5ヵ国 職場 生成AI利用調査 日本のAI導入は「狭く浅く」、品質と使いやすさを重視する一方、リーダーのビジョン不足が課題に
最もインテリジェントなワークマネジメントプラットフォーム「Wrike」を提供するWrike(本社:米国カリフォルニア州サンディエゴ、以下Wrike)は、職場における生成AI(以下、AI)の導入に関する最新の国際比較調査(対象:日本、米国、英国、ドイツ、フランスの5カ国、各200名、2025年9月実施)を実施しました。日本の職場におけるAI活用のユニークな実態が明らかになりました。日本の従業員はAIツールの「正確性」と「使いやすさ」を極めて重視する一方で、AI導入を主導するリーダーシップ層からの明確なビジョンが欠如していると感じていることが示されました。
※なお本リリースは11月6日に本国で発表された調査「コネクテッド・インテリジェンスの時代(The Age of Connected Intelligence)」から、日本に関する結果を分析しまとめたものです。
主な調査結果
日本のAI導入は「狭く浅く」
「日常的にAIツールを利用する」は米国(82%)、英国(86%)、ドイツ(88%)、フランス(78%)、日本(73%)となり、AIの利用率において日本が最も低い結果となりました。また、日本のAI利用者の70%が週に「1~2種類」のツールしか使用しておらず、これは他国(41%~60%)を大きく上回ります。一方で、週に5種類以上のツールを使いこなす「パワーユーザー」はわずか3%で、5カ国中最低でした。これは、個人が自由にツールを試すのではなく、企業が特定のツールを統一的に導入している「トップダウン型」の導入モデルを示唆しています。


日本のユーザーがAIツールに求めるのは「正確性」と「使いやすさ」が最重要
日本の回答者は、AIツールに求める特徴として「正確性」(63%)と並び、「使いやすさ」(58%)を極めて高く評価しました。この数値は、米国、英国、ドイツを上回っており、直感的でシンプルな操作性が日本の市場では不可欠であることを示しています。

ルールはあってもビジョンがない日本企業
日本の組織は「AI利用に関する公式方針の共有」(45%)では5カ国中トップでした。しかし、「リーダーシップによる明確なAIビジョンの伝達」はわずか17%と、米国(35%)や英国(36%)の半分以下にとどまりました。また、「AI利用に関する研修を受けたことがある」は全体の34%ほどで、ルール作りは進んでいるものの、会社のAI活用ビジョンの浸透と利活用を促進するための教育機会の提供が不足している現状が浮き彫りになりました。

現場の不満は「責任者不在」と「業務とのミスマッチ」
AI導入における最大の課題として、日本では「AI導入の明確な責任者や推進者がいない」(28%)が他国より突出して高くなりました。また、「AIツールが実際の業務フローに合っていない」(25%)という声も多く、トップダウンで導入されたツールが現場のニーズと乖離している可能性が示唆されます。



米国との対照的な「シャドーAI」利用率
会社が承認していないAIツール(シャドーAI)の利用率は、米国が54%と最も高い一方、日本は27%と最も低い結果となりました。これは、米国では従業員が所属部署や特定業務の効率化のために様々なAIソリューションを試す「試行錯誤型」の傾向が強いのに対し、日本では組織の方針に従う「ガバナンス重視・品質重視型」の考えが強いことを反映していると考えられます。


5カ国すべてで、93%以上の従業員が「複数のAIツールが自動で連携し、文脈を共有すること」に価値がある、と回答
5カ国すべてで、93%以上の従業員が「複数のAIツールが自動で連携し、文脈を共有すること」に価値があると考えており、より統合されたAIエコシステムへの強い期待が示されました。しかし、自律的にタスクをこなす「AIエージェント」に仕事を任せることについては、日本は他国に比べて抵抗感が強く、11%がどのタスクも任せたくないと回答しました(他国は3~4%)。


結論
本調査から、日本の職場におけるAI導入は、品質と安全性を重視する慎重なアプローチを特徴とすることが明らかになりました。従業員は、業務品質の維持・向上に貢献する信頼性の高いソリューションを求めています。AI導入による生産性向上を実現するためには、経営層が明確なビジョンを示し、ガバナンスと現場の業務ニーズの両方を満たすソリューションの導入を推進する責任者を明確にすることが急務です。
米国のような従業員主導のスピード感のあるイノベーションと、日本のような組織主導の統制された導入、それぞれに長所と短所があります。今後のAI時代を勝ち抜く鍵は、この両者のバランスを取り、AIを単なる効率化ツールとしてではなく、ビジネスを変革するパートナーとして組織全体で活用していくことにあると言えるでしょう。
調査概要
調査名:「The Age of Connected Intelligence(コネクテッド・インテリジェンスの時代)」
調査対象:米国、英国、ドイツ、フランス、日本のフルタイム従業員
サンプル数:各国200名、合計1,000名
調査時期:2025年9月
調査方法:オンライン
【回答者属性 参考】


Wrike について
Wrike, Inc.は、最もインテリジェントで汎用性の高いワークマネジメントプラットフォーム「Wrike」を提供しており、あらゆるチーム、あらゆるユースケースに適用可能で、仕事の効率化、生産性の向上を支援します。「Wrike」のプラットフォームがもつ豊富な機能により、チームはデジタルワークフローを管理し、最も重要な仕事に集中し、可能性を最大化し、ビジネスの成長を加速させることができます。NVIDIA,Siemens, Sony Pictures, Estée Lauder, Electrolux, Lyft, Ogilvy, Tiffany & Co.など、世界中の20,000を超える企業がさまざまな規模の業務を計画、管理、実行するためにWrikeを活用しています。Wrike, Inc.は、カリフォルニア州サンディエゴに本社を構えています。
詳細については、https://www.wrike.com/ja/ をご覧ください。
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