茨城守谷高校の「SDGs カルタ」が国境を越えて広げる平和の輪
「なかよしカルタ」ケニア、シリア、ルワンダで活用、国連ACUNS学術会議で発表
特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト(千葉県。代表中村雄一)は、全国の学校と共に「なかよしカルタ」を制作し、世界中の平和構築活動に活用しています。2025年9月8日、茨城県立守谷高等学校で行われた探究授業講演会では、生徒が1学期に制作した「SDGsカルタ」がケニア、シリア、ルワンダで平和教育教材として活用された事例を紹介。さらにシリアの学生たちから託された手紙や折り鶴を生徒代表に手渡し、日本と世界をつなぐ学びの意義を共有しました。

1. 「なかよしカルタ」とは
なかよし学園プロジェクトは、国内の小中高校と連携し、生徒たちと共に平和・環境・SDGsをテーマにした「なかよしカルタ」を制作。これらは遊びながら学べる教育ツールとして海外に届けられ、戦争や貧困の影響を受ける地域で平和教育の教材として広く活用されています。


守谷高校の生徒が制作した「SDGsカルタ」もその一つで、ケニア・シリア・ルワンダの教育現場で導入されました。ゲームや読み札を通じて、現地の子どもたちが平和や環境問題について考えるきっかけとなっています。




2. 守谷高校での講演会(9月8日)
9月8日に守谷高校で行われた講演会では、なかよし学園プロジェクト代表の中村雄一が登壇し、守谷高校の生徒たちが制作した「SDGsカルタ」が世界でどのように活用されているかを報告しました。
ケニアでは環境保護や平和を学ぶ授業の教材として取り入れられ、子どもたちがカードを通して持続可能な未来について考える機会となりました。シリアでは、紛争が続く困難な状況の中で交流授業に活用され、生徒同士が平和への願いを共有する場を生み出しました。またルワンダでは、ジェノサイド後の復興教育の現場で活用され、過去の悲劇を乗り越え未来を築く学びの一助となっています。


さらに講演会の場では、シリアの子どもたちから託された手紙や折り鶴が守谷高校の生徒代表に直接手渡されました。その瞬間、生徒たちは自分たちの学びや探究活動が、遠く離れた国々の子どもたちと確かにつながり合い、国際的な平和構築の一端を担っていることを実感しました。

3. 国際発信と評価
守谷高校のSDGsカルタの取り組みは、国連ACUNS学術会議でも事例発表されました。これは、日本の高校生による平和教育の創造的実践が国際社会に認められた証であり、日本発の教育が世界の課題解決に貢献しうることを示しています。さらに、こうした探究型の教育は全国に広がりを見せています。
長崎県の対馬西部中学校では、地域の歴史と平和の願いを題材にした「平和カルタ」を制作し、世界の子どもたちと平和について考える教材として活用しています。愛知県の名古屋市立扇台中学校では「防災カルタ」を開発し、災害の教訓を遊びながら学べる形にし、海外の防災教育にも展開されています。
さらに小学校でも独自の挑戦が進められています。広島県の青河小学校では、児童が試行錯誤して完成させた手作り石けん「AOGA SOAP」を用いてルワンダでの手洗い教育を実施し、子どもたちの健康や衛生習慣づくりに役立てられています。また、鹿児島県の三島竹島学園では、地域の竹を使った「竹のけん玉」を教材化し、シリアやルワンダの子どもたちに日本文化とものづくりの楽しさを届けました。
このように、全国各地の中高生や小学生が地域資源や社会課題をもとに教材や製品を生み出し、それを世界の教育現場に届ける取り組みが、日本発の新しいグローバル教育モデルとして注目を集めています。

4. グローバル人材育成への展開
今回の活動は、単なる国際交流に留まらず、日本の生徒たちが自らの学びを国際社会に活かす経験となりました。カルタづくりや講演会を通じて、生徒たちは「世界の当事者」としての意識を育み、新たなグローバル人材として成長しています。


5. コメント
守谷高校教諭
「生徒たちが作ったカルタが、遠い国の子どもたちの役に立っていると聞いて、生徒たちは大変驚いていました。シリアから届いた手紙を読むことで、平和を願う気持ちは国境を越えて共通なのだと実感しています。県立高校からこうして世界へ発信できるプログラムは本当にありがたいものです。その効果として、夏休みにフィリピンへ留学し現地でボランティアを体験した生徒も現れました。彼は『2学期はこの世界とつながる学びに、ますます力を入れて頑張りたい』と意欲を語っています。このプログラムは、これまでの学校教育では実現が難しかった“グローバルの壁”を生徒たちに越えさせてくれる貴重な機会だと感じています。」
なかよし学園プロジェクト代表 中村雄一
「これまでの各学校での取り組み同様に守谷高校の生徒たちが制作したカルタが、遠い国の子どもたちの助けになっていることを生徒達に伝えた時、彼らの中で何かが変わった気がします。シリアから届いた手紙に込められた想い、『平和を願う心」はどこの国でも変わらない——そんなメッセージを彼らに受け取ってもらえたら幸いです。県立高校から世界へ発信できるこのプログラムは、まさに教育が国境を越えて希望の灯となる瞬間を創り出す、“奇跡の架け橋”です。
講演後、夏休みにフィリピンに留学し、現地でボランティアを実践した生徒が質問にきました。世界を見てきた目は輝きに満ちており、全国どこからでも世界に挑戦できる生徒を育てることがグローバル探究学習の目的だと私たちは考えます。このプログラムは、生徒たちに“グローバルの壁”を越える勇気と機会を与える、これまでの教育では成し得なかった新たな航路なのです。」

今後の展開
守谷高校「SDGsカルタ」の取り組みは、日本の高校生による探究学習が国際的な平和教育へと広がる事例として大きな意義を持っています。今後も、なかよし学園プロジェクトは「なかよしカルタ」をはじめとした教材を全国の学校と共に制作し、日本の生徒と世界の子どもたちを結ぶ学びの架け橋をさらに広げていきます。
現在すでに全国50校以上と連携し、グローバル探究教育を推進しています。また、千葉県佐倉市教育委員会の後援を受け、この取り組みを全国の教育委員会後援事業へと発展させているところです。これにより、日本の生徒たちが地域の学びを国際社会に発信し、世界の子どもたちと共に未来を築くための新しい教育モデルが確立されつつあります。
団体概要
団体名:特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト
代表者:中村 雄一
設立:2019年(活動開始 2007年)
本部所在地:〒270-0021 千葉県松戸市小金原4-14-14
活動内容:
なかよし学園プロジェクトは「チョーク一本で世界を変える」を理念に、教育支援と平和構築を目的とした活動を展開。アフリカやアジアの紛争・貧困地域での教育支援(元子ども兵の更生、難民キャンプでの学校づくり、災害復興教育など)に加え、国内では学校・自治体・企業と連携して探究学習や平和教育を推進。「世界とつながる学びプロジェクト」を通じて、日本の子どもたちと世界の子どもたちを結ぶ取り組みを進めています。
公式サイト:http://www.nakayoshigakuen.net/npo/index.html
本件に関するお問い合わせ先
特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト
広報担当:中村 里英
TEL:047-704-9844
E-mail:nakayoshigakuen.office@gmail.com
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