海上ボーリングに関する特許を取得。洋上風力発電設備の地質調査への展開に期待。
~特許第7434058号 ガイドパイプ支持装置~
中央開発株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:田中誠)は、昭和55年以降、独自技術として海上調査で活用している傾動自在型試錐工法で用いるガイドパイプの安定性向上のために開発した「フレキシブル底板」で特許を取得したことを発表しました。
「傾動自在型試錐工法」は、概ね50mまでの水深において安定的、かつ高品質な試料採取を可能とする独自のボーリング技術です。ボーリング孔の保護管(ガイドパイプ)との接続部に柔軟に角度を変えられるフレキシブル底板を導入したことにより、10°程度までの傾斜した海底地盤であっても安定して掘削をすることができるようになりました。
傾動自在型試錐工法について
「傾動自在型試錐工法」は平成5年に特許(特許第3378963号)を取得した海上ボーリング工法で、特徴は以下です。
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大型SEP船などに代表される他の工法と比較し、荒天時に短時間で避難でき、作業の再開がスムーズである。
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既往工法と比較し、大深度に対応でき、費用も比較的抑えることができる。
これまでに埋立事業、横断道路事業、防波堤建設事業、エネルギー事業など各種構造物の基礎地盤調査や海域の活断層調査など、多くの施工実績があります。
フレキシブル底板について
今回特許を取得したフレキシブル底板は海底に設置される底板とガイドパイプとの間を特殊なジョイント器具で接続することで、従来アンカーとガイドパイプ自体の保持力で維持していた安定性に加え、底板とガイドパイプ自体が器具によって連結されることで従来に加えて安定性がさらに増すものとなっております。さらに海底面が傾斜していても設置可能です(最大10°程度)。中央開発ではこれからも日々の業務の中から新しい発見を通じ、技術を用いて業界の発展、調査技術の進展に寄与していきたいと考えております。
担当者コメント
本工法は、大水深で数少ないボーリング工法です。従来であれば、海底の傾斜により対応できなかった場合、調査不能となり調査データを得ることができなかったケースでも今回の改良で対応できる範囲が広がりました。今後も洋上風力を始めとする、大水深部のインフラ整備へ貢献できる様、当工法の性能を向上させていきたいと考えております。
(九州支社 技術部次長:池田)
中央開発について
中央開発(株)は1946(昭和21)年、日本初の地盤コンサルティングカンパニーとして、戦後復興を目的にスタートした会社です。以来、国内における標準貫入試験の実用化を行うなど、地質調査業界のパイオニアとして、国内外のインフラ整備に関わるビッグプロジェクトに携わりながら、土木設計、情報解析、IoT機器を用いた防災コンサルティングなど建設コンサルタントへ事業領域を拡大して参りました。
近年では”地質DX”と銘打ったデジタルトランスフォーメーションを推進しています。点群データ活用やSfM処理技術、保有するボーリングデータを活用したAI分野での研究開発に取り組み、建設コンサルタント業界における新たな価値の創造に努めています。
詳しくは、中央開発(株)のWEBサイトをご覧ください。
土と水ホールディングスグループについて
土と水ホールディングスグループは、大地に残る仕事、人々の心に残る仕事、そして、豊かな未来へつないでいく仕事に実践的に関わっています。
私たち土と水ホールディングスグループがテーマにしている「土と水」はわかっているようで、まだまだわからない未知の部分が多く残っています。大地の造山活動によって地域毎にも異なっており、その時々によっても千差万別の条件や環境になり、画一的にこうとは決められない性格のものです。
私たちは自然の現場を重視し、実務経験に基づいて、時には新たに必要な技術を開発し、正確な調査に基づいて的確な判断を導くように努めてまいります。
【土と水ホールディングスグループ構成企業】
中央開発グループ
・中央開発(株)
・(株)ホクスイ設計コンサル
・新和ボーリング工業(株)
・(株)地域環境研究所
・日本計測調査(株)
・成都東中防災減災環境技術有限公司
日建商事グループ
・日建商事(株)
・西部ポンプ機工(株)
・ワインきのこ(株)
【本件に関するお問合せ先】
中央開発株式会社 経営企画センター プレスリリース担当
03-6228-0861
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