SVP東京、2025年度投資・協働先ソーシャルベンチャー6団体を決定
様々な社会課題解決に挑む6団体と、最大2年間の協働プログラムがスタート
社会起業家への投資と協働を通じ、社会的インパクト創出を推進する「特定非営利活動法人ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京」(所在地:東京都港区、共同代表:神代伸一/瀬川将之/桐ヶ谷昌康/戸田有美/ウォング・レイモンド、以下「SVP東京」)は、第21期目となる2025年度の投資・協働先として6団体を選定したことを発表します。また、この6団体には2025年10月1日から最大2年間に渡り、各年100万円の資金提供とSVP東京メンバーによる経営支援を含めた協働プログラムを実施します。

2025年度(第21期)投資・協働団体

◾️ウィーログ

車いすでもあきらめない世界をつくる
ウィーログは、「車いすでもあきらめない世界」を目指し、車いすユーザーの不安や制約を解消する活動を行っています。中心となるのが、ユーザー投稿型バリアフリーマップアプリ「WheeLog!」。段差やトイレ利用可否など外出に欠かせない情報を共有でき、10言語対応で国内外で活用されています。自治体のオープンデータとも連携し、地域に根ざした情報整備を進めています。また、全国で「車いす街歩き」を開催し、多様な人が車いすを体験する機会を提供。当事者視点による評価指標の開発や政策提言にも取り組み、物理的環境と制度の両面から社会変革を推進しています。こうした活動はジャパンSDGsアワードやドバイ万博で評価され、行政・企業・市民と連携しながら、誰もが安心して暮らせる地域共生社会の実現を目指しています。
◾️クリーンオーシャンアンサンブル

海洋ごみ問題を「上流」から変える。独自技術の回収装置の全国展開へ
クリーンオーシャンアンサンブルは、海洋ごみ問題の解決を目指し、革新的な技術開発と持続可能な仕組みづくりに取り組む団体です。特に注力しているのが、河川から海に流出している「海洋ごみ」の課題です。クリアンは「海に出る前に川で止める」をコンセプトに、定置型回収装置「kawasemi」シリーズを開発。2025年8月には香川県高松市で改良型を用いた実証実験を行い、5日間で22.1kgを回収しました。装置は流れを活用するパッシブ型で、少人数・低コストで設置可能です。センサーで得た環境データを分析し、効果的な運用方法を検証。他地域での展開も目指しつつ、回収ごみの再資源化にも取り組み、循環型社会の実現に挑戦しています。
団体名:特定非営利活動法人クリーンオーシャンアンサンブル
所在地:香川県小豆郡小豆島町坂手甲986番地
代表者:江川 裕基、田中 秀典
◾️Silent Voice

耳の聞こえない人々が、自分らしい人生を歩める社会を目指して
聴覚障害のある子どもは約1,000人に1人。9割は聞こえる親のもとで育ち、家庭内で孤立を抱えやすく、支援学校も地域が限られているためアクセス困難な子も少なくありません。サイレントボイスは、放課後等デイサービス制度を活用し「デフアカデミー」を開校しましたが、対面支援のみが制度対象で都市部以外では継続が難しい課題がありました。そこでコロナ禍を機に、地域を超えて支援できるオンライン型「サークルオー」を開始。今後はオンラインと対面を組み合わせ、家庭の負担を減らし、全国どこでも子どもが自分に合ったコミュニケーションで学べる環境づくりを進めていきます。
◾️Child Play Lab.

こどもたちが、病気という経験を力に変え、自分らしく生きていける世界をつくる
Child Play Lab.は、病気や療養環境にかかわらず子どもが自分の可能性を信じ「自分らしく」生きられる社会をめざしています。病の経験をどう意味づけ、力に変えていくかに焦点をあて、治療と生活をつなぐ環境づくりに取り組んでいます。主力事業「アドベンチャーASSIST」では、看護師やHPS/CLSらが伴走バディとして1対1で寄り添い、オンラインや訪問を通じて子どもと「今日やりたいこと」を共に楽しみます。活動の原点は入院中にあそびを届ける「アドベンチャーBOX」で、子どもの声を受けて伴走型プログラムへ発展しました。現在は小児脳幹部グリオーマの子どもを中心に活動し、2026年から対象拡大、2030年度には全国の子ども病院と連携し標準モデル化をめざしています。
◾️トイミッケ

SOSに「いつでも・どこでも」応えられる世界を、だれもが共につくる社会へ
トイミッケは、市民の力とICTを活用し、緊急支援ネットワーク「せかいビバーク」を運営しています。スマートフォンの普及により、日雇いやネットカフェでの生活といった新たなホームレス状態が増え、姿が見えにくい「不安定居住・不安定就労層」が孤立を深めています。特に深刻なのは「26〜39歳の後期若者層」と「41〜50歳の氷河期世代」。経済困窮は自死や拡大自殺のリスクを高め、社会全体の安全にも直結する重大な課題です。危機的状況にある人へのアウトリーチを重視し、「せかいビバーク」を社会インフラとして根付かせ、誰もが安心してやり直せるセーフティネットを築くことを使命としています。
◾️日本カーシェアリング協会

寄付車でつなぐやさしい未来 ”誰かの1台が、誰かの暮らしを支える”仕組みをつくる
日本カーシェアリング協会は「寄付車」を活用した新しい支え合いの仕組みを全国に広げることを目指しています。きっかけは東日本大震災。被災地で車を失った人々に全国から寄せられた車を届け、シェアする仕組みを立ち上げたことで、人と人がつながり、暮らしが前に進む瞬間を見てきました。車の不足は被災地だけでなく、全国で移動に困る人々にも共通する課題です。そこで、地域で車をシェアする「コミュニティ・カーシェアリング」、生活困窮者やNPOを支える「ソーシャル・カーサポート」、災害時に無償で車を貸し出す「モビリティ・レジリエンス」の3つを展開しています。車は移動手段であると同時に、人と人をつなぎ安心を届ける存在。石巻から始まった寄付車の活動を通じ、「お互いさま」の思いが広がる社会を目指しています。
SVP東京について
SVP東京は、2003年の創設以来、社会課題の解決に挑む革新的な事業を支援してきました。毎年、多くの応募団体の中から選考を経て3〜6団体を採択し、年間最大100万円の資金提供とともに、1〜2年間にわたる経営支援を行っています。経営支援を担うのは、経営コンサルティング、新規事業開発、マーケティング、IT、組織開発、PRなど多彩なスキルを持つ約100名の「パートナー」です。多くのパートナーは本業を持ちながら、平日の業務後や週末を活用してソーシャルベンチャーと協働し、事業運営に深く関わりながら「社会により大きなインパクトを生み出すには何が必要か」を議論し続けています。SVP東京は、社会課題が生まれる背景や構造を見極め、システム全体をより良い循環へと変えていくことを目指しており、その指針となるのが「Theory of Change(セオリー・オブ・チェンジ)」です。パートナーはこの考え方のもと、団体とともに本質的な変化を追求しながら、自らも成長し、共感する社会的インパクトの実現に向けて伴走しています。
▼SVP東京による主な協働サポート内容(例)
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最大2年間、数名のパートナーがチームとなり団体と協働
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各年100万円の資金提供
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具体的な伴走内容:定期的なミーティング実施、事業計画・戦略策定、組織開発・組織設計、人事(採用・育成等)、マーケティング・PR、ファンドレイジング
▼公式SNS
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Facebook:https://www.facebook.com/svptokyo
■団体概要
名称:特定非営利活動法人ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京(SVP東京)
共同代表:神代伸一/瀬川将之/桐ヶ谷昌康/戸田有美/ウォング・レイモンド
設立年:2003年
住所:〒108-0023 東京都港区芝浦3-15-4
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