日鉄物産システム建築「建設業界における2025年問題の影響に関する調査」を実施。全体の95%が「現場の高齢化に危機感」現場のノウハウ継承が進まず、若手人材の確保・育成に苦戦している状況が明らかに
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システム建築の専業メーカーである日鉄物産システム建築株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:生井 敏夫)は、日本全国のゼネコンを中心に構成されている会員組織「日鉄物産システム建築会(約1,500社)」と積極的に連携強化を図っています。この度、全国の会員793名を対象に「建設業界における2025年問題の影響に関する調査」を実施しました。調査の結果、95%が「現場の高齢化に危機感」を感じており、引退目前のベテラン技術者からのノウハウ継承が進まず、若手人材の確保・育成に苦労している状況が明らかになりました。
【調査サマリー】
・95%が「現場の高齢化に危機感を感じている」
・81%が「現場のノウハウ継承(世代交代)ができていない」
・若手人材の採用、半数以上が「目標に届かず」
・若手人材確保のために、半数以上が「勤務時間・休日数」と「給与体系」を見直し
・半数以上が「システム建築が、現場の高齢化と若手の育成に役立つ」と回答
【調査の背景】
「2025年問題」とは、団塊の世代(1947~1949年生まれ)が全員75歳以上の後期高齢者になり、労働人口が大幅に減少することで生じる深刻な社会的課題の総称です。建設業全体の就業者数は、ピーク時の1997年の685万人から、2024年には約459万人にまで減少(※)しており、深刻な人手不足が続いています。また、建設業は他の産業と比べて高齢化が顕著であり、今後ベテラン技術者の大量退職が見込まれることから、早急な対応が急務となっています。今回は、建設業の未来を左右する大きな課題である「2025年問題」にフォーカスを当て、各社の対応状況に関する調査を実施しました。
(※)総務省統計局「労働力調査結果」2024年11月分
【調査の結果】
◾️95%が「現場の高齢化に危機感を感じている」
大多数を占める95%が「危機感を感じる」と回答しており、現場の高齢化が建設業界の大きな共通課題であることが分かります。直近30年で社内の平均年齢が10歳上がったことで実感したというコメントもあり、少数ですが「感じていない」と回答した中には、現時点で実感としてはないが、明日は我が身であるという不安な声も上がっていました。
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◾️ 81%が「現場のノウハウ継承(世代交代)ができていない」
さらに踏み込んで、各社が感じる「現場の高齢化における課題」について具体的に聞いたところ、8割以上が「現場のノウハウ継承(世代交代)ができない」を選択しました。これまで第一線で活躍してきたベテラン技術者の大量退職が迫っているが、若手人材が業界全体で不足しているため、現場で長年培われた技術力や専門知識の継承が困難になっており、大きな損失を招いています。建設現場では今もアナログ業務が多く存在しているため、各社がデジタル化による効率的な業務改革を今まさに進めている状況です。
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◾️若手人材の採用、半数以上が「目標に届かず」
若手人材の採用状況について聞いたところ、半数以上が「目標に届いていない」と回答しました。建設業全体の就業者数が減少しているにもかかわらず、建設需要は高まっているというミスマッチが起こっており、人材不足で対応ができず受注を制限する企業があるほど、人手不足は深刻化しています。また「できているが未経験者がほとんど」と答えた企業も、採用ができても教育体制の整備が追いつかず、育成の負担が大きいという声もあり、定着率を上げることの難しさに直面しているという声も散見されました。
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◾️若手人材確保のために、半数以上が「勤務時間・休日数」と「給与体系」を見直し
建設業は昔から3Kという言葉で悪いイメージが定着していましたが、中長期的な建設業の担い手を確保するため、現在は業界全体で働きやすい職場環境づくりを急ピッチで進めています。2024年4月から始まった労働時間の上限規制で「勤務時間・休日数」の改善が最優先で進んでおり、次いで「給与体系」を更新することで、人材の採用と定着率を上げる取り組みを進めていることがわかります。
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◾️半数以上が「システム建築が、現場の高齢化と若手の育成に役立つ」と回答
「システム建築」は、設計から施工までをシステム化し、建築部材を規格化することで、合理的かつ経済的な設計を行う工法です。工場での製作比率を高めることで、現場施工の省力化を実現し、現場の高齢化による人員不足を補う手段の一つとしても高く評価されています。また、部材の寸法や形状、配置などのルールがあらかじめ決まっているため、経験の浅い若手にも現場を任せやすいことも導入のメリットであるという声が寄せられました。
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日鉄物産システム建築 営業管理センター長 廣本英雄よりコメント
団塊世代の大量退職により、業界全体が深刻な人手不足に陥る「2025年問題」は、需要の高まりと人材確保の遅れという構造的な問題が背景にあります。今回の調査では、9割以上が現場の高齢化を肌で実感し、多くの企業で現場の世代交代に困難があることがわかりました。しかし、若手人材の確保に成功している企業は少なく、環境整備を急ピッチで進めたとしても、この状況は今後も長く続くと予想されます。現場の人手不足は、人件費の高騰や工期の遅れと密接に結びついています。これらの課題を乗り越えるには、労働環境の整備だけでなく、業務プロセス全体の見直しや新しい技術の活用を含む抜本的な対策が不可欠です。当社は、こうした業界の変化を見越して「システム建築」分野の商品開発を40年以上行っており、設計、部材製作、施工を一貫してシステム化することで、現場作業の省力化を実現し、効率的かつ柔軟な対応が可能な工法を提供しています。システム建築は、高度な技術や建築経験が少ない職人でも施工が可能なため、人手不足という課題解決の一助となる工法の一つとして、多くの引き合いをいただいています。私たちは、これからもお客様を支援し、建設業界の持続的な発展と課題解決に貢献するため、さらなる革新に取り組んでまいります。
【調査概要】
調査対象:「日鉄物産システム建築会」会員企業793名
(ゼネコン、設計事務所、商社などの建設関連会社)
調査方法:アンケート調査
調査期間:2024年10月22日~2024年12月5日
調査企画:日鉄物産システム建築株式会社
日鉄物産システム建築について
当社は、旧住友金属工業(現日本製鉄)時代から半世紀以上にわたり多くのプロジェクトに高品質なシステム建築製品を提供してきました。特に独自に開発した基礎システムは、バリエーション・対応範囲が広く、様々な地盤条件や建屋形状に対応が可能です。また、部材のプレファブリケーション化によって、コストダウンと工期短縮を実現するとともに、日鉄物産グループとして、高品質な鋼材の安定した調達も強みとしています。当社は年間で200棟以上の採用実績を誇る、国内でもトップクラスのシステム建築専業メーカーです。豊富な商品ラインナップと独自の基礎システムで、建築主様の多様なニーズに応えると共に、「人手不足」「現場の高齢化」「過重労働」「資材高騰」などの建設業界の抱える課題の解決を担っていきます。
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【会社概要】
社名:日鉄物産システム建築株式会社
本社:東京都港区東新橋1丁目9番2号(汐留住友ビル)
代表取締役:生井 敏夫
設立:2007年10月1日
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