Godot、世界初のAI駆動型「スラッジ監査」を提供開始
〜自社開発の特許技術を活用し、行動科学に基づく組織やサービスの健康診断を開始します。〜
株式会社Godot(ゴドー/兵庫県神戸市、代表取締役 森山健)は、自社開発の特許技術を活用し、行政や民間企業に向けたスラッジ監査(サービスの健康診断)を開始します。
スラッジ監査は、Webサイトや申請フォーム等において、利用者の意思決定や行動変容を妨げているポイントや要因(スラッジ)を行動科学の視点で可視化し、改善していく取組です。この手法は、OECDが世界14か国で実証実験を行うなど、生活者中心の社会を構築していくことを可能にするものとして世界的に注目されています。Godotは、スラッジ監査のプロセスに、独自開発したAIツール「CogPot」※1や「行動科学レンズ」※2 等を活用し、科学的な根拠に基づく体系的で客観的なサービス改善を実現していきます。
スラッジ監査の商業提供は日本初です。また、AIを活用したスラッジ監査は世界で初めてになります。
【開発の背景】
Godotは2022年7月の設立以来、AIと行動科学に基づく人間中心設計の個別最適化に取り組み、独自の超個別化エンジン「ナッジAI」を活用して、がん検診や特定健診の受診率を向上させるなど、数多くの実績を残してきました。
その過程で、個人と社会の双方に望ましい意思決定や行動を実現するには、ナッジを活用して行動変容を促すだけではなく、行動を阻害する要因、すなわちスラッジ(Sludge)を取り除くことが非常に重要であると認識するに至りました。
【スラッジ監査の流れとGodotの AI技術】
スラッジ監査は、行政機関や企業が提供するサービスに存在しているスラッジを把握し、改善を図る一連の取組を指します。
Godotは、この分野で先駆的な取組を行っているオーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ州や、スラッジ監査の提唱者であるキャス・R・サンスティーン教授(ハーバード大学)が提唱する概念や手法に依拠しながら、独自のAI技術を活用することで、科学的根拠に基づく客観的な診断と改善をスピーディに実現していきます。
【注目が集まる「スラッジ解消」】
キャス・R・サンスティーン教授は、スラッジを「時間/金銭的コストの掛かる過剰で不当な(行動を起こす上での)摩擦」と捉え、人からサービスや機会、商品へのアクセスを奪いかねない有害なものと説明しています。
近年、日本では行動変容における「ナッジ活用」に期待が高まっていますが、世界的には「スラッジ解消」を始めとする行動インサイトの幅広い活用に注目が集まっています。現在、各国がスラッジ削減に乗り出しており、アメリカでは、ホワイトハウスの情報・規制問題室(OIRA)が書類作成負担削減法に基づいて、連邦政府機関に自らが課している書類作成負担の検証を求めています。これにより、2023年には20機関が100を超える負担軽減の取組を実施しています。また、イギリスでは、「イギリス国民は年間で150億時間を行政手続きに費やしており、約38兆円 (2,000億ポンド)の隠れたコストが費やされている」と行動インサイトチーム(BIT)が試算しており、スラッジの削減により国民に時間を返す取組の必要性が高まっています。こうした取組は、ユーザー目線に立ったサービスを提供しようとする民間企業にも広まり始めています。
スラッジの例:
✓ 必要な情報が見つけにくいウェブサイト
✓ 次に何をすれば良いか分かりにくい案内
✓ 複雑で長い申請フォーム
✓ 不透明なプロセス
など
【担当者 高木佑介(Godot)のコメント】
欧米では、行政サービスのスムーズさを測る指標として、「時間税(Time tax)」という概念が広がりつつあります。上記の通り、イギリスでは年間で150億時間が行政手続きに費やされ、労働者の時給に換算すると約38兆円にのぼります。本来、余暇や子育て、仕事など、他のことに使えるはずだった時間がスラッジによって奪われている現状があります。また、このスラッジは、忙しさやストレス、金銭面や健康面の問題等を抱えていて認知力が欠乏している状況の人により大きな影響を与えると言われており、公平性や人権の観点からも対処が必要な課題です。
加えて、スラッジにより問い合わせ対応に追われる、顧客の信頼を失うなど、サービス提供者側にも負の影響が大きく、結果として従業員のモチベーションを下げる要因にもなります。
こうしたスラッジの弊害を打破すべく、国際的に認められている手法に自社のAI技術を組み合わせたものが、Godotのスラッジ監査です。行動科学の理論を基盤としたAI技術を活用することにより、これまで世界各国で行われてきたスラッジ監査に比べ、より客観的な監査をスピーディに進めることができると確信しています。
また、スラッジ監査を通じ、既存のサービスを行動科学のレンズを通して見つめ直すことで、より生活者の視点で社会を構築していくマインドセットが広がっていくことを期待しています。
<略歴>
神奈川県出身。環境政策分野の研究機関等を経て、2013年に横浜市入庁。2019年からは、日本の自治体初のナッジユニットである横浜市行動デザインチーム(YBiT)で活動。副代表を務め、自治体職員向けのナッジ研修や、シンガポール政府や国連イノベーションネットワーク、WHO、世界銀行、OECD等の国際機関との連携を担当。2023年からOECDとニュー・サウス・ウェールズ州政府共催のInternational Sludge Academyに参加。2024年4月から現職。英国ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス大学院修了。
【今後について】
第一号案件として、沖縄県の自治体でスラッジ監査を近日中に開始する予定です。
Godotが目指すのは、部分的な行動変容ではなく、人の意思決定や行動に関わる課題への包括的なソリューションの提供です。世界の行動科学研究をリードする研究者と連携し、その知見を活かしながら、社会課題を適切に捉え、本質的な課題解決に挑みます。それにより、一人ひとりの進化と組織の進化、そして社会の進化に貢献していきます。
Godotでは、スラッジ監査を始め、行動科学の知見を活かした社会課題の解決に関心のある行政機関、民間企業の皆さまからのご相談をお待ちしています。
※1 2023年6月29日 PR TIMES 『Godot、行動変容シミュレータ「CogPot」のβ版を開発
※2 「行動科学レンズ」は、国際的な行動変容手法の分類に基づいて、現在の事業やサービスが活用している手法を可視化するツールです。例えば、サービス提供者がユーザーに送っているハガキやチャットの内容を行動科学レンズに入力すると、93種類の行動変容手法のうち、どの手法が使われ、また使われていないかを可視化することができます。
会社紹介
社名 株式会社Godot
設立 2022年7月1日
本社 兵庫県神戸市中央区浪花町56
起業プラザひょうご内
代表者 代表取締役 森山健
ホームページ https://godot.inc
<受賞・認定等>
2022年7月 「かんぽ生命 – アフラックAcceleration Program」で両社から採択
2022年9月 マイクロソフト社の「Microsoft for Startups Founders Hub」に選出
2022年10月 オーストリア政府事業「GO AUSTRIA Fall 2022」に選出
2022年10月 兵庫県・神戸市の「スタートアップ補助制度」対象に認定
2022年12月 中小機構主催の第22回 Japan Venture Awardsで「SDGs特別賞」受賞
2023年5月 オーストリア共和国ウィーンに研究開発拠点Godot GmbHを設⽴
2023年6月 プレシリーズAラウンドで総額4.5億円の資金調達
2023年6月 行動変容シミュレータ「CogPot」のβ版を公開
2023年7月 アフラック、ハッチヘルスケアと業務提携(がん予防推進)
2023年9月 経済産業省「J-Startup KANSAI」に選定
【本件に関するお問合せ先】
株式会社Godot
担当者:木島
連絡先:kohei.kijima@godot.inc
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