「茶馬古道ろまん ―― 中国雲南省無形文化遺産の世界」 #日中友好会館美術館(東京都文京区)にて 2025.10.11(土)~11.30(日)

長江・ガンジス川・メコン川 ―― 三大流域を結んだ文明の道に息づくロマン

日中友好会館美術館

 2025年の秋、日中友好会館美術館では、茶馬古道が通る雲南省の大理やシャングリラなどの周辺地域に伝わる無形文化遺産に注目した『茶馬古道ろまん ―― 中国雲南省無形文化遺産の世界』展を開催いたします。本展は当館と中国雲南省文化和旅游庁の共催により、茶馬古道沿線に息づく雲南省の無形文化遺産をご紹介するもので、前・後期にわたり、この地域に伝わる工芸技術や作品、制作道具など、約150点を展示いたします。

 「南のシルクロード」とも称される茶馬古道は、交易路として約1300年の歴史を持ち、中国四川省を起点に、雲南(古代南詔国・大理国)、チベットを経て、ネパール、インド、ミャンマー、ベトナムへと延びています。この道は、近代になって自動車道が貫通するまで、平均標高2500mを超える険しい山岳地帯にも、茶葉や馬などの生活必需品を運び、地域間の文化・宗教・芸術の交わる舞台として重要な役割を果たしてきました。そのため、この地には古代中国の中原王朝の技術と、現地の民族風習が融合する独自の文化が花開き、その地の職人たちの手によって生み出された美しい工芸品の数々が、今もなお人々の暮らしの中に受け継がれています。

茶馬古道と隊商のモニュメント

 白(ぺー)族の絞り染め、甲馬(ジャーマー)版画、鶴慶(かくけい)銀器、チベット族の木椀、琺瑯(ほうろう)絵画、烏銅走銀(うどうそうぎん)など、多彩な工芸品を通して、卓越した技の伝承とともに、いにしえより語り継がれてきたその地のロマンにも光をあてます。会期を前・後期に分け、展示品の一部を入れ替えます。


◎展覧会のみどころ

1.茶馬古道が育んだ歴史と文化的ロマン

 古代南詔国・大理国を経て栄えた交易路=茶馬古道の壮大な物語を軸に、その沿線に生きる多様な少数民族が築き上げた暮らしや信仰、芸術の世界をご紹介します。現地で撮影された写真や映像、文字資料を通して、より立体的にその地の世界観をご覧いただけます。歴史の奥深さと文化の広がりから、茶馬古道が今なお人々の心に宿す「文化的ロマン」を実感していただけます。

2. 暮らしの中で生き続ける無形文化遺産が大集結!

 本展では、6種類の無形文化遺産が一堂に集結。白族の絞り染めやチベット族の木椀、琺瑯絵画、鶴慶銀器など、暮らしに根ざした工芸品や民族衣装を通じ、多彩な美と匠の技をご紹介します。無形文化遺産の伝承人による精緻な手仕事と現代的な創作の両面を体感でき、館内では甲馬版画の制作体験に無料でご参加いただけます。

3. 多彩な関連イベントで広がる文化体験

 展示に加え、会期中には舞台公演やファッションショー、講演会、美術館コラボめしなど、多彩なイベントを実施します。迫力ある伝統芸能、現代的にアレンジされた華やかな衣装の世界、食を通じて味わう雲南省の文化体験など、内容は盛りだくさんです。五感を通して文化に触れることで、展示品だけでは伝えきれない茶馬古道の魅力とロマンを、より総合的に感じていただけます。


■■ 開催概要 ■■

展覧会名:2025年特別企画展 「茶馬古道ろまん ―― 中国雲南省無形文化遺産の世界」

会   期:2025年10月11日(土) ~ 11月30日(日)

      [前期] 風花雪月に映える匠の技 10/11㊏~11/3㊊㊗
      [後期] 祈りの地に宿る手しごと 11/5㊌―11/30㊐

主  催:公益財団法人日中友好会館、、中国雲南省文化和旅游庁

協  力:大理市孔雀窩文化芸術伝媒有限公司、北京美途在線国際旅行社有限公司

後  援:中華人民共和国駐日本国大使館、文京区、文京区教育委員会、国際交流基金、

     中国文化センター、日中友好議員連盟、公益社団法人日本中国友好協会、

     日本国際貿易促進協会、一般財団法人日中経済協会、一般社団法人日中協会、

     一般財団法人日本中国文化交流協会、一般財団法人日本アジア共同体文化協力機構

会  場:日中友好会館美術館 (東京都文京区後楽1-5-3)

開館時間:10:00~17:00 (10/17、10/31、11/14、11/28㊎は20:00まで開館)

休 館 日:月曜日、10/14、11/4、11/25㊋  ※ただし、10/13、11/3、11/24㊊㊗は開館

入 館 料: ■ 一般当日券  1,000円(税込)

     ■ eチケット   800円(税込)

     ■ リピーター割  500円(税込)

      ※中学生以下無料。障がい者手帳をお持ちの方と、付き添いの方1名まで入場無料。

      ※「リピーター割」券は会場販売のみ。半券/使用済eチケットのご提示が必要です。

アクセス:https://jcfcmuseum.jp/access
都営大江戸線「飯田橋」C3出口より徒歩1分
JR総武線「飯田橋」東口/地下鉄東西線・有楽町線・南北線「飯田橋」A1出口より徒歩7分

本展URL:https://jcfcmuseum.jp/events/event/2025-23

                   ※ 全作品撮影OK!※


■■ 展示構成 ■■

 本展では、前・後期にわたり、以下の無形文化遺産による作品をご展示・紹介いたします。

【 白族の絞り染め 】 ぺーぞくのしぼりぞめ

 前・後期は展示品の一部を入れ替えます

「伝統建築に飾られた白族の絞り染め」

 白族に伝わる絞り染めは、前漢時代(紀元前206年~8年)に起源をもち、雲南を代表する染織文化です。文様は、藍と白の美しいコントラスト、自然や動植物をモチーフにしています。縫い方や染め時間などは、職人たちの技と感覚で一枚ごとに異なる表情を生み出します。その地の日常生活や祭礼にも根ざした手仕事の結晶です。

「様々な模様が美しい白族の絞り染め」
「京都の祭を描いた白族の絞り染め」

【 甲馬版画 】 ジャーマーはんが

 前・後期は展示品の一部を入れ替えます

「バラエティ豊富なキャラクターたち ♡ かわいい」

 雲南省の少数民族地域に伝わる紙製の信仰物で、祖霊祭祀や厄除け、祈願に用いられる民間版画です。唐代(7~10世紀)から宋代(10世紀末~13世紀末)にかけての道教・仏教儀礼に起源をもち、木版と手漉き紙で作られ、自然や神、日常の出来事を題材に描かれます。儀式後に神に届けられる使い捨ての作品ながら、その地の民族の世界観や宇宙観を映す文化遺産として、今も制作されています。

「“ゆっくり、ほろよい” ―― 現代の流行語がモチーフの甲馬版画」
「甲馬版画の木版」
「会場では無料で摺り体験をお楽しみいただけます」

【 鶴慶銀器 】 かくけいぎんき

 前・後期は展示品の一部を入れ替えます

「鎏金九龍銀酒器」

 大理市の北にある鶴慶県で受け継がれる「鶴慶銀器」は、千年の歴史を誇り、国家級無形文化遺産に登録されています。古代南詔・大理国時代には王族や貴族が仏教儀式や日常生活で好んで銀器を用いたことから、技術が発展。明清期(14世紀後半~20世紀初)には種類が増え、茶馬古道での貿易の主要商品の一つになりました。その地の銀鉱を背景に、洗練された技法と吉祥文様を宿す器は民族の美意識を映し、近年では現代生活に適した作品も誕生しています。

「龍鳳呈祥壺」 
「コスモス紋のドリップポット」

【 琺瑯絵画 】 ほうろうかいが

 前期のみ展示

「孔雀の装飾皿」

 鉱物顔料と金属糸を用い、陶板の上に自然や花鳥を鮮やかに描く工芸品です。元代(1271年~1368年)後期に西アジアやアラビア地域から伝来した技術を明代(1368年~1644年)に発展させ、清代(1644年~1912年)には絵画的な様式が誕生。焼成せず研磨で光沢を出す独自の技法により、絹のような艶を放ちます。描かれるモチーフには自然や民族文化など多彩で、額絵や文房具、装飾品として今も人々を魅了しています。

「琺瑯絵画――雲南風物」
「琺瑯絵画――着色の制作工程」

【 チベット族の木椀 】 チベットぞくのもくわん

 後期のみ展示

「チベット族の夫婦椀」

 チベット族の木椀は、高山の堅木を手作業でくり抜き、漆や彩色、鎏金装飾を施した遊牧生活では欠かせないものです。ヤクバター茶や主食を盛るため、軽くて壊れにくく、移動する暮らしを支えます。その特徴は「一人に一椀を一生使う」ことで、使用の際にできた傷や手跡が人生の証となり、親から子へ受け継がれることも。日常を守る知恵と、安心のロマンが宿る器です。

「装飾模様が施されたチベット族の木椀」
「盤長紋のついたチベット族の木椀」

【 烏銅走銀】 うどうそうぎん

 前・後期は展示品の一部を入れ替えます

「万字紋鼎」

 雲南発の伝統銅工芸品で、銅に文様を彫り、銀や金を流し込み磨き上げることで黒と銀・金の鮮やかなコントラストを生み出します。起源は清代雍正年間(18世紀前半)で、文房具や酒器、茶器などが制作されました。職人の体質と素材の相性により美しい色を出すこの技法は、国家級無形文化遺産に登録され、運命と才能が生み出す美の結晶として今も輝きを放っています。

「三英戦呂布将軍罐」
「吉祥八宝抱月瓶」

【 特 別 展 示 】 Special Exhibition

 ・Peacock Wow 孔雀窩 (ピーコックウォー) の最新コレクション

  前・後期は展示品の一部を入れ替えます

 ファッションブランド「Peacock Wow 孔雀窩」を創業した姉妹は、中国を代表するファッションデザイナー楊麗燕(ヤン・リーイェン)と、国家一級舞踊家楊麗萍(ヤン・リーピン)です。2003年、孔雀舞踊の第一人者である姉・楊麗萍が手がけた舞台劇『雲南印象』の世界公演で、衣装を担当した妹の楊麗燕は、それを機に「Peacock Wow」を立ち上げました。彼女のデザインはその地に伝わる民族衣装を現代風にアレンジし、大胆な色彩と華やかな手刺繍が特徴。芸術品のような魅力にあふれています。

 本展では、多様な中国民族衣装のデザインや文様、生地を取り入れて制作した最新の衣装を特別展示いたします。


■■ 関連イベント ■■

1. 茶馬印象 ―― 中国民族舞踊 × Peacock Wowファッションショー

 中国南西部の少数民族の舞踊が一堂に会する舞台公演です。この地を代表する孔雀舞をはじめ、タイ族、ミャオ族、チベット族などの多彩な衣装と踊りを披露。さらに、中国を代表するファッションデザイナー楊麗燕と、中国の国家一級舞踊家の楊麗萍姉妹が手がけた、民族衣装・手刺繍と現代ファッションを融合させたファッションショーも開催します。当日はシークレットゲストが登場します、乞うご期待!

【日 時】10月12日(日) 13:30~14:30

     ※ 開演30分前より入場開始

【会 場】日中友好会館地下1階・大ホール

【出 演】東京華舞舞踊学校 × Peacock Wowモデルチーム

【席 数】120席  (全席自由席/eチケット先行販売/先着順/

          空席がある場合に限り会場で当日券販売)

【参加料】¥1,500 中学生以下¥350 (税込・『茶馬古道ろまん

     ――中国雲南省無形文化遺産の世界』展 観覧料込み)

           ※ 展覧会と本公演会のセット券のご購入はこちら  

       >>> https://jcfcmuseum.jp/events/event/2025-24/ <<< 

              ※ 2025年10月12日㊐の日付指定券 ※

2. いにしえより響く旋律 ―― 二胡 × 竹笛の秋コンサート

  中国の伝統楽器、二胡と竹笛が織りなす美しい音色が、悠久の時を超えて響き合います。秋にぴったりの哀愁を帯びた旋律、風のように軽やかな音が重なり合い、聴く人の心に穏やかに語りかけます。歴史に培われた日中両国の名曲や民謡、現代ポップソングから、二胡と竹笛の奥深い魅力をお楽しみください。 伝統楽器にまつわる豆知識もお届けします♫

【日 時】10月25日(土) 13:30~15:30

     ※ 開演30分前より入場開始

【会 場】日中友好会館地下1階・大ホール

【出 演】陳ブンジ(二胡) × 陰夢菲(竹笛)

【席 数】120席  (全席自由席/eチケット先行販売/先着順/

          空席がある場合に限り会場で当日券販売)

【参加料】¥1,200 中学生以下¥200 (税込・『茶馬古道ろまん

     ――中国雲南省無形文化遺産の世界』展 観覧料込み)

           ※ 展覧会と本公演会のセット券のご購入はこちら 

       >>> https://jcfcmuseum.jp/events/event/2025-25/ <<< 

              ※ 2025年10月25日㊏の日付指定券 ※

3. 特別記念講演 ―― 雲南グルメから見た中華料理の世界

 多民族が暮らす中国雲南省は、豊かな自然と多彩な食文化に恵まれた地域です。本講演では、過橋米線(グオチャオミーシエン)や野生キノコ、プーアル茶など、個性あふれる雲南グルメから、中華料理の多様性や地域性、また、歴史的背景をひもときます。ひとつの料理から広がる「食」の世界を通じて、中国文化への理解を深めてみませんか。

【日 時】11月1日(土) 11:00~11:50

     ※ 開始30分前より入場開始

【会 場】日中友好会館地下1階・大ホール

【講 師】岩間一弘 教授 ※東洋史学者、慶應義塾大学文学部教授

【席 数】130席  (全席自由席/eチケット先行販売/先着順/

            空席がある場合に限り当日参加可能)

【参加料】講演会は無料(ただし、美術館入館券が必要)

           ※ 展覧会と本講演会のセット券のご購入はこちら 

       >>> https://jcfcmuseum.jp/events/event/2025-26/ <<< 

               ※ 2025年11月1日㊏の日付指定券 ※

4. 美術館コラボめし

料理の写真はイメージ

 雲南の本場の味を体験!過橋米線(グオチャオミーシエン)、雲南小粒コーヒー、白玉プーアル茶など、雲南省を代表する絶品グルメをぜひご賞味ください。会期中は、美術館向かいの中国レストラン「馥(ふく)」にてお楽しみいただけます。美術館の入場券をご提示の方には、嬉しい割引サービスも!

【営業時間】11:00~20:00 不定休   Tel:03-3818-6607


このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

公益財団法人日中友好会館

1フォロワー

RSS
URL
https://jcfcmuseum.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都文京区後楽1-5-3
電話番号
03-3815-5085
代表者名
小川正史
上場
-
資本金
-
設立
1988年03月