実証実験第1弾「紙に書くことは創造力を養う」東京外国語大学 岡田昭人教授監修
紙に書くことは“発想“を瞬時にストレスなくイメージ通りに“表現”し、新たなアイデアを“創造”し、“記憶”に効果的なことを示唆
「マインドマップを活用した表現力・発想力の実験」と「言語習得を利用した紙とタブレットの「記憶」の実験」を通し、紙に書くことは、「発想」を瞬時にストレスなくイメージ通りに「表現」できることが検証されました。さらに、紙を通して整理した物事を目視することで、「論理的」に整理するように意識が向くことや、「記憶」に効果的と証明され、紙に書くことが創造力を養うことに有効であると示唆されました(以下、実験結果詳細)。
マルマンは、「書くこと」「描くこと」を通して、情熱が湧き上がるような新しいアイデアやイマジネーションの創造をサポートするため、さまざまな角度から取り組みを推進してまいります。
実験①②の主な結果
▼紙を使ってマインドマップを作成した学生はイメージ通りに書くことができた。
また、アイデアを有効的且つ整理することができたと回答(※アンケート対象者:実験①の参加者)
▼紙を使って作業することは動作・心理的にストレスフリーであると回答
(アンケート対象者:左)実験① 右)実験②の参加者)
▼紙を使って言語を覚えることは文字を「写す」のではなく記憶に「刻み込み」達成感を感じる。
(アンケート対象者:実験②の参加者)
質問:紙/タブレットに書いて言語を記憶してみた感想は?
回答:
紙:思考のプロセスが見えやすい。書いた紙を見返すとその方法と共に感覚も思い出せると感じた。
タブレット:紙に書くよりもタブレットに書く方が書いている、勉強しているという実感がわかなかった。 書いた箇所がわからなくなってしまうのがストレスに感じた。 簡単に消せてしまう分、たくさん書いても達成感がなかった。
実験①:マインドマップを活用した表現力・発想力の実験
調査対象者に対し、「マインドマップ」を各ツール(紙/タブレット/PC )で作成してもらい、それぞれの使いや すさやの比較や、作成によるメンタル(感情)の観点を検証。
<方法>
① 各ツールを使用し 30 分間でマインドマップを作成
<作成ルール>
① 各自決められたツールのみを使用
② 時間内に母国語で作成すること
③ 真ん中にテーマを置きツリー状に派生していく方式に統一
<参加者>
「紙」による作成:学生10名
「タブレット」による作成:学生10名
「ノートパソコン」による作成 :学生10名
<マインドマップテーマ>
「自国の食を世界に広げるには」
使用ツール:紙
使用ツール:タブレット
使用ツール:パソコン
※記号の説明 (赤枠:テーマ 、青枠:サブテーマ※作成上発生したもの 、赤丸:ブランチ)
上記より、タブレットを使用した学生のアンケートでは、過半数の学生がイメージ通りに作成ができたと回答し ていましたが、図2の青枠のように、本来のテーマから外れたテーマに派生をしてしまっていました。一方で、紙 を使用した学生のマインドマップは、頭の中に浮かんだアイデアを直感的に落としこんで「表現」できています。 図1の様に、赤枠のテーマから縦横、左右均等に枝が派生しおり、一貫してテーマに沿ったアイデアが生まれて いました。結果として、紙の特徴である一面全てを一度で目視できる点を活かして、「論理的」に整理するように 意識が向いているため論点をずらすことなくテーマに沿って深掘りができていると示唆されました。
実験②:言語習得を利用した紙とタブレットの「記憶」の実験
日本学生が親しみのない言語を習得するプロセスに焦点を置き、所定の時間内で各ツール(紙/タブレット /PC )にて言語を暗記してもらい、それぞれの「記憶力」の違いを検証。
<方法>
① モンゴル人学生による言語のレクチャー
② 各ツールを使用し言語を 30 分間で暗記
③ テストの実施
<ルール>
① 各自決められたツールのみで時間内に暗記をする
② 暗記後のテストは、全員「紙」に書く
<参加者>
「紙」による暗記:10名
「タブレット」による暗記:10名
<覚える言語>
「モンゴル語」
使用ツール:紙
使用ツール:タブレット
上記に加え、タブレットはただ映しているだけの感覚、一方で、紙は内容をより深く「理解」し積み重ねながら 書くことができるという学生のコメントから、中長期的な記憶の刻み込みには、タブレットより紙の方が優位と言 えると推察。また、言語に限らず、「記憶」や「集中」の点において紙に書く方が、時間・速さなどの点で効果的だ と示唆され、さらには紙への記載の場合、動作的にストレスなくモンゴル語を書くことができたとの感想を、被験 者の学生から得ることができました。
岡田昭人教授/東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授
オックスフォード大学教育学大学院博士課程修了(DPhil)。当大学院に て日本人で初の教育学博士号を取得。東京外国語大学で 20 年以 上、日本人と留学生に異文化理解を教えている。大勢の学生が在籍 するゼミでは「学びと遊びは表裏一体」を理念に学生主体のアクティブ な授業実践で、学生たちのコミュニケーション力を高め続けている。留 学生教育学会副会長、学習支援NPO法人理事。メディアに出演・協 力多数。趣味はピアノ弾き語りや各種スポーツなど多芸多才エンター テイナー。著書に『世界を変える思考力を養うオックスフォードの教え 方」(朝日新聞出版)などがある。
Creative Support Company marumanについて
創業以来「紙」にこだわり続け、“Creative Support Company”としてすべての人を創造的にするサービスの提供を目指す、文具製造・販売会社です。
1920年初代井口興一が東京神田において創業。「子供たちが、夢を思いきり描けるように」との想いで学習用スケッチブックの製造販売を開始しました。その思いは創業当時から現在まで変わることなく、「書く」「描く」ことから始まる無限の発想を広げる紙製品の開発をしています。このようにして生まれた「図案スケッチブック」や「クロッキーブック」といった、ロングセラーブランドを多数世に送り出し、現在でもなお愛され続けています。2020年に創業100周年を迎え、今後さらに事業を広げていきます。
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<会社概要>
社名:マルマン株式会社
所在地:東京都中野区中央2-36-12
代表:代表取締役社長 井口泰寛
創業:1920年(大正9年)
事業内容:スケッチブック、ノートブック、バインダー、 ルーズリーフ等の製造販売、
画材用品の輸入販売 キャンソン社日本代理店、リラ社日本代理店
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