紅麹コレステヘルプの実製品株BP-412は共培養試験で使われなかった――行政が認識可能な状況にあった工業用変異株の問題――

国立医薬品食品衛生研究所(NIHS)発表の吉成文献(Yoshinari et al. 2025)に対する疑義申立

株式会社薫製倶楽部

小林製薬紅麹事件

紅麹コレステヘルプの実製品株BP-412は共培養試験で使われなかった

――行政が認識可能な状況にあった工業用変異株の問題――

国立医薬品食品衛生研究所(NIHS)発表の吉成文献(Yoshinari et al. 2025)に対する疑義申立

紅麹サプリの健康被害を巡り、原因物質の発生機構については現在も検証が続いている。

株式会社薫製倶楽部(岡山県都窪郡早島町、代表取締役・薬剤師 森雅昭)は、国立医薬品食品衛生研究所(NIHS)が発表した吉成文献(Yoshinari et al., Proc. Jpn. Acad., Ser. B 101, 2025)に対し、以下に示す事実に基づき疑義申立を行った。本稿は、当社が確認した事実を時系列に沿って記録するものである。

■ 事実① 紅麹コレステヘルプに使用された株はNBRC 4520由来の工業用変異株BP-412である

紅麹コレステヘルプの製造に使用された紅麹菌株BP-412は、グンゼ株式会社が公開特許(JP2009095304A)において明示した通り、Monascus pilosus NBRC 4520にUV照射変異処理を施して作出された工業用変異株である(生存率約0.5%、死滅率約99.5%)。同株は2016年に小林製薬へ譲渡された。小林製薬は2018年7月17日付の公式ニュースリリースにおいて、BP-412株の使用を公式に公表している。

【根拠】グンゼ株式会社 公開特許JP2009095304A/小林製薬株式会社 公式ニュースリリース(2018年7月17日)

■ 事実② 2024年4月19日、NIHSは共培養試験の実施を公表した

2024年4月19日に厚生労働省が公表したNIHS作成資料(「小林製薬社製の紅麹を含む食品の事案に係る取組について」)には、以下の記載がある。

・ 「同定された化合物が紅麹菌・青カビ共存下において産生できることを共培養実験で検証」

・ 「紅麹菌と青カビ(B)の共培養実験 → 共存可能」

この時点で「紅麹菌」として使用した株の名称・由来は、公表資料に一切記載されていない。

【根拠】厚生労働省公表資料(2024年4月19日)「小林製薬社製の紅麹を含む食品の事案に係る取組について(国立医薬品食品衛生研究所)」

■ 事実③ 吉成文献はNBRC 4520由来と明記しながら、BP-412への言及がない

2025年3月に発表された吉成文献のIntroductionには以下の記載がある。

・ "The M. pilosus strain used to prepare RYR was derived from M. pilosus NBRC 4520."

NBRC 4520由来であることを自ら明記しながら、当該株がBP-412という工業用変異株であること、およびグンゼ特許JP2009095304Aとの関係については、文献中に一切記載がない。

【根拠】Yoshinari T. et al., Proc. Jpn. Acad., Ser. B 101 (2025) 302-316

■ 事実④ 共培養試験に使用された紅麹菌株はNBRC 4520であり、実製品使用株BP-412ではない

吉成文献2.7節には以下の記載がある。

・ "M. pilosus NBRC 4520 and P. adametzioides strain 11-1 were cultured on a solid rice medium and a PD agar plate, respectively."

共培養試験に使用された紅麹菌株は、実際の製品製造に使用されたBP-412(工業用変異株)ではなく、その親株であるNBRC 4520(自然界由来の標準株)である。

なお、Table 2の脚注には「This strain was provided by the RYR manufacturer(=小林製薬)」と記載されており、NIHSは小林製薬から直接株の提供を受けている。製造者から株を受け取った時点で、使用株がNBRC 4520の変異株であることをNIHSが認識可能な状況にあったことは合理的に考えられる。

【根拠】Yoshinari T. et al., Proc. Jpn. Acad., Ser. B 101 (2025) 302-316、Table 2脚注

■ 事実⑤ 2024年当時の報道・行政発表に「工業用変異株」「BP-412」「グンゼ特許」への言及は確認されていない

2024年3月の問題発覚以降、厚生労働省・NIHS・大阪市保健所・消費者庁・農林水産省の公表資料および当時の主要報道において、「工業用変異株」「BP-412」「グンゼ特許JP2009095304A」への言及は当社の調査では確認されていない。使用株が千年の食経験を持つ伝統的紅麹菌株ではなく、特定成分の高産生を目的として変異処理された工業用変異株であるという事実は、初動対応の段階から公衆に示されることがなかった。

■ NIHSに対して申立てた疑義の核心

上記の事実から、当社はNIHSに対し吉成文献の以下の点について疑義を申立てた。

・ 実際の健康被害製品の製造に使用されたのはBP-412(工業用変異株)であるにもかかわらず、発生機構を検証するための共培養試験においてBP-412ではなくその親株NBRC 4520が使用された。工業用変異株と親株は遺伝的に異なる株であり、UV照射変異処理によって代謝産物の組成・産生パターンが変化している可能性がある。代謝産物が同一である科学的保証がない以上、親株NBRC 4520を用いた共培養試験の結果をもって実製品BP-412株による発生機構を説明することは、因果関係の検証として不十分である。

・ 吉成文献はNBRC 4520由来と明記しながら、BP-412という工業用変異株の存在およびグンゼ特許との関係に言及していない。この不記載の理由および科学的判断の根拠を示されたい。

■ 論理構造図:共培養試験の科学的問題点

図:実製品株BP-412と試験株NBRC 4520の差異が因果関係立証を不十分にする論理構造

■ 結論

本件は、実製品に使用された株(BP-412)と異なる株(NBRC 4520)を用いた検証結果に基づき発生機構が説明されている可能性があり、その科学的妥当性には再検証が必要である。当社は引き続き、公表文書および科学文献に基づき、行政の説明責任および研究の再現可能性の観点から検証を継続する。本件に関する開示請求・疑義申立の進捗は随時プレスリリースにて公表していく。

【会社概要】

会社名:株式会社薫製倶楽部

所在地:岡山県都窪郡早島町前潟611-1

代表者:代表取締役・薬剤師 森雅昭

事業内容:食品製造・販売

TEL:086-483-0602  E-mail:sales@kunsei.co.jp

紅麹関連情報:https://kunsei.com/archives/category/benikoji

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ビジネスカテゴリ
医薬・製薬
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URL
https://kunsei.com
業種
製造業
本社所在地
岡山県都窪郡早島町前潟611-1
電話番号
086-483-0602
代表者名
森雅昭
上場
未上場
資本金
1000万円
設立
1998年06月