森林が育む、フィンランドの持続可能なバイオエコノミー
ヨーロッパで最も森林面積が広いフィンランドは、森林資源を活用したバイオエコノミーの先駆者として世界的に知られています。技術革新と持続可能な取り組みを融合させることで、フィンランドは繊維、包装、建設などの産業を変革し、気候変動や資源枯渇といった地球規模の課題解決をリードしています。

森林は、資源の枯渇や気候変動といった世界的な課題に取り組む上で欠かせない存在です。フィンランドでは、再生・リサイクル可能な資源である木材を活用し、持続可能なイノベーションを推進するとともに、環境に配慮した消費行動や強靭な経済の実現を支えています。木材は、完全にリサイクル可能な再生可能資源のため、化石資源への依存を大幅に減らすことができます。
森林資源を活用したバイオエコノミーによる持続可能性の革新 ― 高い目標に向けて
世界一幸福度が高い国フィンランドは、2035年までに持続可能なバイオエコノミー分野で世界をリードすることを目標としています。開催中の2025年大阪・関西万博の北欧館でフィンランドは、持続可能なバイオエコノミーと環境負荷の低い社会への移行に関する先進的な知見を紹介しています。社会全体のウェルビーイングを高めるため、フィンランドは「国家バイオエコノミー戦略(2022~2035)」を改定し、バイオエコノミーの包括的な持続可能性に焦点を当てています。再生可能エネルギーソリューション、プラスチック代替素材、低炭素木造建築などに広がるイノベーションは、フィンランドの強い意志を体現しています。さらに、日本との協力をはじめとする国際的な連携が、これらの取り組みを加速させ、目標達成への道を切り拓いています。
フィンランドのサリ・エッサイア(Sari Essayah)農林大臣は次のように述べています。
「バイオエコノミーはフィンランドにとって極めて重要な分野です。私たちは、生態学的・社会的・経済的に持続可能な方法で、より付加価値の高い製品とサービスを生産する可能性を重視しています。」
エッサイア大臣はさらに、気候変動や生物多様性の喪失といった喫緊の課題に取り組む上での国際協力の重要性を強調しました。自然資源を持続可能に管理することが、その解決策の一つとなります。
変革を推進する先駆的企業
フィンランドの企業は、木材を活用した革新的なソリューションで産業に革命をもたらしています。 メッツァ・グループ (Metsä Group)は、化石燃料を使用しないフィンランドのバイオ製品工場で生産されるパルプからクウラ (Kuura)という繊維を開発しました。この繊維は、日本の伊藤忠商事との共同開発により誕生し、ファッションブランド「THE RERACS」とのパイロットプロジェクトで実証されています。クウラは、他の繊維素材と比べて温室効果ガス排出量が大幅に少なく、持続可能なバイオエコノミー分野におけるフィンランドのリーダーシップを示しています。
メッツァ・グループの先端事業会社であるメッツァ・スプリング(Metsä Spring)のCEO、ニクラス・フォン・ヴェイマル(Niklas von Weymarn)氏は次のように述べています。
「フィンランドでは、すでに木材を非常に多様な形で活用しています。しかし、それでもメッツァ・グループのような企業は、常により良い活用方法を追求すべきです。パルプ由来の新製品であるクウラ繊維は、その絶え間ない
努力を示す一例です。」

Wood for Thoughts(木材がもたらす新たな発想):デザインと建設の新しい可能性
美しいデザインが環境に優しい製品につながる事例は数多くあります。その中でもWoodio®は革新的な技術で業界をリードしています。同社は、バスルームで使用できる、陶器や石材に代わる世界初の100%防水木材複合材という持続可能な製品を開発しました。
Paptic(パプティック)社のPaptic®マテリアルは、柔らかくしなやかでありながらも、耐久性に優れ、金属・木材・革などのデリケートな表面を傷つけません。また、電子ディスプレイやその他の電子機器を保護するためにも活用できます。その他の用途として、手提げ袋、EC用配送外装、衛生用品の包装、衣類用バッグ、ポリ袋、乾燥食品の包装などがあります。
建築分野では、フィンランドのKeitele Group(ケイテレ・グループ)やHonkarakenne(ホンカラケンネ)といった企業が、再生可能資源を活用し、エネルギー効率に優れた持続可能なソリューションを提供するなど、環境配慮の先進性を示しています。
これらの革新は、木材がより環境に優しく、健やかな未来を形作る可能性の大きさを示しています。
ビジネスフィンランドについて
ビジネスフィンランドは、イノベーションへの資金調達と貿易・観光・投資の促進を目的としたフィンランドの政府機関です。ビジネスフィンランドの700人以上の専門家は、世界各地の40のオフィスと、フィンランド国内の16の地域オフィスで働いています。ビジネスフィンランドは、チーム・フィンランド・ネットワークの一部です。www.businessfinland.fi
Finland at Expoについて
2025年4月13日(日)から10月13日(月)まで、大阪にて開催される大阪・関西万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、約2,800万人の来場者が見込まれています。北欧パビリオンは、フィンランド、デンマーク、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンの5カ国が共同で展開するプロジェクトです。フィンランドの主なパートナーには、ノキア、農林省、フィンエアー、5G Mökki、ユヴァスキュラ市、オウル市、Metsä Group ja Metaverse Dayなどが名を連ねています。
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