『1~3歳ことばの相談・臨床実践講座~”ことばがゆっくり”なお子さんの初回相談~』を開催しました<事後レポート>

2024年9月29日、一般社団法人ことばサポートネットは、幼児のことばの相談に対応する専門職を対象にオンライン講座『1〜3歳ことばの相談・臨床実践講座』を開催いたしました。

 本講座では、言語聴覚士の藤森めぐみ先生を講師にお迎えし、限られた時間のなかでどのようにことばの遅れを見立て、発達やことばの遅れのとらえ方や見立てを伝えるか、生活の中でできることの伝え方、今後の療育・受診等のすすめ方を中心に、ことばの初回相談の一連の流れを学びました。

実施概要

日付:2024年9月29日(日)9:00〜12:30

開催方法:オンライン(Zoomミーティング)

対象者:主に1歳半・3歳健診後などの、ことばの相談に携わる専門職の方

参加者:言語聴覚士、臨床心理士、公認心理師、医師など79名

講師紹介

言語聴覚士 藤森めぐみ先生

千代田区立子ども発達センターや東久留米市わかくさ学園などでお子さんに対する言語療法に携わる傍ら、言語聴覚士として、巡回アドバイザーや外部顧問としても活躍されています。

教育現場、保育所等多様な施設での支援経験があり、広い視野で、今だけでなく将来まで考えてこどものことばに向き合ってくださる先生です。

開催の背景

不足している小児のことばを専門とする言語聴覚士

 子どもを育てる保護者にとって、ことばの育ちは大きな関心ごとです。はじめて出会うことばの専門家として、安心感を与えつつより望ましい関わり方を提案することは、お子さんや周りの家族の今後の過ごしやすさに影響する可能性があります。

 そんな大切な役目を担う「はじめてのことばの相談」ですが、これには課題があります。現在日本では、小児のことばの相談に携わる言語聴覚士の数は十分とは言えず、そのほとんどが一人職場や業務委託での仕事という実情があります。若い言語聴覚士にとって、経験豊富な言語聴覚士がどんなことを考えてお子さんの育ちを評価し、結果を伝えフォローをしているのか、具体的に学ぶ機会は非常に少ないのです。

 この講座は、受講した言語聴覚士がことばの相談業務に自信を持って臨めることを目指し、企画をいたしました。

当日の講義内容

■初回言語相談に対する思い

■初回言語相談で何を伝えるか

■事前情報・準備

■相談日当日の流れと場所の設定

■ことばの相談当日に行うこと

 挨拶・イントロダクション

 ヒアリング

 評価(スクリーニング)

 フィードバック:捉え方・見立て

         生活の中でできること

         今後について  

当日の様子

 ことばの初回相談は、保護者やお子さんにとって”初めて出会う専門職”になるかもしれない場面です。今回の講義では、講師の先生が大切にしていることや、長年携わられた中での失敗談も含めたご経験を絡めながら、下記の点を中心に、ことばの初回相談の一連の流れを具体的に扱っていただきました。

  • 初回の短い時間で、どのようにことばの遅れを見立て、発達やことばの遅れのとらえ方や見立てを伝えるか

  • 生活の中でできることの伝え方

  • 今後の療育・受診等のすすめ方

 特に心に残っているのは、初回相談で一番大切となるお子さん・保護者の方との関係づくりについて、実際に先生が話されているセリフや身振り手振りも含めて惜しみなく公開してくださった場面です。声のトーンや言い回し、表情も含めて、決して教科書では学ぶことができないことだと思います。その裏にある講師の先生の熱い思いにも、大きく心を動かされる時間でした。

 お子さんも保護者の方もお一人お一人違い、言語聴覚士のほうもお一人お一人違うので、”このまま真似をすればうまくいく”ということは決してありませんが、先輩の臨床を診る機会の少ない職場に勤めることの多い方にとって、少しでも助けになればと思います。

参加者の声

 「わかりやすかった」「勉強になりました」というだけでなく「先生の熱い想いに感銘を受けました」「先生のように〜〜〜安心していただけるような臨床を目指したい」等、講師の人柄に心を動かされた参加者の声も多く集まりました。

  • 先生の熱い想いに感銘を受けました。私自身も関わらせていただいているこどもさん・保護者の方にそのように向き合えているのかと改めて考えさせられました。

  • 藤森先生の臨床知見を余すことなく、言語化して伝えてくださったことに感謝しています。

  • 自分以外のSTがどんな形で臨床をやっているのか、なかなかひとり職場では知る機会が少ないため、非常に貴重な機会でした。

  • これまでの臨床の中で経験し積み上げてこられたことを惜しげもなくご教授していただき、ありがとうございました。

  • 藤森先生の熱心なご講義に、時間の経つのを忘れて聴き入ってしまいました。

  • 先生のように、保護者さまが来てよかった、また何かあればここに相談に来よう、と安心していただけるような臨床を目指して、明日からの仕事に活かしていこうと思います。

  • なかなか実践を聞く機会がなかったのでとても参考になりました。子どもを見る視点、保護者に伝える時の言い方など含めこれから参考にさせていただきます。

  • 最前線で悩んでいた内容を丁寧に噛み砕いて教えて頂き、宝物を頂いたようなご講義でした。ありがとうございました。 

 ※一部抜粋

録画配信について

公開期限:2024年11月5日(火)

こちらの講座は、現在録画配信を行っています。

詳細・お申し込み:Peatix (https://20240929-video1.peatix.com/

専門職向けセミナーの開催について

 

 当法人では、子どもの発音やことばを対象とする言語聴覚士やことばの教室の先生等の専門家を対象としたオンラインセミナーを開催しています。

 エビデンスに基づいた言語療法に関する情報提供や、経験豊富な言語聴覚士の先生方の知識や技術に基づいた実践、歯科等他の専門職種を招いての講座などを発信することで、言語聴覚士をはじめとするお子さんのことばの育ちに従事されている方々の負担を軽減できれば、そしてその先にいらっしゃるお子さんの健やかな育ちに寄与できればと考えています。


団体概要

一般社団法人ことばサポートネット

ことばサポートネットは、ことばや発音に悩む方々に、言語聴覚士がいつでも寄り添える体制づくりを進めています。

ことばの悩みや困りごとに対する個別相談・発音練習、子育て関連施設、教育機関、医療機関等での言語聴覚士による支援の提供、保護者や専門職を対象とした相談会や講座の開催を、主にオンラインで行っています。

詳細は、公式ウェブサイトをご覧ください。

ウェブサイト ▶︎https://www.kotoba-support-net.org/

Peatix ▶︎https://kotoba-support-net.peatix.com/

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会社概要

URL
https://www.kotoba-support-net.org/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
岐阜県可児市光陽台1丁目39番地
電話番号
-
代表者名
埜藤奈美
上場
未上場
資本金
-
設立
2022年04月