【建設業界の働き方改革施行後の実態】2024年問題の認知度は8割以上!残業時間が減少した一方で、残る不満や課題の声は…
建設業界で働きたいと思う会社は「高い給与」「充実した福利厚生」「適切な給与体系」
労働環境の質向上と生産性の向上を目的に、長時間労働の改善やテレワークや育児・介護休業制度といった多様な働き方の推進を促す国の取り組みとして“働き方改革”がありますが、以前の働き方と比較した際に、あなたはどのような変化を感じますか?
一般企業に定められている「時間外労働の上限規制」が、2019年から5年間の猶予を経て2024年4月から建設業にも適用されました。
深刻な人材不足や長時間労働の常態化といった問題が残る中で、時間外労働規則の適用は、建設業界や建設業界で働く方にどのような影響を与えているのでしょうか?
そこで今回、ISO認証取得・運用支援サービス『ISOプロ』(https://activation-service.jp/iso/)を提供するNSSスマートコンサルティング株式会社は、建設業界で働いている方を対象に、「建設業界の働き方改革」に関する実態調査を実施しました。
建設業界で働く方のリアルな声とは?本調査で明らかにしていきます。
<調査概要>
調査概要:「建設業界の働き方改革」に関する実態調査
【調査期間】2024年6月12日(水) ~ 2024年6月13日(木)
【調査方法】リンクアンドパートナーズが提供するPRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
【調査人数】1,018人
【調査対象】調査回答時に建設業界で働いていると回答したモニター
【調査元】NSSスマートコンサルティング株式会社(https://nss-smart-consulting.co.jp/)
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ
建設業2024年問題の認知度は8割以上!働き方改革前後の残業時間は本当に減った?
はじめに、建設業2024年問題についてうかがっていきたいと思います。
「建設業2024年問題をご存じですか?」と質問したところ、8割以上の方が『知っている(85.4%)』と回答しました。
建設業2024年問題とは、「働き方改革関連法」が適用される2024年4月までに建設業界が解決しなければいけない問題のことですが、非常に多くの方が建設業2024年問題について認知していることが分かりました。
2024年4月から、建設業界でも「時間外労働の上限規制」が適用されていますが、2024年3月までの平均残業時間と比べて残業時間にどのような変化があったのでしょうか。
そこで、「働き方改革以前(2024年3月まで)の平均残業時間について教えてください」と質問したところ、『月45時間未満(52.7%)』『月45時間~60時間未満(27.1%)』『月60時間~80時満(13.9%)』『月80時間~100時間未満(3.3%)』『月100時間以上(3.0%)』という回答結果になりました。
半数以上の方が月に「45時間未満」の残業時間、「45時間~80時間未満」という方が4割以上いることが示されました。
では、現在の残業時間はどう変化したのでしょうか?
「現在の(働き方改革以降/2024年4月)平均残業時間について教えてください」と質問したところ、『月45時間未満(65.2%)』『月45時間~60時間未満(22.7%)』『月60時間~80時間未満(8.4%)』『月80時間~100時間未満(2.0%)』『月100時間以上(1.7%)』という回答結果になりました。
2024年3月の平均残業時間と比較すると、「月45時間未満」という方は6割以上と1割増加の変化が見られました。全体的に平均残業時間が短くなっていることから労働時間が改善されていることがうかがえます。
では、働き方改革の「時間外労働の上限規制」によって給与や業務内容にはどのような影響があったのでしょうか。
そこで、「2024年4月の働き方改革による「時間外労働の上限規制」について、当てはまるものをすべて選択してください」と質問したところ、『残業代で稼げなくなった(25.9%)』と回答した方が最も多く、次いで『残業時間は守られているが、厳しい工期案件が多い(25.3%)』『上限内の残業時間になった(23.7%)』と続きました。
「時間外労働の上限規制」によって、残業代で稼げなくなったという方が最多になりました。
また、上限内の残業時間になっただけでなく、残業時間は守られているけれど厳しい工期案件が多くなったという意見も多いようです。
建築業界の働き方改革、不満や課題は多い?
建設業2024年問題の認知度や、「時間外労働の上限規制」によって従業員の働き方に変化が起きていることが明らかになりました。
労働時間が短縮されている一方で、“残業代で稼げない”“厳しい工期案件が多い”といった声もあるようです。
実際のところ、「時間外労働の上限規制」についてどう思っているのでしょうか?
「“時間外労働の上限規制”についてどのように感じますか?※労働基準法に基づき、時間外労働(残業)の上限は原則として45時間/月とされること」と質問したところ、『ありがたいと思う(37.8%)』『やめてほしいと思う(30.7%)』『特に何も思わない(31.5%)』という回答結果になりました。
“時間外労働の上限規制”について、ありがたいと思う方が3割以上いる一方で、やめてほしいと思う方も同様にいることが示されました。
働き方改革に対して感じている不満や課題などはあるのでしょうか?
そこで、「働き方改革に対して感じている不満や課題などがあれば教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『仕事量が減らない(44.4%)』と回答した方が最も多く、次いで『収入の減少(40.5%)』『人手不足の悪化(37.0%)』『工期の厳守が難しい(34.1%)』『工期延長によるコスト増(19.9%)』『業務の分担(17.0%)』と続きました。
働き方改革によって時間外労働が減ったものの、仕事量の多さや収入の減少、人手不足といった不満や課題を感じていることが明らかになりました。
さらに、不満や課題について詳しく聞いてみました。
■働き方改革に対して感じている課題や不満とは?
・サービス残業が増えた(40代/男性/沖縄県)
・負担が大きくなった(50代/男性/埼玉県)
・人手不足の解消をもっと根本的なところから見直してほしい(50代/男性/北海道)
・残業を規制するのであれば業務量なども併せて改革するべき(50代/男性/奈良県)
・業界のやり方を変えないと時間外は減らない(60代/男性/千葉県)
働き方改革において、改善すべきは、時間外労働の上限規制だけでないといった声が多数挙がりました。
従業員が求める理想の労働環境とは?
ここまでの調査で、働き方改革に対する不満や課題などが明らかになりました。
労働時間の改善だけでなく、人手不足の解消や適正な工期設定などの改善も急務なようです。
では、現在勤めている会社ではどのような工事案件が行われているのでしょうか?
そこで、「現在勤めている会社では、民間工事と公共工事どちらの仕事が多いですか?」と質問したところ、『民間工事の方が多い(54.0%)』『公共工事の方が多い(30.4%)』『どちらも同じくらい(12.7%)』『わからない(2.9%)』という回答結果になりました。
公共工事の方が多いという方が3割いますが、半数以上の方は民間工事が多い会社のようです。
では、民間工事と公共工事で異なる部分とは何なのでしょうか?
そこで、「民間工事と公共工事について、当てはまる方を選択してください」と質問したところ、以下のような回答結果になりました。
【民間工事】
・『受注のための交際費がかかる(73.8%)』
・『サービス残業が多い(63.8%)』
・『現金での支払いで資金繰りが良い(50.1%)』
・『工事によっては前受け金がある(47.8%)』
・『利益確保がしやすい(46.0%)』
・『発注量が安定している(40.2%)』
・『書類や管理が多い(34.3%)』
・『金融機関・民間発注者の信頼度が得られる(33.2%)』
・『未払いによる貸し倒れリスクが少ない(28.7%)』
【公共工事】
・『未払いによる貸し倒れリスクが少ない(71.3%)』
・『金融機関・民間発注者の信頼度が得られる(66.8%)』
・『書類や管理が多い(65.7%)』
・『発注量が安定している(59.8%)』
・『利益確保がしやすい(54.0%)』
・『工事によっては前受け金がある(52.2%)』
・『現金での支払いで資金繰りが良い(49.9%)』
・『サービス残業が多い(36.2%)』
・『受注のための交際費がかかる(26.2%)』
民間工事は、受注のための交通費がかかる、サービス残業が多い一方で、未払いによる貸し倒れリスクが公共工事より高いといった特徴があるようです。
一方で、公共工事については、未払いによる貸し倒れのリスクが少ないことや金融機関や民間発注者の信頼が得られること、種類や管理は多いものの発注量が安定しているといった特徴があることが示されました。
それぞれにメリット・デメリットはあるものの、先ほど挙がっていた「仕事量が減らない」「収入の減少」といった課題や不満の解消のためには、公共工事の獲得が急務と言えるでしょう。
最後に、建設業界で働くにあたり、どのような会社であれば働きたいと思うのか聞いてみました。
「建設業界において、どのような会社であれば働きたいと思いますか?(上位3つまで)」と質問したところ、『給与が高い(60.6%)』と回答した方が最も多く、次いで『福利厚生が充実している(36.7%)』『適切な給与体系がある(30.6%)』と続きました。
6割以上の方が給与を重視していることが分かりました。
時間外労働の上限規制など、「残業時間で稼げない」といった声も挙がっているため、重視する方は今後も増えることが予想されます。
また、福利厚生が充実していることや、適切な給与体系があるといったことも、重要なポイントであることが判明しました。
【まとめ】働き方改革によって収入は減るのに業務量は増えている方も!経営者ができることは
今回の調査結果で、建設業界の働き方改革の実態が明らかになりました。
2024年3月までは、「月45時間~60時間未満」の残業をしていた方が約27%という結果だったものの、4月以降は5%減するなど、改革によって現場に変化は起きているようです。
しかしながら、時間外労働の上限規制によって「残業代で稼げなくなった」「厳しい工期案件が多い」といった従業員からの不満の声も挙がっています。
さらには、働き方改革について、仕事量の増加や収入の減少、人手不足の悪化といった不満や課題を感じていることも示されました。
今回ご回答いただいた方のメイン工事としては、半数以上が民間工事という結果になりました。
また、建設業界で働くにあたっては、給与が高いことや福利厚生が充実している、適切な給与体系がある会社であれば働きたいと思う方が多いようです。
民間工事、公共工事それぞれに特徴はあるものの、公共工事であれば、工期に余裕があり、しっかりと利益確保できることも多いため、給与の確保や従業員が感じる課題や不満の解消に一歩近づくことができるのではないでしょうか。
しかし、公共事業に参加するには経営事項審査や建設業許可などが必要です。
まずは建設業許可を取得し、入札条件や経審の加点にもなるISO9001やISO14001の取得を行うことで、公共事業を入札できる可能性も高められるでしょう。
今後、事業を継続するには人材の確保だけでなく案件の獲得も急務となるため、ISO認証の取得はひとつの手かもしれません。
ISO・HACCPの新規取得・運用サポートなら『ISOプロ』
今回、「建設業界の働き方改革」に関する実態調査を実施したNSSスマートコンサルティング株式会社では、ISO・HACCPの新規取得・運用サポートサイト『ISOプロ』(https://activation-service.jp/iso/)を運営しています。
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ISOプロについて:https://activation-service.jp/iso/philosophy
お問い合わせフォーム:https://activation-service.jp/iso/lp/form-collabo-entry/
【会社概要】
会社名:NSSスマートコンサルティング株式会社
所在地:東京都新宿区西新宿6-8-1 住友不動産新宿オークタワー21階
代表者:安藤栄祐
URL:https://nss-smart-consulting.co.jp/
事業内容:ISOコンサルティング事業、労務コンサルティング事業、オフィスサポート事業
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