3Dマッピング技術「Nソナー」、第7回インフラメンテナンス大賞を受賞

魚群探知機を使って水底地形を把握 ~ダムや河川現場への応用~

中央開発株式会社

 中央開発株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:田中誠)は、2024年1月24日に、第7回インフラメンテナンス大賞 優秀賞を受賞したことを発表しました。受賞技術は、「遊漁用魚群探知機を用いた3Dマッピング技術の​ダム堆砂状況調査への適用​」。

 魚群探知機をダム現場に応用し、マルチビーム測量成果に準じた精度での水底地形の把握を安価に実現したもので、機動的な貯水池内堆砂特性の把握と土砂管理コストの縮減に貢献していること、既存技術の活用で汎用性が高く、業務効率を高める技術であることが評価されました。

Nソナーを用いたダム水底地形の可視化。濃い青色で表現される部分ほど水深が深いことが分かる。
写真中央:選考委員会委員長 家田仁教授(政策研究大学院大学) / 写真右:中央開発(株) 長田実也 / 写真左: 瀬古亮介

インフラメンテナンス大賞とは?

 第7回インフラメンテナンス大賞は、国土交通省ら8省庁※が協働し主催されました。

 日本国内における社会資本のメンテナンスに係る優れた取組や技術開発を表彰し、好事例として広く紹介することにより、国内のインフラメンテナンスに関わる事業者、団体、研究者等の取組を促進し、メンテナンス産業の活性化を図るとともに、インフラメンテナンスの理念の普及を図ることを目的として実施されました。

  ※主催者: 国土交通省、総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、環境省、防衛省

受賞技術「Nソナー」について

 ダムの堆砂状況の把握は管理上の最重要課題の一つです。その調査手法として採用されている音響測深法は、従来からのシングルビームによる方法に代えて、マルチビーム等による面的測量が可能な手法の採用が望ましいとされていますが、高価で高度な解析が必要なことから、広く実施されているわけではありませんでした。

 本手法は、レジャーフィッシング分野で普及が進んでいる魚群探知機をダム現場に応用し、マルチビーム測量成果に準じた精度での水底地形の把握を安価に実現したもので、機動的な貯水池内堆砂特性の把握と土砂管理コストの縮減に寄与したものです。​

Nソナーの河川分野への適応事例。橋脚の洗掘状況が可視化されている。

「Nソナー」の受賞歴

受賞タイトル(受賞年)

登録名

第7回インフラメンテナンス大賞 優秀賞(2024)

遊漁用魚群探知機を用いた3Dマッピング技術の​

ダム堆砂状況調査への適用​

国土交通省関東地方整備局 普及促進技術 認定(2022)

魚群探知機を用いたダム貯水池3Dマッピング

国土交通省NETIS(新技術情報提供システム)(2022)

魚群探知機を用いたダム貯水池3Dマッピング技術「Nソナー」

第72回農業農村工学会関東支部大会講演会 優秀賞(2022)

魚群探知機を用いた水底地形調査によるため池現況貯水量の算定

第75回農業農村工学会中国四国支部講演会 優秀賞(2021)

魚群探知機を使ったダム貯水池水底地形調査

”ソナーマッピング”の信頼性

第71回農業農村工学会関東支部大会講演会 優秀賞(2021)

魚群探知機を用いるソナーマッピング手法のダム堆砂状況調査としての精度

第77回農業農村工学会京都支部研究発表会 優秀賞(2021) 

魚群探知機によるダム・ため池堆砂状況・貯水量調査~ソナーマッピング~

第70回農業農村工学会関東支部大会講演会 優秀賞(2020)

「水中ソナーマッピング」~魚群探知機のダム堆砂状況調査への適用~

第74回農業農村工学会中国四国支部講演会 優秀賞(2020)

魚群探知機を使った水中超音波調査による
ダム・ため池の管理

※2024年2月1日時点

取組のポイント

 この計測手法では、広く流通している遊漁用魚群探知機を用いることにより、安価に測深データを測位記録と合わせて効率的に収集し、特殊な機材、熟練の操作・解析を使うことなく、短時間で簡単にダム貯水池水底全域について、シングルビーム測深と同等以下のコストで、マルチビーム測深に匹敵する精度で地形情報・地形図を得ることができます。

さらに、水中の超音波反射映像が取得できることで、貯水池内が可視化され、水底地形の変化や、流入土砂の性状や堆積状況、取水施設現況等をリアルタイムで把握することができます。​

取水施設を横断方向から見た断面図。

Nソナーについて、より詳しくご覧になりたい方は「詳細を見る」をクリック下さい!

中央開発(株)事業本部理事 長田実也

責任者よりひとこと

 本手法は、ダム貯水池の土砂管理現場の課題に対するひとつの提案として整備してきたものです。この受賞を契機に、より確からしく、効率的な管理の実践に貢献できるよう、いっそう努めてまいりたいと意を新たにしております。

外部リンク

国土交通省インフラメンテナンス情報「インフラメンテナンス大賞」

https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/maintenance/03activity/03_award.html

国土交通省NETIS新技術情報提供システム

https://www.netis.mlit.go.jp/netis/pubsearch/details?regNo=QS-220006%20

公益社団法人農業農村工学会

https://www.jsidre.or.jp/

中央開発株式会社について

 中央開発(株)は1946(昭和21)年、日本初の地盤コンサルティングカンパニーとして、戦後復興を目的にスタートした会社です。以来、国内における標準貫入試験の実用化を行うなど、地質調査業界のパイオニアとして、国内外のインフラ整備に関わるビッグプロジェクトに携わりながら、土木設計、情報解析、IoT機器を用いた防災コンサルティングなど建設コンサルタントへ事業領域を拡大して参りました。
 
  近年では”地質DX”と銘打ったデジタルトランスフォーメーションを推進しています。点群データ活用やSfM処理技術、保有するボーリングデータを活用したAI分野での研究開発に取り組み、建設コンサルタント業界における新たな価値の創造に努めています。

土と水ホールディングスグループについて

 土と水ホールディングスグループは、大地に残る仕事、人々の心に残る仕事、そして、豊かな未来へつないでいく仕事に実践的に関わっています。

 私たち土と水ホールディングスグループがテーマにしている「土と水」はわかっているようで、まだまだわからない未知の部分が多く残っています。大地の造山活動によって地域毎にも異なっており、その時々によっても千差万別の条件や環境になり、画一的にこうとは決められない性格のものです。
 私たちは自然の現場を重視し、実務経験に基づいて、時には新たに必要な技術を開発し、正確な調査に基づいて的確な判断を導くように努めてまいります。

【土と水ホールディングスグループ構成企業】

 中央開発グループ

 ・中央開発(株)

 ・(株)ホクスイ設計コンサル

 ・新和ボーリング工業(株)

 ・(株)地域環境研究所

 ・日本計測調査(株)

 ・成都東中防災減災環境技術有限公司

 日建商事グループ

 ・日建商事(株)

 ・西部ポンプ機工(株)

 ・ワインきのこ(株)

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会社概要

中央開発株式会社

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URL
https://www.ckcnet.co.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都新宿区西早稲田3-13-5 中央開発ビル
電話番号
03-3208-3111
代表者名
田中 誠
上場
未上場
資本金
1億円
設立
1946年03月