宇宙バイオ実験サービスを展開する株式会社IDDKがプレシリーズAファーストクローズにて2.4億円の資金調達を実施

シードラウンドからこれまでの累計エクイティ調達額は総額で4.5億円に

株式会社IDDK

2023年12月4日 11時00分

独自技術である半導体センサーベース顕微観察技術MIDを活用した宇宙バイオ実験サービスを展開する株式会社IDDK（代表取締役上野宗一郎、本社：東京都江東区、以下ＩＤＤＫ）は、2023年11月28日までに宇宙フロンティア投資事業有限責任組合（スパークス・イノベーション・フォー・フューチャー株式会社）、Samurai Incubate Fund７号投資事業有限責任組合（株式会社サムライインキュベート）を引受先とした第三者割当増資により、プレシリーズAファーストクローズにて2.4億円(J-KISS型新株予約権の発行を含む)の資金調達を実施いたしました。本調達により累計エクイティ調達額は4.5億円となりました。今回の調達資金を活用し、次世代MIDの開発や体制強化を図る計画です。

資金調達の背景

IDDKは、光学技術と半導体技術の融合により従来の顕微鏡とは全く異なる原理の革新的な顕微観察技術MID（マイクロイメージングデバイス）の開発に成功し、このMIDをコア技術としたオートメーション宇宙バイオ実験装置の開発を進めています。

日本初民間主導の人工衛星を利用した地球低軌道宇宙バイオ実験プラットフォームの構築を目指し、2024年には実証実験、2025年からはサービスを開始し、「いつでも」「どこでも」「だれでも」使える顕微観察技術MIDを微小重力などの特殊環境の「宇宙でも」あらゆる顧客に対してサービス提供します。また、2030年の国際宇宙ステーション（ISS）退役を見据えた商業宇宙ステーションプラットフォームも視野に、宇宙空間におけるバイオ実験を中心に新たな宇宙利用の顧客開拓・市場拡大を目指します。

今後の展開予定

IDDKは宇宙バイオ実験のプラットフォーム企業になることで宇宙利用の民営化を促進し、地上での研究だけでは解決できない人類課題に対してイノベーションを生みだす場を提供します。弊社は今回の資金調達を活用し、次世代MIDの開発や体制強化を図り、事業拡大を加速してまいります。

今回出資を決定していただいたVC担当者からのメッセージ

スパークス・イノベーション・フォー・フューチャー株式会社代表取締役社長見學信一郎

スパークス・イノベーション・フォー・フューチャー株式会社代表取締役社長見學信一郎

「2030年のISS運用終了に向け、商業宇宙ステーションや人工衛星を活用した宇宙空間における微小重力などの実験機会創出を目指す動きが広がっています。そうした動きの中でIDDK社のMID技術は、従来は微小重力環境におけるバイオ実験の活用が難しかった新たな顧客の開拓ができるようになると期待をしています。2020年代後半に向けた宇宙空間における微小重力の実験機会の創出において、IDDK社が本邦ニュースペース産業のフロンティアを切り拓いていただきたいと願っています。」

株式会社サムライインキュベート代表取締役榊原健太郎

株式会社サムライインキュベート代表取締役榊原健太郎

「❝宇宙バイオ実験の民営化により、地上での研究だけでは解決できない人類課題に対してイノベーションを生み出す場を提供すること❞という素晴らしいかつ、重いミッションに対しての他にはない技術的アプローチと、ビジネススキームのシンプルさ、そして上野さん、吉岡さん率いるチームIDDKで、今後の壁になるであろうビジネス上の課題も突破でき、そのミッションを達成しうることを確信しております。弊社として初めての宇宙関連サービスへの投資となりますが、その大きな挑戦に共に挑みたいと考えています。引き続き、よろしくお願い致します。」

株式会社IDDKからのメッセージ

代表取締役CEO 上野宗一郎

IDDK代表取締役CEO 上野宗一郎

「当社は、❝いつでも、どこでも、だれでも、使える顕微観察技術を通し、世界中の人々のより良い未来の一助となる❞という基本理念のもと、ワンチップ顕微観察装置マイクロイメージングデバイス（MID）技術の普及に取り組んでまいりました。その重要な応用先として、宇宙バイオ実験事業を手掛けています。宇宙バイオ実験事業のミッションとして、宇宙バイオ実験の民営化により、地上での研究だけでは解決できない人類課題に対してイノベーションを生みだす場を提供することを目指しています。この度の資金調達は、当社の宇宙バイオ実験事業の発展に向けて組織体制を強化し、世界に先駆けてMID技術を発展させるために行うものです。

空間や重量に大きな制限がある人工衛星の中で顕微観察を伴うバイオ実験を行う上で、当社の独自技術であるMID技術は軽量、コンパクトに顕微観察を行うことができ、極めて高い有用性があります。この技術を世界に先駆けて発展させることで技術的な優位性を維持するとともに宇宙でできる実験を増やすことができます。また、当社が手掛ける宇宙バイオ実験事業では、国際宇宙ステーションのような特殊な施設を使わずに、人工衛星を利用して多くの実験を低コストで実現することを目指しています。この人工衛星による宇宙バイオ実験は、通信やリモートセンシングに次ぐ新たな人工衛星のコンテンツとして宇宙産業の発展に貢献し、宇宙という新たなフィールドでの発見や技術開発を通じて地上の発展に貢献するとともに、人類が宇宙で豊かに生活するための実験や研究を支えるインフラの一部となることを目指しています。

私たちは、国内外のパートナーと共に、日本発の民間主導の宇宙バイオ実験プラットフォームの構築と事業展開を進めていきたいと考えております。」

取締役CFO 吉岡康平

IDDK取締役CFO 吉岡康平

「この度は心強い投資家の皆様に伴走頂けることになり大変光栄です。スタートアップ冬の時代といわれる資金調達環境のなかで、逆境に強い弊社メンバーにも恵まれ、プレシリーズAファーストクローズを実行することができました。海外の宇宙関連カンファレンスのパネルセッション等に登壇するなかで、宇宙でのバイオ実験の需要は欧米中心に確実に高まってきていると実感しております。弊社が宇宙バイオ実験のプラットフォーム企業になり、地上での研究だけでは解決できない人類課題に対してイノベーションを生みだす場を提供していきます。今回の資金調達により、次世代MIDの開発や体制強化を図り、事業展開を加速します。」