【ZEB認証取得】株式会社ジーシー「富士小山工場 第5工場」竣工
~世界的建築家 坂 茂氏設計 環境と調和する次世代工場~
歯科医療総合メーカー、株式会社ジーシー(東京都文京区)は、創業100周年記念事業の一環として、静岡県小山町の富士小山工場敷地内に「富士小山工場 第5工場」を竣工し、10月7日(火)に竣工式を執り行いました。第5工場は外壁全面に961枚の太陽光パネルを設置し、高機能換気設備や自然冷媒CO₂ヒートポンプ給湯器、LED照明などの省エネ設備を導入することで、ZEB(Net Zero Energy Building)認証を取得した、環境と調和する次世代型工場です。

歯科医療総合メーカー、株式会社ジーシー(東京都文京区)は、創業100周年記念事業の一環として、静岡県小山町の富士小山工場敷地内に「富士小山工場 第5工場」を竣工し、10月7日(火)に竣工式を執り行いました。
■環境と調和する次世代工場
1976年の設立以来、富士小山工場は地域社会と環境への配慮を重視し、環境保全活動を継続的に実施してきました。工場内の緑地面積率は約50%を誇り、約200㎡のビオトープには、地域によっては絶滅危惧Ⅱ類(VU)や準絶滅危惧(NT)に指定されているハグロトンボやツチガエルの生息も確認され、地域の生物多様性保全に貢献しております。こうした活動が評価され、経済産業省管轄の「緑化優良工場等表彰」制度において、これまで数々の賞(※1)を受賞しています。
今回竣工した第5工場は、これまでの環境との調和を継承し、再生可能エネルギーを活用したサステナブル建築をテーマに、世界的建築家・坂 茂氏の設計により建設されました。外壁全面には景観に調和する緑色の特殊セルを用いた961枚の太陽光パネルを設置し、さらに高機能換気設備である全熱交換機や自然冷媒CO₂ヒートポンプ給湯器、人感センサーと組み合わせた全館LED照明などを導入することで消費電力を大幅に削減しました。これらの取り組みにより、ZEB(Net Zero Energy Building)認証を取得し、BELS評価書では再生可能エネルギーを加えた設計一次エネルギー消費量が、基準一次エネルギー消費量に対して434%相当の削減効果があるとして評価されています。
また、外観は、100周年事業を象徴するデザインとして、従来の無機質なコンクリートイメージを刷新したものとなっています。下階には製造エリアを広く確保し、上階には展望スペース(※2)を設けるという空間構成を起点に、太陽光発電の面積を最大化するとともに、富士山とのコントラストも考慮し、黄金比を取り入れたピラミッド型を導き出しました。これにより外壁の反射光を上空へ逃がすこととなり、隣接する新東名高速道路への影響を最小限に抑えています。
ジーシーでは、Vision 2031として「健康長寿社会を実現する歯科界のリーディングカンパニーとなる」を定めており、その実現に向け富士小山工場 第5工場では、地域社会と環境への配慮を兼ね備えたマザー工場として新たな価値を創出してまいります。
※1 2008年「日本緑化センター会長賞」、2016年「関東経済産業局長賞」、2020年「経済産業大臣賞」等
※2 本施設は製造工場のため、展望スペースは関係者のみを対象としております。



■施設概要

所在地 |
静岡県駿東郡小山町中日向584-1 |
施設名称 |
富士小山工場 第5工場 |
面積 |
敷地面積: 49,265.88㎡ 建築面積: 1,318.49 ㎡ 延床面積: 2,157.28 ㎡ |
設計・監理会社 |
株式会社坂茂建築設計 株式会社建築エネルギー研究所 株式会社坂田涼太郎構造設計事務所 |
施工会社 |
前田建設工業株式会社 東京建築支店 臼幸産業株式会社 |
階数 |
地上3階 |
工期 |
2024年4月1日~2025年8月10日 |
■建築家 坂 茂氏 プロフィール
1957年 東京都生まれ。
クーパー・ユニオン建築学部(NY)で建築を学び、東京、パリ、ニューヨークに事務所を構える。紙管を使った建築や、木材を使った革新的な構造で知られている。代表作はポンピドゥー・センター・メス(フランス メス・2010年)、紙の大聖堂(ニュージーランド クライストチャーチ・2013年)、大分県立美術館(大分県・2014年)、ラ・セーヌ・ミュジカル(フランス パリ・2017年)、富士山世界遺産センター(静岡県・2017年)、SIMOSE(広島県・2023年)。
1995年にNGO「Voluntary Architects’ Network(VAN)」を設立し、世界各地での災害支援に数多く貢献したことから、プリツカー建築賞(2014年)、マザー・テレサ社会正義賞(2017年)、アストゥリアス皇太子賞平和部門(2022年)を受賞。現在、芝浦工業大学特別招聘教授。2025年3月より日本芸術院会員。
すべての画像