し、沖縄の離島8島で製造される黒糖の風味を生かした、8種類の特徴的なラムの商品化に成功した。また、定番商品として、離島8島の黒糖を全て活用したラムのリリースも行っている。このような、島の黒糖を使用したラム造りを通して、離島産業の活性化、業界の活性化に寄与していた。
ONERUM PROJECTとは
瑞穂酒造は、2020年11月、先人たちが受け継いできた伝統的素材のさとうきびを主原料とした「ラム」をつくるプロジェクトチーム「ONERUM」を結成、始動しました。
生産農家、大学、研究機関、酒類の従事者が一丸となり、ラムの開発をはじめ、さとうきびの品種や産地、製糖方法、そしてラムの新たな楽しみ方などを探究しています。
沖縄の偉人·儀間真常の功績により広まったとされる、400年の歴史を誇る沖縄のさとうきびは、沖縄の各所で作られています。
また、さとうきびから黒糖をつくる製糖工場が、沖縄県では離島8島(粟国島、伊江島、伊平屋島、西表島、小浜島、多良間島、波照間島、与那国島)にあります。
本プロジェクトでは、さとうきびと、これら離島8島の風土や生産方法の違いから生まれる黒糖の、2つの原料に着目し、シングルアイランドシリーズ、ブレンデッドアイランズシリーズ、ワンアイランドシリーズ、3種のシリーズを展開します。シングルアイランドシリーズは2021年から2023年にかけ8種のラムを発表し、2023年8月にはブレンデッドアイランズシリーズを発表しました。。今後発表予定のワンアイランドシリーズは、 沖縄本島の自社ファームでさとうきびを栽培し、品種から探求したラムをご提案しています。
「ONERUM」は、ワインのように、さとうきび畑のテロワールを楽しめるラムを、また、世界に通用するラムをつくりだし沖縄がラムの聖地になることを目指します。
瑞穂酒造株式会社
琉球国王尚泰王即位の年、1848年首里の地で創業。175年の歴史の中で、先人から受け継がれてきたフロンティアスピリッツのもと、人、自然、微生物と共生しながら、沖縄だからこそ、瑞穂酒造だからこそできる酒造りに、積極的にチャレンジしてきた。
「一口で沖縄の魅力が伝わるクラフトジン」をコンセプトに、沖縄のさくら酵母仕込みの泡盛を使ったジン「ORI-GiN1848」シリーズも展開。ロンドンで50年以上に渡り開催されている酒類の品評会・インターナショナル ワイン&スピリッツ2021にて、3アイテムがゴールドを受賞、3部門8アイテム受賞している。
お客様からのお問い合わせ先
瑞穂酒造株式会社
TEL 098-885-0121
WEB https://mizuhoshuzo.co.jp/
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